57 勇者と同行の依頼7
バッファローを見つめながらブラッドボアの短剣を両手で握りしめどうするか考える。
体型が小柄な自分では致命傷を与えられない。
ブラッドボアの短剣で傷を付けられるだろうが切り傷程度だろう。
そもそも非力な自分が討伐出来るのだろうか?
ならどうするか?考える中で恐らく討伐出来るだろう一つのやり方に考えを巡らせる。
そうこうしているとバッファローがモナに向けて突進をしてきた。
その様子を勇者パーティは顔を青くして駆け寄るが間に合わない。
バッファローがモナに迫る様子を見てモナが凄惨な死体となって死ぬ様子が幻視する。
そしてモナを真剣な顔で見つめるノルン。
バッファローの突進がモナに当たる直前モナは思い切り後ろに飛ぶ。
ブラッドボアの短剣で突進を防ぐがその衝撃はモナの身体を軋ませる。
あぁ、痛いなぁ骨が軋んでるなぁとモナは何処か他人事のようにその痛みを感じながら後ろに飛んだ事によりバッファローは頭を振り上げモナを突き飛ばそうとする。
しかしモナは宙に浮いた瞬間バッファローの左側の角を片手で掴み突き飛ばせれないように背中に乗る。
背中に乗られたバッファローはモナを振り落とそうと動き回るがモナは角に足で宙ぶらりんになりブラッドボアの短剣で左側の前足を斬りつける。
モナを振り落とそうと動き回っていたバッファローは体制を崩し左側に倒れ込む。
モナの力では致命傷を与えられないならばバッファロー自身の体重の重さで貫けば良い。
バッファローの首に狙いを定めブラッドボアの短剣を突き刺す。
首を振り抵抗するが時既に遅く短剣が首を貫きモナは後ろに身体を引きバッファロー自身の重さで首を斬り中心を通り過ぎる時ゴギッと嫌な音がして悲鳴が上がる。
そしてモナは後ろに飛びゴロゴロと地面を転がるがその視線はバッファローを見続けている。
ムクリとモナは立ち上がりバッファローが絶命している事を確認してノルンに顔を向ける。
その様子を勇者パーティは唖然として見ておりノルンとモナの会話を待つ。
モナ「ねぇお姉ちゃんどうだった?」
モナに近づきノルンはフルフルと震えたと思ったら満面の笑顔でモナを抱き上げくるくると回る。
ノルン「満点も満点だよ!花丸上げちゃう!」
モナ「ちょっ、お姉ちゃん目が回るって!」
モナの抗議を聞き回るのを辞めたがそれでも上機嫌にモナの行動に解説する。
ノルン「まず後ろに飛んで衝撃を流すその度胸、そして角を掴み突き上げられないようにしたその根性、暴れる足を斬り裂くその正確さ、バッファロー自身の重さで首を貫くその知恵、そして何よりその考えを実行に移したその胆力。もう花丸満点だよモナ!」
ノルンの掛け値無しの称賛を聞きながらそれでもモナは納得のいかない顔をする。
モナが何を納得していないか察しが付いているがモナが言うのを待ちながら頭を撫でる。
モナ「でも一頭だったから出来たものだよ。武器だってこの短剣じゃなかったら壊れていただろうし。」
モナの言葉にやっぱりと思いながらその言葉を訂正する。
ノルン「それは違うんだよ。一頭だったから、武器が良かったからじゃないんだ。出来ると考えそれを実行に移しただからこそモナは凄いんだよ。だって出来るといっても怖気付いたら意味がない、痛みを怖がっていたら何も出来ない。」
モナはその言葉を聞き納得はしていないがそれでもを言う。
モナ「それでも何時までもお姉ちゃんが側にいてくれる訳じゃない。私一人でも生きれるように成らないと。」
ノルン「だからといって生き急がなくても良いんだよ、ゆっくりでも良いんだ。だって一ヶ月と二週間前はまともに剣を握ってなかったじゃないか。ただ漠然とせず目的を持って考えながら剣を振ったならそれで良いんだよ。」
その二人の会話に勇者パーティは唖然とするばかりで会話に入れないでいた。




