41 ギルドでの一悶着2
笑顔で怒気を放つノルンに流石に言い過ぎたとイチカは苦い顔をする。
他四名もバツが悪そうにしているが、モナはそんな五人に対して気に止めておらず、ノルンに話しかける。
モナ「お姉ちゃん用事は終わったの?ならルルリラに行こうよ。」
ゲンサム「うん、モナちゃんさっきの暴言に付いて話しあった方が良いと私は思うのよ。だからちょっと待ってね。」
ノルン「ゲンサムさんの言う通りボクもちょっと話があるんだモナいい子だから待ってて。」
解ったと頷くモナを撫でながら厳しい目線を五人に向ける。
ゲンサムも先程の言葉はライン超えな為難しい顔をして向き直る。
ゲンサム「さて、先程の発言はSランクでも流石に厳重注意が必要ね。モナちゃんがびっくりする位気にしていないからこの場は収まるけど、殴り合いになるぐらいには行き過ぎた発言よ。」
ノルン「会う度に絡んで来るのは気にしていませんが、モナに付いての発言は謝って貰いましょうか。」
二人の言葉にグッと詰まるイチカは自分の発言はそれぐらい行き過ぎていたと理解している。
だけど、イチカ自身のプライドとモナが本当に気にしていない事に対し口を噤みモナを見ていたが目を見開いた後モナを凝視する。
ミサキ「リーダーの言葉を止めれず申し訳ありませんでした。私達は少し聞きたい事が有って聞いたのですが、その何時もの癇癪を起こしまして。」
イチカが口を噤むので変わりにミサキが謝罪する。
ゲンサム「その癇癪は直した方がいいわよ。トラブルになってからじゃ遅いのよ?」
アユミ「うぅ、すみません。それでも私達にとってはリーダーですから。」
そのアユミの言葉にゲンサムは溜め息を吐くがノルンは納得出来ずに難しい顔をする。
ノルン「貴方達にとってリーダーだとしてもその癇癪が人を傷つけると解っててほしいですね。」
モナ「お姉ちゃん、私は別に傷ついていないよ。そんな気にすることでも無いし。」
ノルン「モナ、ごめんねちょっと黙っててくれないかな?」
ノルンの言葉にはぁーいと言って黙るモナとそんなモナをイチカはじっと見つめている。
ノルン「先程の事がまたあるようなら此方としても相応の対応をすると伝えておきますので。」
コハル「えぇすみませんでした。その子を傷つけるつもりは無かったんです。」
ゲンサム「ほんとに気をつけてね、何気ない言葉でも相手は悪く受け取ることなんてザラにあるんだから。」
ゲンサムの言葉に申し訳ない顔をする四人だが当のイチカはモナを難しい顔で見つめている。
ノルンはそんなイチカの視線から守るようにモナを自分の背後に引き寄せる。
四人はハラハラとイチカを見るが難しい顔を変えないままなのでノルンと睨み合っているようになっており先程から黙っているイチカにゲンサムも顔を顰める。
ゲンサム「もぉさっきから黙ってどうしたのよ?何時もの貴女らしくもない。」
イチカ「なんでもないわよ。そのモナって言ったかしら悪かったわよ。」
何処かバツが悪そうにしながらモナから目を離さないイチカを不審に思ったノルンがさっさとこの場から離れる。
ノルン「ではボクとモナは依頼があるので失礼します。」
モナ「えっと、失礼しました。」
ゲンサム「ノルンとモナちゃん、バイバイ。」
二人に手を振るゲンサムだが二人が見えなくなって唐突にイチカがゲンサムに質問する。
イチカ「あのモナって子は何処の村の子何ですか?」
そう聞かれゲンサムはあらっと、思い他の四人を見るが驚いているようでどうやらイチカが聞くとはゲンサムと同じように思っていなかったようだ。
ゲンサム「隠すような事じゃ無いし、知らないとは思うけどヤトの村よ。」
ありがとうございますと言うイチカにゲンサムは不思議そうにするが別に深く聞くような事でもないので業務に戻る。
ゲンサム「まっ、さっきみたいな暴言は気をつけなさいよ。」
そう言ってゲンサムは離れるがイチカは立ち尽くしていた。
ミサキ「ちょっとどうしたのよ?」
流石に不安になってミサキがイチカの肩を揺するがイチカは反応しないどころか顔が青くなっていた。
イチカ「私あの子を知っていた筈なのに。」
イチカの言葉にどういう事かと他のメンバーから問い詰められているがイチカに答える余裕は無く、イチカの脳裏に過ぎるのは五年前この世界に転移したばかりの頃の姿である野暮ったい瞼にそばかすとたるんだ頬にたらこ唇の自分を大丈夫と心配そうに覗き込む幼くみすぼらしいだけど心優しい少女であった。




