8 巣立ちの朝
夜が過ぎ日が昇り朝が来る、小鳥の囀りを聞きながらノルンは目を覚ます。まだぼんやりとした頭と自分に抱きついているモナの子供特有の高い体温を感じながら睡魔が襲って来るのをグッと堪えモナを起こす。
ノルン「朝になったよモナ起きないと。」
ノルンに揺さぶられモナは小さい手で目をこすり欠伸しながら起きる。
モナ「ふぁ〜〜、おはようお姉ちゃん」
モナが体を起こすがまだ眠気が抜けずふらふらと船をこぐ姿にノルンは微笑まみ櫛を取りモナの髪を整える。
ノルン「おはよう髪を整えたら顔を洗いに行こうか」
ノルンはモナの髪を整えた後自分の髪を整え外の井戸に行き顔を洗っていると村長も起きてきてたので挨拶をする。
ノルン「村長、おはようございます」
村長「ノルン君にモナおはよう」
村長は朝の挨拶をするとモナを見て名残惜しそうに見つめた。
モナ「おはようお爺ちゃん、?どうしたの?」
モナは村長がどうしてそんな顔をしているんだろうと不思議にしていたがノルンはモナが村の外に出るからには善は急げと村長が思い前からモナの旅支度をしていたのを思い出したが何か言うのは野暮だろうと二人を見守る。
村長「いや何モナが村の外に出ることを村の皆に言わないといけないのう。」
モナ「それだけじゃなくて急いで旅支度もしないと、旅用のポーチとかあったかな?」
ノルンが今日村を出るのでモナは旅の支度をしないと思っているが村人達が前々から準備をしていたこと等モナは知らない、その事を知っている村長は穏やかに微笑みながらモナを撫でる。
村長「その件はモナがいずれ村を出る時が来た時の為にもう用意は済ませてある。それにのうこの日の為にワシら全員でモナの為にプレゼントを用意してある。」
そうなのとモナが呟き複雑そうにしていたがそれでも皆が自分の為にしてくれた事にはにかんだ。
家に戻り朝食を済ませた後村長は家の倉庫に置いていた旅支度をモナに渡しモナは着替え終わるのをノルンは待っていた。
着替えが終わりモナが村の広場に向かう頃、村長は村人達を広場に集めモナが旅立つ事を説明し終わっていた。
村人A「モナが村をでるた〜寂しくなるな」
村人B「辛いことが有ったら何時でも帰ってくるんだぞ」
村人C「うぅぅ、モナちゃん無理はしちゃだめだからね」
村人D「村にいる時のようにホイホイ人に付いて行ったら危ないからな」
村人達は旅立つモナに心配したがいつまでも子供扱いしてはモナの為にならないと分かっているのでこの子の旅路に幸があるよう心の中で願った。そして村長が小さい箱を持ってきて中の物を取り出す。
モナ「お爺ちゃん、それって押し花の髪飾り?」
取り出したのは真っ白い押し花を髪に留めれるよう細工した物だった。
村長「あぁ、モナも年頃の娘になるのにお洒落の一つも出来なったじゃろう、じゃからワシ達からのプレゼントじゃ。」
村長はそう言うながらモナに髪飾りを渡す、受け取ったモナは困惑したが前髪の左側に髪飾りを止める。モナの肩まである髪の暗めの茶髪に対し白の髪飾りはよく映えていた。それを村人達は満足そうに眺めた。
モナ「皆ありがとう村の外いろんな事学びにいってきます。」
照れながらそういうモナに村人達は微笑み村長はノルンにいう。
村長「ノルン君モナの事よろしく頼みます。」
ノルン「ええ、責任を持って預かります。」
そして、ノルンとモナは村を出た。
村からでるのに時間がかかりました