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今日から学校と仕事、始まります。②莞

仕事に疲れた時にでも

作者: 孤独
掲載日:2019/05/07

5月。今年は10連休などと……


「あるわけねぇーよなぁ~」


とはいえ、GWは終わったわけである。

世間が10連休と言われても。自分はその間で7日も働かされた事に苛立っている……わけでもなく。配達員の木下はタバコを吸いながら、ゆらりと一服中である。

この仕事をしていて分かる事であるが……。10連休をしている会社さんは少なく、せいぜい。5連休ぐらいだよって、客先に言われると似た者同士だなって、仲間意識ができる。10連休の企業もあるけどさ。お偉いさんは規則通りに休んでいるため、従業員達が会社内の掃除やら片付けなりをしているんだとか。



「木下さ~ん」

「おー?なんだ?休み明けだってのにひでぇ面だな、お前。4連休できたんだろ?」

「……なんでウチの会社は、10連休じゃなかったんですか……俺の友達、10連休だって自慢しててさ」

「まー。あるよな。けど俺達にはな、届ける荷物があるからだぞ。Amazonとか頼む人は結構いたなぁ~。ま、GW前よりかは少なかったけどよ」


だいたい、GWを終わってからである。4月より採用された人達は思う。


「仕事、……辞めたいんですけど。なんで、こんな仕事しなきゃいけないんですか。祝日なのに仕事って……。みんなが休んでいるのに俺だけ仕事なんて……」

「あー。そーだな。祝日の仕事は嫌だなぁ~」


そー思う人は少なからずいるが、祝日手当てを目的に仕事をする方もいる。

業種によって異なるが、露骨に忙しい時期と捉える職業とそうでない職業はあるものだ。

祝日だと、暇になっている仕事もある。


「そりゃまだ、俺。1ヶ月ぐらいしか働いてないっすけど、キツイっすよ。荷物がメッチャ多いし、雨の日とか、暑い日とか、寒い日とか考えたら。絶対にできねぇーっす」

「そー考えちまう時期はあるもんだわな。いや、人間の仕事じゃねぇって……思うことは色んな仕事を見てたら分かるもんだよ。そんな仕事が社会には溢れたらぁ」


これはたぶん夏までに辞めるかもなぁ~、そんな暢気な事を思う木下。自分がこの仕事をした時、まだ今よりかは忙しくなく、人が多かった事をふまえると、今の連中は少しだけ可哀想かなってのは思う。

本来なら優しく、まぁ頑張れやとか。慣れりゃあいいんだよって。楽観的な事を伝えるのが良いんだろう。仕事はなんにでもそうであるが、慣れてこないと、覚えてこないと、助言なんかできようもない。下手に先輩面して教えても、できないことは珍しいもんじゃない。



「木下さん。なんでこんな仕事できるんですか?結構ミスしてるのに……」

「おい、最後の言葉はなんだ?山口に怒られてても、俺はちゃんと仕事してる方だからな!あの馬鹿、8連休もしてるクズ野郎なんだぞ!俺、7日間も働いてるんだぞ!」

「すんません」


ついそこで、GWで唯一ムカついた事を吐露してしまう。仕事だけができる奴は、こーいう時期になるとやたら、休みを要求し、日頃から良く働いている事を上司にも周りにも言い聞かせる奴だからムカつく。

反論すると、日頃からミスしてる奴にカミナリを落としてくる。蝙蝠野郎め……。


「あー。そういや、山口の野郎。今日も休みだったな、社蓄の分際で……」

「すんませんすんません……。あの、木下さんはどーして、こんな仕事を続けられるんですか?」

「金になるし、20年以上も配達してるからな。慣れた」

「いや、20年もどうして続けられるのかと……」


そー言われると、金が入って、自分なりには慣れから来た、ラクさもあるわけなんだが。仕事内容がそう変わらないでいる事を伝えても、分からないだろうが。

新人の質問が求めている事を読むに、仕事のやりがいとかの話なんだろう。こんな仕事の何が楽しいかと、金だけ入って何がいいのかと。木下が答えたことは男である理由のようなものだった。


「人妻や受付嬢っていいぞ」

「は?」

「会社だったら可愛い受付嬢に挨拶して、お礼言われるし。まだお前やってないけど、夜の再配達なんて7割方、人妻が出てくるからな(家族持ちのお住まいに限る)。あれ、結構ソソル。若妻はええなぁ、不倫してぇよ。あ、俺の妻にはそんなこと言うなよ?」

「言いませんよ。ふざけてんですか?」


まだ新人。いや、お客様から見た妙な疑問に返された言葉は、ちょっと考えるものであったが……。


「土砂降りの時はそりゃー、やってらんねぇよ。マジでやってらんねぇ!けどな、アパートでの夜間の嵐が来た中での再配達でよ。同じように雨に濡れて帰ってきた姉ちゃんがさぁ、シャワー浴びてから、この荷物の受け取りに出て来てよ。アロマの香りって言うのか?そーいう香りつけて、裸Yシャツかつ胸のボタン留めを忘れて出てきた時は興奮して、めっちゃやる気出たからな。務めて4年目ぐらいの時だよ。この仕事は悪くねぇなーって思ったぞ。それとな、姉ちゃんのおっぱいがでかかった!」


ちょっと刺激があるのか、なんて事を言っているのか。

新人さんは色んな意味で言葉が出なかった。

一方で木下はそれを一番として、残りにこんな些細な事が仕事を続ける理由だと、なんとなく思った事を伝えた。


「そーいう色っぽい出来事もあったりするし、寒い日に客から温かいコーヒーをもらうとか、仕事少なくて楽するとか、こないだまで親がいないと荷物を受け取らないガキが、立派な坊主になって荷物を受け取ったりよ。そーいう良い谷間や良い変化が、仕事を続ける要員になっているんだろうって、俺は思うぜ」


なんで後者を先に言わない。

新人さん、全くそちらの方に耳を傾けていない……。


「おーい、大丈夫か?」

「あ!すんません」


この仕事を続けてる奴、社蓄と変態しかいないのか……。

ヤバイ。こんな気持ちで仕事をするなんて、最低な職場だ。

俺がこの職場を変えなくちゃ!


「まー、仕事で辛い時はよ」

「!」

「その仕事を続けて良かった事の数を数えてみろ。それが0だったら辞めちまえ。俺は0じゃねぇから、定年まで辞める気ねぇわ。家に帰ってから、数えてみるといい」


さすがに言わないけど、女子高生達の成長を直に見れるこの仕事はええぞ~。可愛い子を引き当てるのは難しいけれど、若いってのは可愛いと同義に等しいから結果オーライだ。10代後半から20代前半は胸の成長とか顔つきがえらく変わるからな。

ま、こんなの言ったら、全員に文句を言われるだろうから、言わないけどな。


「木下さん!俺!」

「おう!」

「まだ、頑張ります!」


こんな風紀が乱れた職場は改善しなきゃ!よし、俺。

この職場、変えてやる事を目標に仕事を続けるぞ!こんなふしだらな気持ちで働くなんて良くない!!



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