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二級魔術師のギン  作者: 騎士星水波
第3章 シューム編
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第38話レイの内心

 開放してもらったレイと共にその場所へと向かった、いや、向かう前にしなければいけないことがあった。


 「とりあえず、ピーチェと合流しておこう」


 俺は、まずはピーチェと合流することを優先した方が良いと思った。ただ、レイは首を横に振った。


 「い、いやです。このまま行きましょう。今は時間が惜しいのではないですか?」


 「た、確かに時間は惜しいが…しかし………」


 俺は戸惑っていた。レイの提案は説得力というか俺自身の本心に近いのだ。今は早く闇商人を捕縛したい。そっちの方に俺は衝動を駆られているんだ。迷っていた。しかし、そこにレイから俺を決定的に決断させる一言を言った。


 「もしものことがあったらバックアップできる人としてピーチェには同行してもらわない方がいいと思います」


 む。確かに、もしものことがあったら3人一緒にいたら全滅するが2人と1人なら1人が助けを出せる。これはなかなかの意見だ。レイの言うとおりにするか。


 「分かった。じゃあ、急ごうか」


 「はいっ」


 レイは笑顔に元気よく返事した。これからやることは大変危険なことだから気を付けてほしいと言っておいた。レイはどこか浮かれているようにも見えたが緊張感は分かってもらえたみたいだ。

 俺達は、またその場所へと向かって走り出した。


 (レイ視点)


 やりました。私ついにやりましたよ。

 私は、ピーチェには悪いですがギンさんと2人きりにならせていただきます。たしかに、ピーチェの存在は必要ですがもしもの時のためにもバラバラの方が良いに決まってます。そうです。そうです。

 私は、自分で考えた案を何度も何度も容認した。ギンさんも容認してくれたから大丈夫に決まっています。これで、私はギンさんと一緒に闇商人という人たちを捕まえることができるのです。私は完璧に魔法を使うことはまだできませんがこの旅の道中に少しだけ教えてもらっているのであと少しで全てを掴めればいいのですが………ただ、足手まといになっては悪いのでなるべくギンさんの邪魔にならないように手伝うようにしないと。

 私はいろんなことを考えていましたが無意識のうちに頬がたるんで笑っていたようでした。ギンさんに注意されてしまいましたが、それはギンさんは私のことを心配しているとのこと。なんとしても無事にこの件を解決できるようにしないと。


 ただ、この時の私はのちにピーチェを1人にしてギンさんと一緒に行動したことが後悔することになるとはまだ知らなかった。知る由もなかった。

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