第93話前日
評価してくれました人ありがとうございます。一気に点数が上がっていて驚きました。
それから俺達は魔術師試験の日まで必死に訓練をした。その間にピーチェ、レイ、アイリスの3人はしかっりと成長しており多くの魔法を使うことができるようになっていた。魔法以外の身体能力や作戦を考える力もめきめきと成長していたのであった。
俺はその様子を横から見ており、安心していた。
これなら大丈夫だ。
俺はそう思っていた。
─試験日前日─
「ギンさん少しいいですか?」
俺はここ最近の練習が終わった後は各自部屋で料理ができるまでは待機してもらっているのだがこの日に限ってはどういうわけかピーチェが俺に声をかけてきた。
俺は料理をしていた途中であったので火を止めてからリビングのソファの方へと向かった。料理はまた続きから作ればいいだろう。今はそれよりピーチェの話を聞いてあげよう。
リビングには今、俺とピーチェの2人しかいない。それが意味することは……俺は途中で考えることをやめた。
俺はソファに座りこむと同時に座ったピーチェの方を向く。
「で、何か用があるのか?」
「じ、実は話しておきたいことがあるんです」
「話しておきたいこと?」
俺は聞き返す。
それにピーチェが頷いてから話し始める。
「わ、私達本当に試験に受かるでしょうか?」
「どうしたんだ、そんなこと急に聞いてきて?」
俺はピーチェが話してきた内容に驚いていた。まさか、ピーチェが急に試験に受かるでしょうか何て聞いてくるとは思ってもいなかったからだ。
今日の練習の時も昨日の練習の時も一番真剣に練習に取り組み弱音を吐くことなく頑張っていたからだ。だから、てっきり俺には努力をしていたピーチェならそんなことを言うとは思ってもいなかった。いや、違う。心配であったからこそ一生懸命に努力をしたのだろう。そして、その努力が報われるか急に心配になってしまい俺に相談をすることとしたのだろう。俺はそう考えた。
「どう思います。ギンさん」
どう思います。そう言われてもなあ。俺はそう思った。何と答えればいいのだろう。俺の感覚としてはこの3人の実力はそこそこある。だから、試験は楽に受かるとは安に応えることはできないものの頑張り次第では首席で合格することもできるそうは考えている。でも、本当にそうなのか? これは俺が考えているだけのことであり、実際はそんな簡単にいくはずなどない。だから、俺はお前らじゃきついとか言って叱咤激励でもしないといけないのか。だが、それだと逆効果な気がする。さあ、どうするべきだ。
俺が一生懸命悩んでいると、そこにピーチェが心配そうにして声をかけてくる。
「大丈夫ですかギンさん? 正直に答えてくれるとうれしいです」
正直に。その言葉で俺は今まで言うか言わないか悩んでいたがついに答えることを決めた。
「分かった」
俺はそう言ってから一拍おいてピーチェ達3人の現状を叩きつける。
「ピーチェ達3人は油断さえしなければ合格できるだろう。ただし、油断をしなければだ。それにこの評価は俺個人の判断だ。実際はそんなに優しいものではない。特に、今年の魔術師試験は史上初めてのチーム制という試験形態だ。どんなものが出てくるかさえ予想ができない。だから、俺から言えることは3人がチームだと言うことを理解して試験に挑んでほしいと言うことだ」
最後の方の言葉は俺の本心だ。チーム制なので、ピーチェ、レイ、アイリスこの3人のチームワークが問われることとなる。だからこそ、ピーチェにはそんなに一人で背負わないでほしい。俺はそう伝わってほしかった。
ピーチェは俺の言葉を聞いて感動していた。涙腺辺りはだいぶ緩んでいた。今にも泣きそうであった。おそらくは俺が本当に伝わってほしいと思っていた部分が通じたのであろう。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして」
ピーチェがついに泣き始めてしまったので俺はそっとピーチェのそばによって優しく頭をなでる。ピーチェは俺が頭を撫でていることに気が付くと顔を物凄く真っ赤にさせて顔を隠すように下を向いた。俺はその様子にふいにドキッとさせられてしまった。ただ、それよりも今俺がドキッとして欲望に走ってしまうといろいろまずい。それにもう1つ理由はある。俺は泣いているピーチェから目を離してリビングのドアの方を向く。
「2人とも隠れているんだろ、入ってこいよ」
俺はドアの向こう側にいる2人に向かって声をかける。先ほどから気配がしたのだ。
「ばれていましたか」
「ばれちゃったね」
ドアを開けて入ってきたのはレイとアイリスであった。というよりも、この2人以外ありえない。他に人がいたらそれはホラーだ。
「話は最初から聞いていただろ?」
俺は一応確認のために聞いておく。
2人からの答えは「はい」であった。
「ならば、話は早い。いいか、3人は俺にとってはもう強い存在だと思っている。今まで敵と一緒に戦てくれたこともあるしな」
それはツウサンとの戦いのことだ。あの時は1人で戦おうとした俺を3人が諌めてくれた。
「だけれども、油断はしてはいけない。何が起こるかなんて最後までわからない。3人のその強いチームワークがあれば勝ち残れるはずだ。魔術師試験は全員が受かることはできない。ほんの上位数人だけだから1位じゃなくてもいい。でも、目指すなら1位だ。俺は直接サポートができないが応援席から見守っているぞ」
「「「はいっ!」」」
3人が俺の言葉に返事をしてくれた。その返事はとても元気で大きな声であった。息もぴったりあっていた。これならば、俺が余計な心配もすることはない。最後の最後でそう思わせてくれたものだった。
「じゃあ、今日はもう明日のために飯を食ったら寝ような」
俺はさっきまで作っていた料理を再開するためにキッチンへと動こうとする。
「ええー」
そこにアイリスの不満そうな声がした。
「アイリスは飯食いたくないのか?」
「そういうわけじゃないよ。ただ、もっと楽しも」
そう言っていきなり俺に飛びついてきた。
「わぁ!」
俺はその反応に驚き声を上げてしまう。
「あ、ズルイ」
「抜け駆けはダメだよ」
そう言ってピーチェとレイも抱き着いてくる。
「はぁー」
俺はその光景にため息をつく。これで明日は大丈夫なのか。そう心配してしまったがまあ、どうにかなってくれよと俺の周りで抱き着いている3人を見ながら思った。
─どうか3人が合格できますように
そして、夜は開けてしまいついに魔術師試験の日がやってきたのであった。
感想お待ちしております。
なるべく次回の更新を早くできるように努力したいと思います。




