第1話プロローグ
この小説はRPGという私のもう一つと同じファンタジーです。しかし、同じテーマですがこちらの方が世界観としてはわかりやすいと思います。
「親父! 俺を置いてどこへ行くんだよ! 俺も一緒に連れてってくれよ! なぁ親父!」
俺は悪夢を見ていた。親父が俺の目の前からどこか遠く離れた場所に行ってしまうという夢だ。この悪夢は何度も見た。昨日も一昨日もそれより前も。そして多分明日もこれからも見るだろう。それぐらい俺には信じたくもない出来事なんだ。あの日起きたこの出来事は。
今から3年前。俺、ギン=ハバードは魔術師たちの集まる魔法国家『ユニバール魔法王国』で親父と2人で過ごしていた。親父は一級魔術師として優れた才能を持っていた。一級魔術師とは魔術師の中に存在する階級だ。五級魔術師から始まり最高ランクである一級魔術師までの5段階のランクが存在している。その最高ランクである一級魔術師の資格を持つ親父は国家のために日々魔法で人を助けたり、時には『モンスター』と呼ばれる巨大生物を倒したりしていた。
俺は親父ががんばっている姿を見るのが小さいころからずっと好きだった。ずっと憧れていた。いつまでも俺の中ではこの日常が続くと思っていた。
ある日親父は『ユニバール魔法王国』の首都であるカゲロウに出勤したまま帰ってこなかった。後で聞いた話であるが、親父はカゲロウには行っていないと政府の役人は言った。親父の行方不明は国中を騒がせた。ただでさえ一級魔術師はユニバールの魔術師人口300万人中13人しかいないからだ。五級魔術師人口が230万人という数であるのだから本当に限られた人しかなれない。13人の天才。通称神に選ばれし13人。この国ができたときに貢献した13人の英雄からこのランクは存在した。そうまで呼ばれていた存在の1人であった親父が行方不明になったのだ。モンスターにやられた。そんなわけない。ほかの魔術師にやられた。そんなわけない。じゃあ、どうして行方不明となった。否、行方をくらましたんだ。俺は知りたい。自らの手で親父の行方不明の真相を暴いて見せてやる。
俺は、あの日そう誓ったんだ。そして、その誓いを果たす日はそう遠くはないと俺は思っている。
2作目です。本当はファンタジー以外のものをやろうとしたのですができませんでした。………しょんぼり。
それはともかく、これからよろしくお願いします。