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可変の天使  作者: 影薄


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60 次の目標

 ノルンとモナと勇者パーティはスタークの町に戻り依頼達成の報告をした後ギルド支店の転移の部屋に居た。

大樹「なぁ二人は首都じゃなくてアクラの町を拠点にしてるの何でだ?」

 このまま勇者パーティと共に首都を拠点にすればいいのに二人はアクラの町に戻ると言うので大樹は困惑していた。

ノルン「モナが首都に余り行きたがらないので一ヶ月位しか居ませんがまだアクラの町に居ようかと思ってます。」

アンナ「そうなんですか?村や町と違って首都は色んな物があるよモナちゃん。ホントに服のお店や料理屋とか全然違うから。」

 首都で生活をして元の村では流石に暮らせない程に生活の水準が違う事を身を持って知っているアンナは首都に行きたがらないモナを不思議に思って首都に来ないか促す。

 その言葉に少し考えるが首をフルフルと振りやんわりと断る。

モナ「大丈夫です。私はアクラの町の生活で満足していますから。」

 モナに断られてしょんぼりとするアンナを大樹が元気づけて居るのを横目にアリシアが二人に次の依頼について説明する。

アリシア「では二人と合同で依頼を受けた時は首都かアクラの町で合流することにしましょう。そして次に受ける依頼ですが此方で複数受けている依頼の一つである農業の町ベジリアでの依頼をお願いします。」

ノルン「ベジリアですか。彼処は旬の野菜が美味しいですから。」

アリシア「えぇそうですね。内容は町の近くにいるドライアドの討伐です。私達はこれから他に受けている依頼主の所に行きますのでベジリアの依頼は三日後ほどにお願いします。」

ノルン「了解しました。では三日後によろしくお願いします。」

ドンド「いやぁ、依頼に同行するように決まったのなら今俺達が受けている依頼も同行せんか?」

 このまま二人はアクラの町に戻るが依頼に同行するようになったのなら他の依頼も手伝ってくれないかと茶化すように言外で伝えるがそれを大樹が首を振る。

大樹「いや今日決まった事だしそれに対していきなり手伝ってくれなんて言えないな。俺だったらそんな奴とは距離を置くし。」

 大樹の言葉にそうだよなと笑い飛ばす。

 エルーシャはノルンだけではなくモナの方も興味深く見ていた。

エルーシャ「私はノルンと手合わせ願いたいがモナも興味があるな。バッファローに対しあの立ち回りをするような子が大人に対してどのように動くか気になるな。」

ヒスト「やめーや、模擬戦でもあんさんなら傷つけるやろ。そんな物騒な事せんでいいわ。」

 模擬戦で相手に傷を負いかねないと聞きモナを自分の方にさりげなく近づけるノルンだが当のモナはノルンの手を握り大丈夫だと視線で伝える。

ヒスト「今日は二人とはさよならやな。三日後によろしゅうな。」

大樹「おぉそうだなじゃぁ二人ともまた三日後に会おうな!」

ノルン「えぇ了解しました。では私達はこれで失礼します。」

モナ「皆さん失礼しました。」

 ノルンの言葉の後にモナがペコリとお辞儀をして転移の部屋の装置を起動して二人はアクラの町のギルド支店へ転移する。



 アクラの町のギルド支店に戻り転移の部屋からでてノルンは溜め息をつく。

ノルン「はぁぁ、勇者パーティと依頼の同行するのはいいけど何か疲れた。」

モナ「まぁ初対面の相手だったけど皆さんいい人達だと思うよ。」

ノルン「それは分かってるよ。だけど善意があるからといって相手に押し付けて良いわけじゃないからね。」

 ノルンの言葉にそうだねと反しながら勇者パーティの人達を思い出しモナはある事が疑問に思っていたがノルンに話さないでいた。

モナ(アリシア様のダイキさんに向ける視線に罪悪感が混じっていたけどどういう事なのかな?)

 気にはなるが知った所でどうにも出来ないから今は頭の片隅に追いやるが三日後にまた会うのだからその時にでも観察しとこうかなとモナは思っていた。

 ノルンも勇者パーティは大体が善人なのだろうと思うが王族のアリシアは勇者を利用する為に召喚したのだろうから気を付けなければと考え他のパーティメンバーについて思考していた。

ノルン(ヒストさんはモナの事で盗人に成らなくもて行きていけるだろと言っていた。それはつまりヒストさんは盗人に成らないと生きていけなかった言う事モナと同じ捨て子かな?)

 アンナさんは普通の村娘でエルーシャさんとドンドさんも普通のエルフとドワーフだと考えるとアリシアさんとヒストさんは警戒していたほうが良いだろう。

 勇者であるダイキさんはただのお人好しだろうから人間の醜い所を知っているだろうその二人には自分ではなくモナと接してもらおう。

 何も無いヤトの村で心優しく育った子なら利用しようと思え無いだろうしヒストさんに至ってはモナを心配しているようだからその方が良いだろうと結論を出す。

 考えながら歩いていた為ギルドの職員達とシアンがモナにお菓子を渡しているのを見逃していた。

シアン「モナちゃん今日の依頼はどうだった?怪我とかしてない?」

モナ「はい大丈夫でした。」

シアン「そう?クッキーとかマフィンとかあるから食べて食べて。」

 シアンの言葉に苦笑しながらマフィンをちびちびと齧って咀嚼する。

 それをみたノルンが何か言いかけたが今日は良いかと言葉を飲み込む。

シアン「おや?何時もならお菓子ばかりは太るから辞めて欲しいと言いますが今日はどうしましたノルンさん?」

ノルン「いえちょっと今日はモナにある事をして貰いましたから今日は良いかと思いまして。」

シアン「モナちゃんが何かしたんですか?個人的に気になりますね。」

 ノルンの言うモナがした事に興味を見せるシアンとギルドの職員達。

ノルン「モナが疲れたでしょうから今日は宿屋に戻り休もうかと思っていますのでその話は後日に話します」

 それもそうですねとシアンとギルドの職員達はモナを一通り撫でた後業務に戻る。

 モナとノルンは微笑んで手を繋ぎ宿屋に向かい部屋に入った後ノルンによって特訓の成果を褒めちぎられ身体を縮こまらせているモナが居た。

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