episode.9 夜宵
・characters
・詠瀬 零時
・フェノ・L・フランドレッド
・詠瀬 萌亜
・宵城 夜月
・絹舞 霞
・絹舞 莉華
・龍崎
・神堂ラルシア(しんどう らるしあ)
・三廻部 舞
各話出て来る人物と出てこない人物がいます
夏休みも後半に差し掛かったある日のこと。
昨日までは萌亜が家にいたのであまり夜に外へ出ていなかったが萌亜が実家へ帰ったので夜の散歩を開始する。
夜の国家警察育成学園都市、昼間とは一風変わった都市は暗く闇に包まれている。
「涼しくて丁度良いな....」
一人で暗い街を歩く。
すると目の前を一人の女性が通りかかる。
高層ビルの間から吹き抜けてくる風....それにたなびく金色の髪....。女性が目の前を通りかかる時、ハンカチを落として行った。
俺は落ちたハンカチを拾い女性に声をかける。
「あ、あの....!」
「あ、はい? なんですの?」
女性はこちらを向いて目を丸くしている。
「これ、落としましたよ?」
「あらまぁ、わたくしとした事が迂闊でしたわ、ありがとう存じますわ」
器用にお嬢様言葉を扱いながら礼を言ってくる。すると女性が。
「わたくしは、神堂ラルシアと言いますわ、これでも学園序列二位ですのよ」
それを聞いた後、俺が最初に思ったことは....この人高校生だったんだ、と。背が高く....とにかく胸が....でかい。少なくとも大学生だとは思ったのだが....。
高校生だと言う事が分かったのでこちらも名前を言う....。
「俺は、詠瀬零時です」
(この男....この間龍崎の言っていた序列五位の双銃者だったかしら?)
「ふふ、あなた気に入りましたわ。 今は時間が無いので、また今度ゆっくりと話しましょう?それと、ハンカチ....ありがとうございましたわ」
そう言うと、道路を挟んで向こう側へ歩いて行った。
....俺は、夜の街をもう少し歩いて回る事にした。
✳︎
月の光が差し込む薄暗い第二地区の廃墟....全く性格が反対の、龍崎と神堂が居た。
「遅いぞ....神堂....」
「それは、申し訳ございませんわ。 お詫びにパンツでも見せて差し上げましょうか?」
「冗談言ってる場合かよ....」
呆れる様に龍崎は言葉を吐き捨て神堂に質問をする。
「序列五位にはあったのか? 神堂?」
「えぇ、今さっき会いましたわ。 カッコいい殿方でしたわね」
「そうか」と龍崎が言う。
その時だった。
「二人とも久しぶりだねぇ! 仲が良さそうで何よりだよっ!」
新たな声だった、暗闇から見えてくる人影がだんだんと近づいてくる。
月明かりに近づくとその人影の様子が見えてくる。茶色がかったショートカットの髪、パーカーにスカートというどこにでもいそうな女の子だった。
「あぁ、三廻部か....珍しいなオメェがここに来るなんて」
「たまたま通りかかったからねッ! そういえば『シークレット』の新入り探しは終わったの?」
「いいえ、まだですわ。 もう少し時間がかかりそうですの」
龍崎を中心に構成されているグループ『シークレット』、メンバーは龍崎、神堂ラルシア、三廻部舞の三人だ。
『シークレット』の目的は『双剣機関』への復讐....である。
『双剣機関』は双剣者を派遣する機関である、国家警察育成学園を卒業した後の双銃者はこの機関へ、行く生徒が多い。
すると三廻部が質問を問いかける。
「ところでさ、この間私たちが暴走させちゃった魔術者はどうなったの?」
「あら、知らないんですの? まぁ、いいですわ、私達『シークレット』が新入り候補としている双銃者と、その他二人の双剣者によって逮捕されたそうですわ。 そうでしたわよね龍崎さん?」
「あぁ、そうだ....」
龍崎の返答に少し戸惑いが見えた。
「どうしましたの? 龍崎さん、考えごとですか?」
「いや、ちょっとな....」
すると三廻部が。
「ねぇ、龍崎! ここの廃墟もそろそろ移動して違うところを拠点にした方がいいんじゃない?」
「あぁ? そうだな、ここはあんまり拠点には向いてねェからな」
「それでは、わたくしが良さそうな拠点を見つけておきますわね」
「あぁ、頼む」
月明かりの下にいた龍崎が暗闇の方へと移動する、全身黒の龍崎は夜の暗闇と同化して見えなくなる。
暗闇から龍崎がこんな事を言う。
「あと、『シークレット』の活動は、夏休みが終わるまでは活動しねぇ、分かったか?」
「了解しましたわ」「オッケー!分かったよッ!」
ほぼ同時に返事をした神堂と三廻部。
会話が終わると三人はそれぞれ暗闇へと消えていった....。
指摘、評価、感想などあれば幸いです。
やっぱり文字数が少なくなっている気が....。