パパの宝物
大切なあの子に逢いに行く
『パパ だいすき!』
小さな紙に書かれた可愛らしい文字を見て思わずニヤける。
それを大切に財布の中にしまい、今日は仕事を早く終わらせられたから会えるな、と思いまた口元が綻びそうになるのを咳払いで誤魔化す。
あの子の顔を見るだけで仕事の疲れが吹き飛ぶ。
天使のような笑顔、細くて可愛らしい手、大きな瞳。
この時間なら一緒にお風呂に入れそうだ、急ごう。
「ユカリちゃん、ただいま。」
「あ、パパお帰りなさーい!」
待ち合わせ場所に先にいたユカリちゃんは笑顔で手を振る。
「手紙嬉しくて何回も見ちゃったよ。」
俺の言葉にユカリちゃんは感激した様子だ。
「え〜嬉しい!また書くね!
あとさぁ、ホテル行く前に欲しいバッグがあるんだけど…。」
腕を絡ませて来たユカリちゃん。可愛い。
俺は前払いの5万円をユカリちゃんに渡した。
君の笑顔を守るために、“パパ”もお仕事頑張るよ。
〈終〉




