52 畜産の町スターク
次の日の朝ノルンとモナはアクラのギルド支店の転移の部屋からスタークのギルド支店へ転移してギルドから出てきた。
畜産で生計を立てているスタークの町は幾つもの牧場とまるで西部劇のような木造の家が立ち並んでいた。
牧場には放し飼いされている牛や豚がのんびりと過ごしており牧場の近くにある小屋の中に何匹も入っている鶏のコケコッコーという鳴き声が町で響いていた。
また別の牧場では羊が芝生に顔を近づけ食べており中には敷地の柵の中で昼寝をしている羊も何匹かいる。
ノルン「モナ、牧場の近くはちょっと臭いがするけど大丈夫?」
モナ「獣臭いのは村でおじさん達が獣を狩ってたから平気だよ。」
ノルン「なら良かった。この町の町長の屋敷は確か役所としても兼任しているから町の中央にあるんだ。」
モナ「なら牧場から離れた家が立ち並んでいるあの辺り?」
ノルン「もうちょっと奥に歩けば屋敷が見えて来るよ。」
牧場から離れた家が立ち並ぶ所を指差して聞くがどうやら目的の屋敷はまだ見えて無いらしく二人は進む。
進むにつれ屋台や売店の掛け声が聞こえ賑わっている。
畜産で生計を立てている為だろうか所々に肉屋がありその肉を見ると牛だけの専門店だったり赤身が多めの所や肉のサシがきめ細かく入っている肉だけだったりとそれぞれ特徴がある。
屋台も何やら肉を重ねて回しながら焼き焼けた面を切り落としたモノや串に刺した肉を網の上で焼いていたり油が入った鍋に肉を入れジュワジュワと揚げていたりと色々ある。
モナが屋台の料理を興味深く見ているので屋敷に着く前に軽く食べても大丈夫かなと思いモナに問いかける。
ノルン「屋台が気になる?モナが気になる料理頼もうか?」
モナ「えっ、でもこれからお姉ちゃんの依頼があるよ?」
自分の興味より依頼を優先しているモナに優しい笑顔を浮かべる。
ノルン「屋台の料理だからサッと食べれるから大丈夫だよ。ほら気になるのを一緒に食べよう。」
モナは遠慮がちにじゃぁと気になっている屋台を指差した。
ノルン「ケバブが気になってたんだ。ちょっと買ってくるね。」
そう言ってノルンは屋台から二つ買ってきて一つモナに渡す。
モナは渡されたそれをまじまじと観察する。
モナ「中が空洞になってるパンの中に肉と千切りキャベツとソースにこの緑の物はなんだろう?」
ノルン「それはピクルスだねキュウリを酢と香辛料で漬けた物。パンはピタパンって言うんだ。」
ノルンの説明を聞いてへぇと言いながら一口頬張る。
口に広がるのはまずは肉のジューシーな旨味、シャキシャキとした千切りキャベツが良い食感がありかけられたソースがマイルドながら恐らく香辛料のスパイシーな香りが広がる。
肉の旨味とソースの味でくどいかというとそうではなく、パリポリとした食感のピクルスの酸味が良い塩梅に脂っこさを和らげている。
モナが味わいながらその味を考えているのを眺めながらケバブを食べるノルンはもしかしたらと思う。
ノルン(ふふっ、もしかしたらモナは料理人の素質でもあるのかな?)
ただただモナに美味しい物を食べてそれを眺めていたいだけだったがまるで味の分析をしているように食べるモナを見て料理人の可能性があるんじゃないかと思考する。
ノルン(モナも知らないモナの可能性。君はどのように成長するんだろうね?)
二人でケバブを食べながら町長の屋敷へ行く。




