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心刃一体アクトナイト  作者: 仲居雅人
大月信太郎編
137/150

第137話 アクトランサーウェポンVSメングラン

 メングランの周りには先程まで戦っていた少年たちが生身の状態で倒れていた。そんな彼らの非力さを表すかのように、怪獣は無傷であった。




 邪魔者がいなくなったところで先に進もうとしていたその時である。

 メングランの前に新しい戦士が飛び降りて来た。


 一人増えたところでどうなるわけでもない。怪獣は臆することなく、邪魔をするようならこの戦士も倒してしまおうと考えていた。




「…ハァアアア!」


 ランサーは進むのを止めない怪獣の前で、変身した時と同じように槍を掲げた。

 するとどういう原理か、小さな身体がぐんぐんと大きくなっていき、最終的と目線が同じくらいになるまで巨大化したのである。


「ダアッ!」


 巨人のアッパーカットで怪獣の巨体が軽々と浮き上がった。そこへさらに、ランサーは槍でメングランを捕らえて押していき、山岳地帯へと戦場を移したのである。




 突然過ぎる強敵の出現にメングランは臆することなく、全身からビームを曲げ撃って応戦した。

 ランサーは槍を高速回転させることでエナジーを利用したシールドを生成し、ビームを受け止めた。どれだけビームが束になってもシールドは壊れることなく、ランサーは怪獣との距離を少しずつ詰め始めた。


 そして怪獣のビームが止んだ瞬間、目前まで迫っていたランサーは勢いの付いた蹴りから始まり、怯んで隙が生まれたところを何度も槍で攻撃した。



 怪獣にはダメージが入り傷も出来ていた。しかし体内に溜まったエナジーによってか、すぐに回復してしまう。こうなると、仕留めるには一撃必殺の技しかない。


「ハアアアン!ヌゥ!」


 ランサーは素早くメングランの背後を取り、羽交い締めにすると勢いよく飛び上がった。

 2つの巨体が合わさった影は雲の中へ。それを抜けても止まらずに、遂に宇宙にまで辿り着いたのだった。




 ランサーが手を開くと、地上に置いてきた槍が一瞬にして手元にやって来た。

 メングランを倒そうとする強い気持ちが、心から槍へと送られ、エナジーへと変換されていく。槍を投擲する構えを見せると、怪獣も口を開き光線を準備した。



 そして光線の発射と同時に、ランサーは勢いよく腕を動かして、槍を正面に向かって放った。

 直撃した物を分解、吸収するメングランの吸収光線。しかしアクトランスウェポンは分解されることなく、光線の中を突っ切って行った。


 そしてメングランに触れた瞬間、槍に溜まっていた全エナジーが放出し、大爆発が起こったのだった。




 メングランは跡形も残らなかった。ランサーは槍を回収して元の大きさに戻ると、仲間たちの元へ帰還して行った。



 地上にいた美保たちは既にシャオによって回復を終えていた。


「先輩…!生きてますよね!?幽霊じゃないっすよね!」


 美保に尋ねられた剛は、言葉ではなく行動で、温かい身体で抱き締めることで生きていることを示した。


「先輩…あったかい」

「色々と迷惑を掛けた。怪獣を倒した事に免じて許してくれ」

「もう怒ってませんよ。それに先輩が怪獣と戦って死んじゃうって信太郎に言われて、それどころじゃなかったですから」



 ニヤついている仲間たちの視線に気付くと、剛は恥ずかしがって離れた。流石に人前でハグというのは彼でも顔を赤らめる程の行為だった。


 アクトランスWは静かなままだ。もうウェポンの心が出てくることはきっとないだろう。


(ありがとう…ウェポン)


 新たなる力を手にした剛はそれだけでなく、ウェポンとの思い出によって人間として成長を果たしたのであった。

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