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心刃一体アクトナイト  作者: 仲居雅人
大月信太郎編
103/150

第103話 誰の家族

 彼が家庭という暖かさを理解したのは最近のことだ。




「先輩朝っすよ。もう、寝相悪いなぁ。そんなに私が好きですか?」


 目を覚ました時、剛に抱かれていた美保は目を覚ましていた。彼が起きるまで、ずっと寝顔を見ていたようだ。


「好きだな」

「ズルいなーそういうの恥ずかしがらず言えるの」


 宇宙船や以前住んでいたアパートではストレスで安眠出来ていなかった。酷い時には任務のせいで野宿、徹夜したこともあった。

 しかし今はこうして暖かい布団で、大切な恋人と目を覚ます日常を手にした。これで高校2年。今年でやっと17歳なのである。



「…二度寝したい」

「えぇ~!?どっか行きましょうよ!私たち他と違って学校違うし一緒にいれる時間少ないから~!」

「寝ていても出掛けても一緒にいる時間は変わらない。それに他と比べても意味はない」


 喋っていると美保の腹が鳴った。朝ご飯を食べに布団から起きようとすると、剛が手首を掴んで止めた。


「えぇ~なんですか~?私お腹空いたんですけど~」


「…朝からはダメですよ!?下にお母さん達いるから!」


 それでも剛はその瞳で訴えかけた。


「大体、朝はエッチしないルール作ったの先輩でしょ。ダメな物はダメです。未だにバレてないのも私のおかげなんですからね」

「むう…分かった」

「ほら、朝ご飯食べに行きましょう!」




 リビングでは美保の父である雄大、母の理恵子が既に朝食を終え、庭の植物を観賞していた。


「ほら、花が咲いてるわよ!あら、おはよう二人とも。卵焼きとご飯作ってあるから食べて」

「この後鎌倉まで出掛けるけど一緒に来るか?」

「え~お父さんチョイス渋いっすよー。パス!」


 雄大は美保にとって義理の父親である。まだ敬語は抜けていないが、それでも仲は良くなっていた。


 自分もこの賑やかな一家の一員であると思うとそれだけで幸せになれた。


「ほらね~、二人とも、冷蔵庫にお昼用意してあるから、レンジで温めて食べてね」



 しばらくして両親たちは出掛けた。それから間もなく、信太郎がやって来た。


「何の用だ」

「いや、三者面談の紙が来たからさ…予定合わせてもらおうと思ったんだけど」

「二人とも鎌倉だ。俺から渡しておこう」

「そっか…頼む」


 信太郎はシャオの宇宙船に住んでいるが、戸籍上では雄大と理恵子の長男である。

 しかし剛は戸籍が曖昧だ。本当の両親も知らず、彼自身自分がどういう立場なのかよく分かっていない。


「信太郎。1つ尋ねるぞ」

「ん、なんだ?」

「お前にとって家族とは何だ」


 信太郎はしばらく考えた。というのも、色々と複雑な事情があるので仕方ない。

 そして答えは出せなかった。


「俺に答えられる質問じゃない………ってマジか」

「どうした。怪人か」

「あぁ。ここから北の方角。俺、先行ってっから」


 剛と美保も急いで支度をして怪人のいる北に走った。

 普通に走れば時間は掛かるが、アクトの装備は手に持っているだけで身体能力を超人並みに強化する。2人はまるで忍者のように、建物の屋根を走っては跳び移っていた。


「急がないと。多分信太郎もう負けてますよ」

「どうしてそう思う」

「いつも負けてるから。そう言えば勝った所見たことないや。やっぱり弱いな~あいつ」




 そして美保の予想した通りだった。先程まで怪人がいたと思われる廃工場には、ボロボロにされた信太郎が倒れていた。


「能力は…加速…」

「喋るな。公園に連れていく」

「はぁ~逃がしてるじゃん。無駄足でしたね」




 場所は公園へ移り、怪我をした信太郎の治療が始まる。その間、剛は美保を連れて話が聞かれない場所まで離れた。


「美保。誰だって上手く付き合えない人間はいる。しかしアクトナイトである時に私情を挟むのはやめろ」

「なに怒ってるんですか」

「心配をしろとは言わない。しかしさっき、あのタイミングで信太郎を罵倒するのは間違っている。それにあいつは敵の能力を探った。それが敵のほんの一部であれ全容であれ、褒めるべきことだ」

「ふ~ん…今日はあいつの味方なんですね」

「そういうわけじゃない」


 2人の雰囲気が悪くなってる一方で信太郎の治療は完了していた。だが、気を失ったままだ。




「まだ起きそうにないか…加速の能力。それでここまで追い込まれるのは変だな」


 シャオは足の速い敵となら、この星に来るずっと前に何度か遭遇した記憶がある。しかしそういう相手は翻弄されることはあっても、信太郎の様に大きなダメージを受ける戦いにはならなかった。

