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可変の天使  作者: 影薄


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64 番外 薔薇と勇者

 ギルドからの複数の依頼を済ましその報告に首都のギルド本部に顔を出している勇者パーティの五人は幹部のゲンサムと会話をしていた。

ゲンサム「やっぱりSランクと同じ強さの勇者様だと討伐の依頼がさくさく進んでいいわね。」

大樹「へへっ、勇者といえば人助けだけど強くないと情けないからな!」

アンナ「あ、あのダイキさん流石に幹部の方にタメ口は駄目ですよ。」

ゲンサム「あら、私は気にしてないわよ。若い子なんてこの位元気で良いんじゃない?」

アリシア「いえダイキにも立場があります。必要な時だけでは無くとも敬語で話すことに慣れておかねば何時相手に失礼だと思われるかわかりません。なのでダイキは敬語に慣れて下さい。」

大樹「えぇ敬語とかあんまり話さないから分からないんだよなぁ。」

ヒスト「ならダイキはモナちゃんに敬語の話し方習ったほうが良いんとちゃう。」

ドンド「そりゃぁ良いな。ついでにお辞儀の仕方も習ったらどうだ?」

エルーシャ「いっそ魔獣の図鑑の勉強も見てもらったら良いだろう。バッファローの時に図鑑の内容を暗記していると言っていたし。」

大樹「いや流石に恥ずかしいわ!アンナ頼む俺に教えてくれ。」

アンナ「あっ、はいそんな難しく考えなくても出来ますよ。」

アリシア「まったくアンナはダイキに甘いんですから。」

 そのアリシアの言葉に大樹以外の四人がダイキに一番甘いお前が言うなと内心でツッコミを入れる。

 そんな様子を眺めていたゲンサムは会話の途中でモナの名前が出たことに興味を持つ。

ゲンサム「あぁそういえばノルンの依頼に同行したんだったわね。でも貴方達がモナちゃんにも興味を持ったのは意外ね。」

大樹「そうかじゃなくてそうですか。」

ゲンサム「無理に敬語で話そうとしなくていいわよ。ノルンに興味を持つのは分かるけど貴方達にとってはモナちゃんはただの子供でしょう?」

アリシア「そのただの子供が魔獣の図鑑を暗記しています。戦力にはならずともその知識が役立つ時はあります。」

ゲンサム「というかモナちゃん魔獣の図鑑暗記しているって本当なの?もしそうなら普通にギルドの職員として欲しいんだけど。」

アンナ「えっとダイキさんにバッファローの説明をしましたので恐らくは本当だと思います。」

ゲンサム「あの子最近出来たお気に入りの子何だけどモナちゃんからは何かこう精神的に距離があるのよねぇもっと仲良くしたいんだけど。」

 はぁと溜め息をつくゲンサムを見て大樹は距離合ったかなと疑問に思い大樹以外はそういえばずっと真顔だったなと思い出す。

 しかしノルンに対しては笑顔で話しておりやはり信頼している相手なのだと分かる。

 コンコンと部屋のドアをノックしてギルドの職員が入ってきてゲンサムに話しかける。

職員「失礼します。ゲンサム様すみませんが少し受付の対応をお願いします。」

ゲンサム「受付?何かトラブルでも合ったの?」

職員「いえローズガーデンの方達が言い合っておりまして。」

ゲンサム「ローズガーデンが他と言い合っているのね。分かったわすぐ行くわ。」

職員「あのそうじゃないんですよ。イチカさんが依頼を受けると言って他のメンバーがもう少し休んだほうが良いと言い合ってまして。」

ゲンサム「えっ、どういうことなの?」

 ノルンに張り合いながら依頼を受けていたローズガーデンが依頼を受けるのは分かるがイチカ以外が反対しているという事はイチカに休んで欲しいのだろう。

 そういえばとゲンサムはモナに対し暴言を言ってからのここ数日ローズガーデンが依頼を受けていなかった事を思い出す。

 何時もの強気な態度とは違う何処か様子のおかしかったイチカを気にはなっていたが業務に戻り忘れていた。

