4 村長の説得
村長とモナが溜め息を吐いた後会話を聞いていた村人達が話し始めた
村人A「討伐したなら死体の回収に行かないと」
村人B「あぁ、どいつも素材として高級品ばかりだからな」
村人C「でも、森に魔獣が出たなんて私達のモナちゃんと遭遇したらと思うとゾッとするわ」
村人Dか「こんな何もない村の近くの森なんか根城にしたって食うものも無いのにな」
村人達がワイワイと賑やかに話すがモナだけが声を荒げ村人達に向かって叫ぶ
モナ「皆何でそんな能天気なの!お姉ちゃんが居なかったら死んでたかもしれないのに!」
叫ぶモナに対し村長がなだめる
村長「モナ、儂らにとって死は身近なものなのじゃ、理不尽はいつも急に起こるんじゃよ」
それでもモナは納得しておらず顔を俯くそれを見た村長は目線をノルンに向けノルンは村長の言いたいを察し静かに頷く。
村長「モナ夜になったら話しがあるから村の手伝いが終わったらノルン君と一緒に来なさい。」
それを聞いた村人達は村長話しの内容を察しモナは素直に頷いた
モナ「?うん、わかったお爺ちゃん。」
モナが村人達の手伝いに行った後村長はノルンに向き直り真っ直ぐ見つめ頭を下げた。
村長「ノルン君駆け出しの森に魔獣が出たのならこの先モナが何時命を落とすかわからない、じゃからあの子を君が一人でも生きていけるように鍛えてはくれないだろうか。」
ノルンはその頼みに困った顔をした。
ノルン「村長、あの子はこの村を愛しています。確かにボクを慕ってくれてますが納得していないまま無理強いする事はしないほうがあの子の為ではないでしょうか?」
村長はその問い対し頷きながら続ける
村長「それはわかっている。その為にあの子を説得する理由を村人全員で考えていた。本当はあの子を人の悪意に満ちたような村の外には出したくない。じゃが、それではあの子の為にならない。こんな村を愛してくれてるあの子には幸せになってほしいと思うのは親心じゃろう?」
村長は優しい顔をしてノルンに話す
村長「声を荒げていてもそれは何時も儂らの事を心配しているからじゃ、本当に心優しい子なんじゃよ。」
ノルンはそれならばと言おうとして村長の嬉しいような悲しいような顔を見て口を噤む。
村長「ノルン君あの子に一人で生きれるようにあの子が魔獣を倒せるように鍛えてはくれないだろうか」
深々と頭を下げる村長に対しノルンはモナを村の外に連れて行く決心をする。
ノルン「わかりました、あの子をボクが守り鍛えます。」
その言葉聞いた村長は涙ぐみ遠巻きに見守っていた村人達はモナとの別れを察し涙を流した。
村長「ありがとう、あの子をよろしくお願いします。」
涙ぐみながら言う村長に対しノルンはモナの説得に骨が折れそうだと苦笑する。