 やはり、信太郎の方に問題があるのだろうか。


「先輩のバカ!」

「な、なんだぁ!?」


 大きな声を出した美保は走って泣き顔で公園から出ていった。


「アクトナイト。怪人のエナジーは?」

「感じられないけど…いいのか。あいつ行っちまったぞ」

「私情を持ち込む美保が悪い。目が覚めたら言っておけ。敵は俺たちで倒す」

「…へっ、お前、ずいぶん変わったよな。丸くなった」




 剛は美保を探し始めた。LINEも全て既読スルーされ、全く場所が掴めなかった。


「あれ、剛じゃない」


「那岐と…」

「え、もしかして私の名前知らない?」

「芽愛よ。陽川芽愛。ちゃんと覚えなさいよね」


 オシャレな格好をした女子2人組に出会った。どこかに遊びに行くらしいが、別れる前に剛は美保について尋ねた。


「知らないわよ。あんたの後輩なんだからちゃんと躾ときなさいよね…あ~思い出しただけで指痛くなって来た。行こう芽愛」

「うん。それじゃあ二地君。私の名前、忘れないでね」


 それから日が暮れるまで街中を探したが見つからず。諦めて家に戻ると、リビングでテレビを観る美保がいた。


「あ~先輩。おかえりなさい」

「お前、公園を出てからどこにいた?」

「いや帰って来てドラマ観てましたけど」

「そうか。雄大さん達は?」

「渋滞に捕まって帰って来るの遅くなるって言われました」


 機嫌は直っていた。たまに2人が喧嘩する時、基本的に美保に非があるわけだが、いつもこうして元の状態に戻るわけだ。



 怪人は出たが、いつも通りの日常だった。






「やっと起きたな」


 地中にある宇宙船アクトーザーの中で、信太郎は目を覚ました。


「俺は………そうだ、怪人は!?」

「今のところは何も感じられない。それにしても寝不足か。もう夜だぞ」


 信太郎は外に出て夜空を見上げた。昼前に負傷して治療を受けたが、ここまで起きるのに時間が掛かったのは初めてだった。


「昇士が作った飯が冷蔵庫にある。それ食ってもう一度寝ろ」

「寝れるかよ」

「良く寝れる睡眠薬と良い夢が見れて気持ち良く起きれる快眠薬がある。それを飲め」




「モグモグ…なぁ、シャオは家族がいるのか?」


「いきなりなんだ?俺に家族なんかいねえぞ。カナト人は一万年ごとになるべく多くのデータを持った卵を産んで死ぬ。それからすぐに孵ったそいつが新たにカナト人のシャオとしてこの宇宙を旅するんだ。生殖器もないから雑種も産まれない。トラブルの少ねえ身体だよ」