ゲンサム「ちょっと受付の方に行ってくるわ。ごめんなさいね少し時間を取らせて。」

大樹「なぁそのローズガーデンって転生者か転移者の集まりなら俺も少し話がしたいんだけど」

アリシア「そういえばダイキは転生者や転移者とはまだ面識が無かったですね。ゲンサムさん私達もご一緒してもよろしいでしょうか?」

ゲンサム「私は全然構わないわよ。」

 そう言ってゲンサムと勇者パーティは受付の方に移動する。



イチカ「だ〜か〜ら、私は別に大丈夫って言ってるじゃないの!討伐の依頼を景気良く済ますわよ!」

コハル「いやでもイチカちゃん今日の昼間まで部屋に引きこもってたんだからもうちょっと休んどこう。ねっその方が良いって。」

イチカ「それを外で言うんじゃ無いわよ!」

ユイ「もうホントに暗い顔してたんだからさ、無理しなくて良いって。」

イチカ「無理何かしてないわよ。依頼を受けるなんて何時もの事じゃない。」

ミサキ「その何時も通りじゃ無かったどこぞのリーダーを心配しているだけ何だけどね。」

イチカ「なら何時も通りに戻ったと分かる為に討伐に行きましょう!」

アユミ「えぇぇ?私には空元気にしか見えないけどさぁ。イチカあの子がやっぱり気になってない?」

イチカ「あの子は関係無いでしょうが!」

 受付の前で依頼を受けようとして他のメンバーに止められているイチカを見て何時も通りのイチカだとゲンサムは思ったが話の内容を聞くとどうやらイチカは引きこもっていたらしい。

 確かに引きこもっていたイチカが討伐の依頼を受けようとすれば他のメンバー達からは心配されるだろう。

 しかし何故イチカは引きこもっていたのだろうか?そもそもイチカがモナに対して暴言を言った日からギルドに来ていない為その日に何か合ったのだろうか?

 分からないがゲンサムは取り敢えず仲裁に入り話を聞く事にした。

ゲンサム「はいはい他の冒険者達の迷惑になるから場所を変えましょうか」

イチカ「あぁごめんなさい。もうただ依頼を受けようとしてるだけなのに。」

 ゲンサムに言われぶーたれるイチカと取り敢えずは依頼を受けないと分かってホッとしている四人はゲンサムについて行き受付の奥の部屋に入りゲンサムが話を聞く。

ゲンサム「それで何で貴女達が言い合っていたのよ?」

イチカ「私が依頼を受けようとするとまだ休んだほうが良いなんて言うんですよ。見た通りどうも無いのに。」

ミサキ「どうも無い人は数日引きこもったりしないでしょう。モナって子の事は私達が聞いておくからアンタは討伐に行こうとしないの。」

 なんでよっとイチカが叫びモナの名前が出た事にゲンサムは驚く。

 ゲンサムの後ろでモナの名前が出たので思わず大樹は声をかける。

大樹「なぁアンタモナの知り合いか?」

イチカ「いや、というかアンタ誰よ?」

 いきなり話しかけられ面識の無い大樹に顔をしかめるイチカとそういえばと初対面だったと頭をかく大樹。

大樹「あぁ俺は天海大樹この国で召喚された勇者だ!」

イチカ「勇者?確か一年前に召喚したって聞いたけどそうアンタが。私はイチカローズガーデンのリーダーよ。」

 取り敢えず軽く自己紹介をして大樹は構わずイチカに尋ねる。

大樹「それでイチカはモナの知り合いなのか?」

 大樹の質問にイチカはうぐっと言葉を詰まらせ顔を背けるがそれでも質問に答える

イチカ「一応知り合いにはなるわね。」

 その言葉にゲンサムはならどうして数日前にモナに暴言を言ったのか気にはなったがそれだと話が進まないので後で個人的に聞こうと決めた。

大樹「そっかそれならノルン...さんのモナの特訓がどういうものか知ってるんだな。」

イチカ「あの子の特訓?いや私は知らないけど。」

大樹「そうなのか?モナ一人でバッファローを一頭討伐させたのも他に大丈夫と言った人がいたんだろうなって思ってたんだけど。」

 はっ?、と思わずイチカの口から零れ他の四人とゲンサムまで表情を強張らせる。

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