66 モナのクッキング ドレッシング
アクラの町の宿屋の調理場を借りたモナはノルンが用意した何やら緑の粒のような物に水を浸けノルンに言われた通り一時間の内に二回程水を入れ替えていた。
ノルンは必要な調味料を買いに行くと言って首都に行きモナはノルンの帰りを待っていた。
モナ「明日勇者パーティの人達が言っていたベジリアでの依頼に行くのに何でお姉ちゃんドレッシングを作ろうなんて言ったのかな?」
明日に依頼に行くとゆうのに呑気にドレッシング作ってる場合じゃないんじゃないかなとノルンに言ったが当のノルンは剣の必要な手入れをするだけだからそんな手間は要らないと言っていた。
モナ「手入れだけじゃなくて怪我した時用に傷薬とかの用意もしたほうがいいと思うんだけどなぁ。」
そんな事を考えていると手さげのバックを持つノルンが帰ってきた。
ノルン「モナただいま。さぁ自家製ドレッシングを作ろうか。」
モナ「おかえりお姉ちゃん。ねぇやっぱり勇者の人達と依頼に行く前日なのに良いのかな?」
ノルン「いいのいいの。変にかたすじ張った所で自分の動きが鈍るだけだよ。それならいつものようにしてれば良いんだよ。」
そう言ってバックから買ってきた調味料達を調理場の机に並べていく。
ノルン「それに、モナにぜひ知ってほしい野菜の美味しさとそれを引き立てるのに必要な事だよ。」
モナ「そんなに美味しいの?じゃがいもと人参位なら村でも食べてたけど。」
ノルン「いいモナ。農業の町ベジリアはその名前の通り農業で出来る野菜を育て売る事で生計を立てているけどベジリアと他の町では野菜の味は違うんだよ。」
ノルンの言葉にモナは同じ野菜なら味は同じなのではと首を傾げる。
そのモナを見て微笑みながら調理器具と出来たドレッシングを入れる容器を用意していた。
ノルン「味が違う理由は野菜の鮮度が違うんだ。他の町に出荷する場合どうしても鮮度は落ちるけどベジリアで食べる採れたて新鮮な野菜はそれだけでご馳走なんだ。」
ノルンの説明を聞いてへぇぇ、と新鮮な野菜の味に興味が湧くモナ。
ノルン「作るドレッシングは二種類、定番のごまドレと奮発して実山椒味噌だよ。」
モナ「あれ、キュウリも買ってきたの?」
ノルン「作ったドレッシングの試食用に斜めに切ったキュウリは美味しいからね。」
そしてノルンとモナはドレッシングを作り始めた。
二人はまずごまを乾煎りしていきパチパチとごまが跳ねてきたら焦がさないようにヘラで香りが立つまで炒っていく。
香りが立ったらごまの粗熱を取り冷めた所ですり鉢に入れごまをすって行く。
ごまをするのは力がいるためノルンがすっていきモナに調味料を合わせるよう頼む。
量を多めに作ると言うのでモナはマヨネーズ大さじ三、酢を小さじ六、砂糖小さじ六、醤油を小さじ六を容器に入れ全体が馴染むまで混ぜていく。
モナ「お姉ちゃん全部混ぜたけど次はどうするの?」
ノルン「ごまから油分がでて粒が半分ほどになった所で混ぜるからちょっと待ってて。」
モナははぁいと返事をしゴリゴリとごまをすり終わるの待つ。
数分経ってごまから油分が出てきたのでノルンはモナに調味料を入れるよう言ってすり鉢の中で混ぜていき馴染んだ所でごまドレを容器に移す。
すり鉢を洗い水気を拭いて今度は片手の鍋を用意して調味料を入れていく。
入れる調味料は赤味噌三百㌘、卵黄九個、砂糖百二十㌘、清酒百八十CC、を入れ混ぜていく。
ノルン「モナボクが実山椒をすり鉢ですっていくからそれを弱火で温めていってね。強火だと卵黄が早く固まってボソボソになっちゃうから気をつけて。」
モナ「うん、解った。」
ノルンは実山椒をすり鉢で粒が残らないよう滑らかになるまですっていく。
調味料を弱火で温めているモナは段々ともったりとしていき鍋底を焦がさないよう気をつける。
ノルン「すり終わったしモナの方も大分良さそうだね。」
ノルンはすり終わったそれを入れながらスプーンで少しすくって味を確かめながら入れていく。
味が満足するものになったら実山椒味噌を容器に移していく。
ノルン「ごまドレと実山椒味噌の完成♪余った白身は焼いてこの味噌で食べようか。」
モナ「じゃぁ焼くのは私がしてもいいかな。」
ノルン「ふふっ、良いよ。焼いたら最後に水を入れて蒸し焼きにしてね。」
モナがはぁいと返事をしてそれを聞いたノルンはキュウリを斜め切りにして皿に乗せる。
モナの方も白身がじゅわぁぁと音を立てて焼き上がり皿にヘラで食べやすいように切り分けていく。
ノルン「それじゃぁ。出来上がったし食べようか」
モナ「うん、いただきます。」
モナはまずごまドレにキュウリを付けポリポリと咀嚼する。
モナ(ごまの風味が鼻に抜けてまろやかなのに酸味がある美味しいね。)
キュウリをポリポリとごまドレに付けてかじり他の野菜も付けて食べたいなと思う。
今度は実山椒味噌というものを付けて食べる。
モナ(うわっ辛いけどそれと同じ位香りが強い。何かピリリとしてるけどこの赤味噌だっけ?も香りが強いのに味がまとまってる。)
実山椒の辛さと香りに驚くがそれに負けない赤味噌の味と風味を味わう。
キュウリも良いが焼いた卵の白身も淡白だからこの実山椒味噌を美味しくいただける。
美味しそうに食べるモナを見てノルンは同じようにキュウリをかじりながら笑顔を浮かべる。
二人はキュウリと焼いた卵の白身を食べながら昼の時間が緩やかに進む。