「血が繋がってなくても家族とか…そういうのはないのかよ?」


「あぁ義理の家族持ちだったら沢山いるな。父親やってたり息子やってたり、巡った星でバラバラだ」


 それを語るシャオはどこか悲しげだった。


 信太郎はシャオの話を聞いて…


「俺は自分の両親はもういないって思ってる。今の父親と母親は剛と美保を見てて、血の繋がった親2人とはもはや縁すらない…寂しいよな」


「寂しいならちゃんと帰って甘えろよ。多分お前が思ってる程、両親も冷たくねえよ」


「なあシャオ。俺の父親になってくれよ」

「馬鹿言うな。大体俺、地球人じゃねえから無理だし」

「俺、ここで住んでるけど何もやれてないだろ。頼んでくれたら色々やるよ。いや、頼まれなくてもやるべきだな。食器洗いは俺がやるよ」

「いやいいよ別に。自分でやらないとなんか狂うんだそういうの。にしてもどうしたんだ急に。なんかあったか?」


「そうだった…ごめん。俺、何言ってんだろう。変みたいだ。薬ありがとう、もう寝るよ」

「おい、本当に大丈夫か?なにがあったんだ」




「お前にとって家族とは何だ」


 今朝、剛から聞かれた問い。それに今の信太郎が出せる答えは「厄介な存在」という悲しい物だった。


「分かってる…俺が今やらなきゃいけないのは怪人との戦いで…うん。傷付けた俺に…求める権利なんて…」




 そして眠りに沈もうとした時だった。


 遠くから、邪悪なエナジーが暴れているのを感じた。そして聞こえた。助けを求める悲鳴が。


「怪人だ…!シャオ、俺が破裂するぐらい大量のエナジーをくれ!」

「なんか策でもあるのか!」


 シャオは信太郎の背中に触れると、言われた通りにエナジーを送った。


「ありがとう!行ってくる!」


 顔を叩いて眠気を覚ますと、信太郎は現場へ向かった。






 怪人はコートとハットで容姿を隠して人間に擬態し、不審に思われながらも街を歩いていた。


「それでは…まるで映画を倍速で観るように、この風景をさっさと炎で染めてしまおうか」


 交差点を曲がろうとしていたタンクローリーが異常なほど加速。正面のスーパーへと突っ込んで大爆発を起こした。


「続けて行こうか!」


 それからも道路を走っていた車が不自然な衝突を起こし、街はパニックになった。




「違う…違う違う違う!」


 しかし自分で作り出したはずの光景が怪人は気に入らなかった。


「なぜ人間が生きている?私は作品に人を入れない主義だ!だが徹底的に殺したはずの人間が逃げ回って走っている!何故だ!?」




「お前は…誰1人殺せてねえよ」


 全身が炎に包まれている人物が近付いて来ていた。異常な程の生命力に、怪人は何か察した。


「ふぅん…そうか。アクトナイト。お前の仕業か。お前の神秘の力が、ダメージを全て吸収したというわけだな」


 炎の中にはアクトナイトセルナがいた。来たばかりの彼だが既にアーマーはボロボロで、割れたメットからは焼け爛れたが顔の半分が現れていた。


「なんで生きてるか自分にも分からない…けどこうするしかなかったし、出来ると思った」


「街の人間が受けるはずだったダメージを全てお前が肩代わりか。潰されたり切れたりしたはずの人間も無事だったとすると…くくく。その変身が解けた時。神秘の力で保っているその身体はどうなるのかな」


「知らねえよ。それより来いよ。俺を倒すのもお前の仕事なんだろ?」


 半身だけファイティングポーズを取った信太郎。だが既に戦えるだけの力は残っておらず、今にも倒れてしまいそうだった。


「あっ…」


 そして頭が地面に引っ張られる。スローモーションでゆっくりと、信太郎は倒れていく。


(身体が重い…)


 感覚がそう見せているのではない。現実で信太郎の身体がゆっくりと倒れているのだ。


「今朝の戦い。お前は私の能力を加速と言っていたな」

(違うのか?けど、こいつは加速して全ての攻撃を避けた。そして俺も加速させられて、そのスピードに翻弄されて自滅した)

「私の能力は速度の加減。速くしたり遅くしたり。物体を韋駄天からそこら辺のカタツムリのように、スピードを狂わせてしまえる能力なのだ」


 ドゴン!


 信太郎の身体は加速し、地面が身体に叩きつけられた。目は虚ろだが、意識はあるのだろうか。


「お前を殺したら地球侵略はどうなるだろうか。敵の指揮は下がり侵略はあっという間に終わるか、それともお前の死がきっかけで一致団結。最期までしぶとく抗うようになるか。まあ遅かれ早かれお前は死ぬのだ」


 炎の動きも加速しているのか、周りの建物の火災は既に収まっていた。


「お前は今、自分の能力の可能性に賭けている。セルナの神秘の力で私の能力を一時的にでも無効化すれば、駆けつけた仲間が倒してくれる…そうじゃないか?しかし残念なことに仲間はもう来ている…今頃、どうして身体を壁にぶつけたのかも分からず痛みに苦しんでるんじゃあないのかな?あっはっはっはっはっ!」


 信太郎の頭に怪人の足が乗る。


「足の動きを加速させる。生憎私には力がないから、加速させなければ踏み潰すのには時間が掛かるだろう。しかしお前の感覚は失速させる。ゆっくりとゆっくりと、亡き同胞たちが味わった死を知るがいい!ふんっ!」



