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第一話【2つを備えたお嬢様】

~兵庫県西宮市公立谷岡第一中学校~



県内で最も偏差値の高く、難解高校合格率80%を誇る進学中学校。



小学生の頃からお受験勉強を始めていなければ合格は難しいと言われている。



スポーツは有名ではなくどの部活も良くて2回戦突破という実力。

将来の就職のために創立したような学校だ。




しかし最近の不景気もあってこういった進学学校は人気である。



「運動よりも勉強」と言われ少しでもいい仕事に就いて欲しいという親の願いもあり

子供達もまた頭が良くなり周りから馬鹿にされたくないという思いもあって

勉・学という言葉は離れない物となっている。




授業の内容も当然難しい。



中学の授業内容が終われば予習として高校の勉強をする。

どの曜日もギッシリと授業科目が入っている。



中には諦めてしまい、途中で辞めてしまう子供だって出ている。

スパルタ教育とまではいかないがどの教師も半端な教えはしない。





そんな進学中学に通う少女がいた。



授業中、窓に向かって一人で呟いた。





「・・・退屈ですわね・・・・・」




彼女の名前は神竜寺(しんりゅうじ) 麗華(れいか) 東川中学3年生。


彼女は歴としたお嬢様だ。




父親は大企業の社長であり母親は世界的有名な作家。



兄と姉がおり、兄は東京都で最も知名度が高い城木大学3年生。

姉も同じく東京都城木大学でこちらは1年生。




家訓は「文武両道」中途半端な人間に育って欲しくないという昔からの言い伝え。

彼女の兄も姉も相当な努力家であり、2人も谷岡第一中学校卒業者。



ただし2人とは違って才能があった。

同じ勉強量・運動量でも吸収率が全く違った。


上がどれだけ努力しても妹を越すことは出来なかった。




父・母共に最も期待を込めているのが麗華だ。





成績優秀・スポーツ万能。

今この場で言うならばこの言葉は彼女に相応しい。



それを証拠に常に学年1位の立場でありテストも全て満点。



無所属だが練習試合・記録会になるといつも助っ人として呼ばれる。

そしていつも結果を残す頼れる秘密兵器だ。



陸上では中学100メートル走の記録更新者。

ハンドボール部ではエースでチームを優勝にまで導いた。

美術部ではコンクール優勝者。





彼女は2人の努力を超える努力家でもあった。


小学校3年生の頃から中学校の勉強をしていた。6年生には高校の勉強まで始めた。

現在中学3年生では既に難解大学の問題集まで解いている。



寝る間も惜しんで運動もした。

塾が終わり自宅に戻るとすぐさま外に出て体を鍛えた。




誰にも負けたくないという気持ちがあった。

やるならば誰よりも上に立ちたいという向上心があった。

努力する意味は何をやらしても一番という思い。





これは努力家であり才能を持つ神竜寺麗華のお話。



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