50 勇者と同行の依頼
ギルド支店でシアン含め職員達がモナを撫で回すのはシエラが来るまで続いていた。
ノルンのストップが掛かるが上げたお菓子を食べて笑顔になる癒しのモナが何時ものお返しとサンドイッチを作って持ってきたのだから余りに可愛いのでついつい撫でていた。
まぁそれもギルドの幹部であるシエラが来たので雲の上の人が居たら肩身が狭いのでいそいそとサンドイッチ片手に業務に戻っていった。
シエラ「なるほど、モナの手作りのサンドイッチですか。撫で回していたのでどうしたのかと思いましたがそういう事ですか。」
モグモグとサンドイッチを頬張りノルンから事情を聞いてギルド支店の酒場の椅子にちょこんと座り待っているモナを見て僅かに口角が上がる。
モナからサンドイッチを手渡され何時ものお菓子のお礼ですと言われたので思わずモナの両頬を捏ねくり回ししかもモナがノルンと一緒ではあるが作ったと聞いてシエラは嬉しく思う。
ノルン「ですけどお菓子ばかりじゃ太るからこう軽く食べられるような果物とか軽食とかにしてほしいんですけど。」
シエラ「ノルンさんの言いたい事は分かりますが安定して美味しいのはやはりお菓子ですから。それに村では食べた事が無いでしょう。あの村は何も無いですから。いえ、本当ならヤトの村など無いのですけど。」
ノルン「それモナの前で言わないで下さいね。あの村の人達があそこにいる理由は余りモナに知ってほしく無いですから。」
シエラ「解っています。子供に聞いてほしくない話ですからモナに話すつもりはありません。それにお返しと言ってサンドイッチを作って持ってくるような優しい子は笑顔が一番です。」
真顔で淡々と返すシエラにはぁと溜め息をこぼすが依頼の内容を聞かないといけないので依頼に付いて話を振る。
ノルン「持ってきた依頼の内容の確認をしたいのですが。サンドイッチ食べるのまだ掛かりますか?」
シエラ「えぇもう少し掛かります。」
そう言ってモグモグと咀嚼しているのを見て苦笑いするがモナが作ったものを粗末に扱われるよりは良いかと考え直す。
そうして食べ終え手を拭いた後依頼の種類を取り出し付け加える事があるとノルンに伝える。
シエラ「ノルンさん、依頼の事で付け加える事がありまして。どうやら依頼に勇者パーティが同行する事になりました。」
ノルン「えっ、なんで勇者パーティが同行するんです?」
いきなり顔も知らない勇者パーティと同行すると聞かされ怪訝な顔をして続きを促す。
シエラ「まず先に配下の魔獣を取り逃がした件で対処したノルンさんとローズガーデンの成果を報告し勇者のパーティがその御礼としてしばらくはギルドの手伝いをしていただく事になりました。」
ノルン「勇者パーティがギルドの手伝いをしているのは小耳に挟んでいましたがそれがどうしてボクと同行することに?」
シエラ「ローズガーデンより成果を上げていたノルンさんにどうやら興味を持っているみたいで、それならばとギルド長が依頼に同行してはどうかと話が付きました。」
ノルン「あの、先にボクに確認してからにしてくれません?」
まさか此方に確認せずに一方的に決まったことに頭を抱えるがシエラは特に問題は無いと考えていた。
シエラ「問題無いのでは?貴女は何時も通りに依頼をこなせばいいだけでしょう。」
ノルン「あのですね、今はモナの保護者代わりなんですよ。モナの特訓だってしているのに事情を知らない赤の他人が同行することが面倒なんです。」
シエラ「ふむ、確かにそうですね。ですが私が見た限りでは勇者は人が良い感じでしたので事情を話せば解ってくれるでしょう。」
勇者は確かにそうだろうだが同行するのは勇者パーティだ、人数とどういう人がいるか分からないのでノルンは難しい顔をする。
そんなノルンを見てそういう反応だろうと予測していたシエラは勇者パーティ達の説明をする。
天海大樹 召喚された勇者でありかなりのお人好しだそうで王族の頼みを聞き活動をしている。
アンナ ただの村娘だったが教会からお告げがあり癒しの魔力を持っている事が判明して聖女と祭り上げられている少女
エルーシャ・トラント プライドの高いエルフだが高い魔力と長い間研鑽した剣術を持ち魔術と剣技を駆使する女剣士
ドンド・ゴルード 小柄ながら筋骨隆々としたドワーフでありパーティ内で皆を守るタンク役として大盾で攻撃を防ぎ斧で仕留める戦士
ヒスト かつて盗賊をしていたが勇者ダイキとの戦闘に負け牢屋に入れられる直前に勇者に償いとして一緒に戦おうと手を差し出された盗人。
アリシア・グレイス・エルゲニア このエルゲニア王国の第一王女であり召喚した勇者ダイキの金銭の管理と後ろ盾として勇者の活動の手伝いをしている。
ある程度は聞いても難しい顔をして気にするべきはモナに付いてだろうと思う。
勇者が興味を持ったのは自分だと言うがその報告にモナの事も書いてある筈だからその事に触れてないのはただの見落としかまたはモナがしたことが傍から見れば地味だからか。
それに性格に難が有りそうなのと元は悪人までいるならモナに悪影響が無いだろうか。
ノルン「確認なんですが、勇者はモナに付いては何か言っていましたか?」
シエラ「いいえ、モナに付いては勇者からは何も無いです。」
ノルン「つまり、勇者は戦闘面で興味を持っていると言う事ですか。」
面倒ではあるが断る事が出来ないらしく溜め息をついて項垂れる。
シエラ「そうでしょうね。モナのした魔道具で生息している動物や魔獣の写真を隠れて撮る事は傍から見れば地味ですから。」
シエラの言葉にだろうなと思いながら仕方が無いと思考を切り替える。
ノルン「納得はしてませんが同行するのは分かりました。では依頼の方の確認をしましょうか。」
勇者パーティが同行する事を受け入れ依頼の確認に移りその内容を聞く。




