第100話2人の活躍
更新遅れてしまいすみませんでした。
「マグマ・プール!」
私は魔法を発動しました。
マグマプール
炎属性 技ランク3
能力 自分の周りにマグマを大量に発生させる。それは、まるでプールのように溜まる。
マグマプール。まさか私がこの魔法をうまく発動することができるとは思ってもいませんでした。一応、ギンさんから魔法については教えてもらっていましたが、私の実力では到底発動できるまで及ばなかった魔法。それが今ではいとも容易く発動できてしまいました。
「こ、この魔法は!?」
レンは驚いています。
私ごときがこのような高レベルの魔法を発動できるとは思っていなかったのでしょう。それならば、今がチャンスです。
「行きます!」
私はさらに魔法を発動します。それも今までの私では発動することすらできなかった高レベルの魔法です。
「マグマハンド!」
私が魔法を唱えると私の背後からはマグマによって形作られた手が出現しました。
マグマハンド
炎属性 技ランク3
能力 自分の周りに炎によって作られた手を出現させる。その手は発動者の思いのままに操ることができる。
私はマグマハンドによって複数の手を出現させました。そして、その複数の手の内のいくつか(およそ10本)をレンに向かって伸ばしました。
「ちっ!」
レンは必死に回避しようと右へ左へと体を揺らしたり動いたりします。しかし、全方位からの私の攻撃を相手にすることはさすがに不可能に近かったみたいです。それから、少しすると避けることができなくなり、そのまま私の手によって全方位から攻撃を受けました。もちろん、この攻撃はひねるつぶすとかいうものではありません。炎によって作られた手です。つまりは、やけどがこの魔法の一番恐ろしいことです。
「ぎあああああああああ」
全身に炎という炎を浴びているレンは大きな悲鳴を上げます。それほど、強力な魔法なのがこのマグマハンドなのでした。
「レン!」
そこにもう1人の敵ユージンがレンが大ピンチだと知り手助けに入ってこようとします。しかし、私にはそれは些細なことでした。何が、些細なのかというと向こうが2人で戦っているのと同じようにこちらも2人で戦っています。私には頼りになるもう1人の仲間がいます。
「そうはさせないよ。風の舞!」
ユージンがレンに近づいているのをレイが風の舞を発動して邪魔してくれました。
ユージンのことは全てレイに任せています。レイなら大丈夫でしょう。私はそう信じています。
「くそ! 邪魔するんじゃねええええええええええええ」
ユージンは怒りました。しかも尋常ではないほどです。明らかにレンを助けるために我を失っているとでもいう状況です。
私はレイの方へ振り向きました。レイは私の視線に気が付くと微笑みました。私はその表情を見て安心しました。レイの表情、目は強かったです。強いというのは、比喩的ですが私にはそう感じることができました。
「木枯らし2」
ユージンはレイめがけて突進していました。そこにレイは魔法を発動しました。木枯らし2という魔法はギンさんがよく使っている木枯らし1よりも技ランクが高い技ランク2の魔法です。技ランクが上がったため木枯らし1よりは魔法としても威力は上がっています。しかし、それでもその魔法の威力は決して強いとは言い切れません。では、レイはどうしてこの魔法を発動したのでしょうか。その答えはすぐに出ました。レイは木枯らし2をユージンに向けてではなく自分に向かって発動しました。自分に向かって発動する。すなわち、自分の体を木枯らし2によって発生させた風で浮かせるということです。
ユージンは怒り狂っておりレイが体を浮かせたことの対策を練るほど余裕はありませんでした。人間怒っていたら冷静になることはほとんど不可能です。この時点ですでにレイの作戦勝ちとも言えるでしょう。
「とどめといきましょう」
レイは空中に浮かんだ状況でとどめを刺すために魔法を発動します。
「暴風矢!」
レイの発動した魔法暴風矢はこれまたギンさんの得意な魔法の1つです。レイの得意な魔法属性が風属性ということもあってギンさんの魔法をこうも容易く使われるのは少し嫉妬してしまいます。
話がずれましたが、空中に浮かんでいる状態のレイは地上で怒りのあまり我を失っているユージンに狙いを定めて矢を放ちました。
ビシューン
何とも言えない甲高い矢の音がこのあたりに響き渡ります。その甲高い音は暴風矢という魔法の威力を物語っていました。レイも技ランク3の魔法を余裕で使えるぐらいまで強くなっていることを改めて実感させられました。今の私は不思議と力が入って高レベルの魔法を発動することができていますが、それがなければレイに力的に負けていたかもしれません。ただ、それは敵であった時の話であって今はチームです。これほど力強い仲間はいないでしょう。それに今の私は自然と体の奥底から力がみなぎってきます。レイに負ける気などさらさらありません。
「け、けっかグッハ!」
ユージンは怒り狂っていたためか冷静な反応を見せることができていませんでした。しかし、ギリギリのところで理性を取り戻し防御用の魔法結界を発動しようとしたみたいですがそれは無残にも間に合わずレイの暴風矢によって撃ち取られました。ユージンの肩を大きくかすった矢でしたがそれは激痛を生みました。たかが、肩をかすっただけとはいえこの魔法はかするだけでもものすごく体に傷をつける恐ろしい物なのでした。
ただ、傷をつけるといっても肩を中心に撃ち取ったため急所はしっかり外れており命には別条はありません。殺してしまったら私達はルール違反で失格になってしまうからです。そんなことにはなってはいけないのです。
私とレイはレンとユージンの2人を倒しました。後は、このチームのリーダーである人を見つけて勝てば魔球を手に入れて予選を突破する可能性が少し高くなります。しかし、忘れてはいけないことがあります。私達はアイリスを見つけなければいけないのです。もう1人の私達の仲間であるアイリス。一体どこにいるのでしょうか。
私はレイと話してとりあえずこの場からは離れることにしました。そして、アイリスを探すために魔の森の中を再び歩き出します。
「アイリス、どこにいるの?」
私はそう呟きました。
レイも私の呟きを聞いて同じようなことを考えていたのか頭をこくんと縦に振ります。
ただ、この場にはもう1人いや、もう2人、私達の様子を監視していた人がいたことには私達はまったく気が付いていませんでした。
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次回は7月の中旬までに更新する予定です。




