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やがて王へ至る道  作者: 米屋太郎
8/22

第2話『三人の勇者』(3/6)

■□ クリクの記録(媒体:脳) □■


■初日・午後■

 西を目指して歩き始める。

 すぐに隊列を乱して駆け足で前に出る者が現れる。

 右頬に刺青のある男。 ペースを落とせと言うが、聞かない。

 遠くへと走っていき、その後確認できず。 多分逃げたと思う。

 十里(約10km)歩くとまだ行くのかと質問。 不満げ。 答えられない。

 日が暮れる。 もう少しと言おうとして振り返る。 ごっそりと人が抜けている。

 夜になった。 多分四十里ちょっと。

 日が落ちたら村に帰る手はず。 みんなの眼が怖くて言えない。 野宿を命令。

 夕食、行動食の揚げた豆練り食う。 素朴ながら地場のいい味。 油っ気強く喉が渇くので水をたっぷり飲む。

 寝る前に脚を揉んでおいた方がいいと提案受ける。 茶髪の真面目そうな男。 顔が四角い。


■二日目・午前■

 起床。 人がまた減っている。 ため息。

 朝食、揚げた豆練り食う。 昨日よりまずい。

 脚がむくんだ者多し。 マッサージの必要性痛感。

 朝食後、出発。 ひとまず帰路。 東へ。

 滞りなく進行。

 太陽、南に登る。 距離ほぼ三十里。 見晴らしの良い岸辺。 昼休憩を決定。

 食事中に判明。 川はムース川。 東西取り違えた。

 死ねの声多数。 乱闘に発展。 半数脱落。

 昼食なし。


■二日目・午後■

 全員で方角確認し、東へ。 残り十四人。

 水枯渇。 絶望。

 真面目そうな男から川に戻り補給の具申。 反対多く崩壊恐れ却下。 残念。

 日没。 東へ十里。 乱闘の為滞る。 ナグハまで残り六十里。

 夕食。 揚げた豆練り。 豆の味。 喉乾く。 木の葉かじり凌ぐ。


■三日目・午前■

 日の出。 起床。 出発。 脱落者なし。

 朝食。 揚げた豆練り。 味。

 歩く。 歩いた。

 日差し。 眩しい。

 昼食。 揚げた豆練り。 油臭い。 吐く。

 出発。 日差し変わらず。 眩しい。

 頭重く全身だるい。 日差し緩んで幸い。 暗い。

 日差し益々緩む。 黒い。 何も見えず。

 クリク殿。 呼ぶ声。 返事する。

 したつもり。


■三日目・午後■

 帰宅。 母出迎える。 よく無事での声。 感謝。

 父壮健。 やっぱり泥掘りにしとくか? 断る。

 そう言うと思ったよ。 そろばんのプレゼント。 最高。

 夕食。 お母さん腕によりをかけて作るからね。 期待して待つ。

 召し上がれ。 主食におかず二品と汁物。 豪華。

 主菜。 揚げた豆練り。

 副菜。 揚げた豆練り。

 汁物。 揚げた豆練り。

 箸。 揚げた豆練り。

 父見やる。 豆練り。

 母。 豆練り。

 上。 豆。 下。 豆。

 西。 豆。 東。 豆。

 豆。 豆。 豆。 豆。 豆。


 豆豆豆豆豆豆豆豆豆


 豆豆豆豆豆豆豆豆豆

 豆          豆

 豆豆豆豆豆豆豆豆豆

  豆        豆

   豆      豆

 豆豆豆豆豆豆豆豆豆


 まめ。

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