 信太郎の頭が一瞬にして潰された。信太郎はどうだったのだろうか。頭が潰されて死ぬまでの間を、一体どれだけの時間味わっていたのだろうか。


「仇は討ったぞ…」




「それは俺の分身だ…」


 ボロボロになったアクトナイトセルナが立っていた。それも何人も、まるでゲームで無双される雑魚キャラの如く。


「広い街の人間全員のダメージを受け持つにはな…こうするしかなかった」

「一体、何人の俺が死んだのか。もう分かんないや」

「肩代わりした痛みから逃れようと、さっき向こうで自殺したやつもいたよ」


「ここまでやるとは………おのれ!侮っていた!」


「能力も既に分かった。常に自身の速度は加減出来るが、それ以外になると限度がある!」

「つまりお前を逃げられなくすればやりようはあるぞ!」


 僅かなエナジーしかないセルナ達が、息を合わせて怪人の能力を封印した。


「くっ…!しかし私を止めるのに精一杯のようだな」


 逃げ出そうとする怪人の背後に、2つの影が迫っていた。


「良くやった信太郎!」

「ダブル必殺技だああああ!」


 アクトガーディアンとサートゥーンだった。咄嗟に、怪人はサートゥーンの方を失速させた。

 だがサートゥーンは失速した途端に急加速した。向かい風に押されて加速するように、彼女は砂塵に押されて速度を得ていたのだ。


「しまっっったああああああ!」


 怪人は逃げられず、2人の戦士の一撃を受けた。そして爆発した。


「よっしゃー!」

「おい信太郎!おい!しっかりしろ!」


 分身は次々に消えて、最後に残ったセルナの変身が解ける。すると、積み木がバラバラと崩れるように信太郎の身体が離れていった。


「きゃああああああああ!?」

「連れて行くんじゃ遅い!美保!シャオを連れて来い!」

「でも!」

「ここまで来て私情を挟むな!行け!」



 美保は泣きながらシャオを連れて来ると剛に抱き付いた。よほど、その惨状がショックだったらしい。


「先輩…私…私!」

「分かってる。ビックリしただけだ。お前はちゃんと信太郎を助けようとした…偉い…偉いぞ」


 シャオはアニマテリアル達に心臓マッサージと人工呼吸を任せ、ひたすら身体を治した。

 傷は癒えて新たな四肢が作られる。しかし、命はどうだろう。死んだ生命を彼は治せるのだろうか。


「信太郎!起きろ!おい!」






 一切の物を使わず、自分の身体を客観的に見ることを幽体離脱と言うのだろう。

 信太郎の魂は身体を離れ、その周りを漂っていた。


 身体は生きている。魂はその気があれば肉体に戻れる。


 しかし信太郎は何を思ったのか、遠くへ飛び立った。


 そして、3つの家族を見て回った。


 血の繋がった父親の家族と血の繋がった母親の家族。2つの家族は自分の戦いを知りもせず、また新しい家族を作ることに勤しんでいた。


 これでいい。もうただ血が繋がっているだけで、その色と同じように今はもう赤の他人なんだ。



 そして、戸籍上の家族。大月雄大と大月理恵子。車の中で怪人との戦いを知って、無事を祈っていた。


「美保…剛君…」






「どうか無事でいて」


 いつまで待っても、信太郎の名前が呼ばれることはなかった。






「もう悔いはない。だって今回、かなり強敵だったんだ。それを相手に誰も死なせなかったのは…誇れることだ」


 魂は雲へと向かっていく。しかし、建物より高くへは昇れなかった。

 心と身体は糸のような物で繋がれている。これがある限り、信太郎は死ねない。戦いから逃げることは許されない。


「せっかくここまで来たんだ。俺は逝くんだ!成仏して、天国でも地獄でもどっちでもいい!」


 糸を引っ張り連れ戻すのはこれまで守れなかった人々の魂だ。残った命を守るんだ。そう聞こえてくる。


「もう戦いたくない!嫌だ!頑張ったからもういいじゃないかあああ!」






「俺…生きてるのか」


「良かったあああ!信太郎!お前大丈夫か!?ったく無茶な作戦しやがって!」


「シャオ…ありがとう。助かったよ」


 信太郎は起き上がると、泣いている美保とそれを慰める剛のそばへ。


「2人ともありがとう。俺じゃ怪人は倒せなかったよ」

「お前は平気なのか」

「人の心配出来るってお前…随分優しくなったな」

「…」

「睨むなよ。美保、ありがとうな」

「うっさい。早くどっか行っちゃえ」



 信太郎はシャオと共に公園へと戻っていった。



 剛は美保を背負って家まで歩いた。


「先輩…私、分かんない。あいつのこと嫌いなのに、いざとなったら助けないといけないって思って…」

「美保は変わったんだ。アクトナイトになって、俺だけじゃなく色んなやつと関わって成長した。だからあいつを好きになる準備が出来た………」

「先輩の言う通りかも…私、変われてるのかな」

「あぁ。強くなってるさ」

「へへへ。でも、これ以上強くなったら困りますよ。アクトナイトって知られてから、今じゃ学校で番長って呼ばれるようになったんですよ。友達も増えたし…へへ」


(俺も…お前のおかげで少しずつ変わってる。お互い様だな)




 家に帰って、夕飯をインスタント麺で雑に済まそうとしていると両親が帰って来た。


「2人とも大丈夫か!?」

「どこも怪我してない!?」


 渋滞に巻き込まれて帰って来るのは遅くなるはずだったのに、心配した2人は急いで帰って来てくれた。


「おかえりなさい。大丈夫ですよ」

「ゲッ!」


 美保は食べ漁っていたお菓子の袋を隠したが、すぐに見つかって呆れられていた。


「全くもう心配したのにあなたは!」

「もーうるさーい!先輩まだー?」

「もう出来るから、待ってろ」


 ずっとではないがこの光景は続く。


 一緒にのんびりとした日常を笑顔で過ごす。何かあったら心配したりする。たまに衝突しては共に成長する。


「これが俺の家族…」


 微笑んだ剛は、自分の家族とは「大切を分かち合える大切な人たち」という答えを見つけたのだであった。

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