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心刃一体アクトナイト  作者: 仲居雅人
大月信太郎編
135/150

第135話 メングランの進撃

「皆!乗れ!」


 翼竜の姿をしたドラコが叫んで降下してきた。突然の地震に戸惑う少年たちは慌てて背中に登った。


「やっぱりダメだったか…メングランが動くぞ!」

「シャオさんまだ戻って来てないのに!」


 ドラコは球状のバリアを展開しながらも、急いで尻尾から離れた。


 周囲の建物が次々と倒れていき、地面がヒビ割れて浮き上がる。

 地中の中でうつ伏せに近い状態だった怪獣が街を破壊しながら起き上がった。


「で…デカイ!」


 遠くから見てもその存在感は揺るぎなく、怪獣の恐ろしさはよく伝わっていた。


「僕が倒したやつよりも大きい…」

「だからって何もしないわけにはいかねえよ!ドラコ、怪獣の後ろに回ってくれ!」

「それからどうするの!?」

「とりあえず攻撃するしかねえだろ!」


 ドラコは頼まれた通り、大きく旋回して怪獣に接近した。




 しかしメングランは口を大きく開けると、僅かに下を向いた。そして地上目掛けて光線を放った。

 メングランの吸収光線。これを喰らった物は何であろうと破壊されてエネルギーに変換され、怪獣の体内に蓄えられていくのだ。


「アレあたしのバリアで防げるか…?」


 不安を漏らしながらもドラコは加速していく。そして目的の上空まで来ると、少年たちを落として自分も身体をバラバラにした。


 少年たちは空中で次々とアクトナイトへ変身していった。6つに分離したドラコは、次々と戦士たちにドッキングして力を貸した。


「ブレイクアーム!」


 フレイスには以前にも力を借りた左腕が与えられ、一番に怪獣を叩きに降りて行った。


「スラッシュアーム!」


 鋭い爪が特徴的な右腕は、ウイングジュピテルへ。白い翼を広げたジュピテルは怪獣の側面へと斬り込んで行った。


「エナジーレッグ!」


 大きな下半身には、昇士たちの合体したソウルトリオが乗り込んだ。それによりエナジーが増強し、アクトブラスターの火力も通常時と比べられない程アップした。



 3つの強力な部位を得た戦士たちが先に怪獣へ攻撃を仕掛ける。

 当然怪獣は反撃を考える。そして何も器官がないにも関わらず、全身からビームを放った。


「バリアウイング!」


 ビヴィナスが身体よりも大きな翼で空を飛び、強力なバリアで仲間たちを守った。


「サーバントテール!」


 アーキュリーの腰には尾の付いたベルトが装着された。鋭い尾はビームを掻い潜り、怪獣の表面に向かっていった。しかしあまりにも頑丈な表皮に弾かれていた。


「ブレイブヘルム!」


 ドラコの頭部でもあるヘルメットはサートゥーンと合体していた。


「絶対に倒す!」


 高まる勇気の力に比例して、心の力も強くなっていく。そしてその強い心は周りの仲間たちとも繋がっていた。



 猛攻を受ける怪獣は足を止めて、全身から放射するビームを操り邪魔物を撃ち落とす事に専念していた。


 再び口を開こうとする様子を見て、ジュピテルは正面に仲間たちを集めた。


「とりあえず正攻法だ!光線が終わった瞬間に、口の中にありったけの攻撃を撃ち込むんだ!」


 そしてメングランは上空に集まったジュピテル達に目掛けて再び光線を発射した。

 30秒間続いた攻撃の直後、無防備に開いた口に目掛けて攻撃を放った。


「口内炎じゃ済まないぜ!」




 しかし口に向けて放った攻撃は、そのまま体内へと送られ、メングランのエナジーになってしまった。


「無傷!?」

「いや、それどこか…!」


 先程はただ真っ直ぐに伸びていたビームが、今度は戦士たちを狙って曲がり始めた。


「パワーアップさせちまったのかよ!」


 ビヴィナスのバリアは一瞬で砕かれ、攻撃を避けようと戦士たちが散っていく。

 だがビームの速度は凄まじく、次々と獲物の背中に命中し、地面に落としていった。



 怪獣は敵を倒したと認識して前進をする。向かう先には大勢の人間がいると、本能で分かっていた。


「まだだ…みんな立て!」


 しかし一度攻撃を喰らったからといって諦めるアクトナイトではない。彼らは立ち上がり、そして再び怪獣へ挑むのであった。

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