BL短歌
Xの「秋の夜長のBL歌会」という企画で読ませていただいた短歌たちです。
日替わりのひらがなお題で四日間、難しいお題もありましたがなんとも楽しい企画でした。
《へんしん》
「変身」
週末の夜にようやく上司からおとこに変わるあなたの身体
変わる身を怖いと泣いたひとを抱くそれでもやはり硬いカラダを
「返信」
役職を付けずに送るメッセージ返事を待つ僕は部下じゃない
「変心」
秋の空それほど変わりやすくないおとこごころを信じてみたい
《しゅうまつ》
「週末」
金曜の夜も土曜も日曜も月曜の朝まで僕のもの
だらしなくパジャマ姿でブランチを髭まで愛しい週末の君
「秋末」
あと少し薄い毛布で大丈夫ゴツいあなたがひっつく理由
寒いねと隣に座る美丈夫に二ヶ月前もそこにいたけど
秋茄子は嫁に食わせちゃだめだとか家に女は僕らと無縁
秋ももう終わりだねって梨を剥くきみと好物だけは終わるな
はじめてのこたつはでかい方がいいふたり並んで蜜柑とうたたね
「終末」
僕じゃない誰かといつか幸せにお前が告げたこの世の終わり
《じゅうさん》
「十三」
少しだけ欠けて浮かんだ十三夜まるくおさまることなき僕ら
欠け月を眺めて煽る月見酒綺麗ですねはなしで頼むよ
《ぶんか》
「文化」
定番の女装にうっかりときめいて文化祭なんてだいっきらい
「カルチャー」
メイド服まとった君に新しい扉ひらかれカルチャーショック




