39 町での特訓
太陽が真上で照らす昼下がりアクラの町の寂れた公園でカンカンと木剣を打ち合う軽い音が響いていた。ノルンとモナが公園で模擬戦をしておりモナがノルンに切り込みながら軽く受け流す動きを観察し取り入れられないか考えているとノルンの木剣がモナの頭をコンっと叩き一本取られた事で軽く息を吐く。
モナ「はぁー、お姉ちゃんに一回でも打ち込めないや。」
ノルン「ふふっ、剣術には自身があるからね。モナ打ち合う時何か考えていた?」
モナ「うん、お姉ちゃんの動きを真似出来ないか考えていたけどやっぱり今は無理だね。」
モナの言葉に今は、かと嬉しく思いながら模擬戦の動きを評価する。
ノルン「でも、モナの戦いぶりは悪くなかったよ。相手をよく観察しているし戦いながらも考えを止めていない。考えるな感じろ、なんて言葉あるけどそれは言ってしまえば強さがある者の思考停止だ。だからモナボクはこう思うんだ考え続け直感を感じろと。」
ノルンの言っている事が余りに難しい事だと理解しながらそう成れるかなとモナは思う。
自分が大層な人物に成れるとは思っていないがそれでも眼の前にいる慕っている人に胸を張って肩を並べられたらなんて淡い妄想をしてしまう。
そんなモナの思いを知らずとも少しづつでも強く成れているんだという喜びを少し目に浮かべている為ノルンは微笑ましく笑う。
ノルン「あぁそうだモナ、明日は一度首都に行ってから次の依頼の町に行くから。」
モナ「首都に行かなきゃ駄目なの。」
首都と聞いて顔を顰めるモナにノルンは苦笑しながら疑問に思うもモナに聞くつもりは無かった。
ノルン(アクラの町より王国の首都の方が良いと思うのが普通だと思うんだけどモナにとって首都の方が慣れないんだね。)
生活水準が桁違いに違う為首都に慣れないほうがいいとモナは考えている為首都に行きたがらず、そんなモナの考えを知らず疑問に思うがノルンはモナの意志を尊重している。
ノルン「ちょっとした用事がギルド本部にあるからそれを済ませるだけだから。それに次の依頼は港町のルルリラなんだ!新鮮な魚介が味わえるよ!」
モナ「いや、食べ物で釣ろうとしないでよ。」
テンションが高くなったノルンにモナは仏頂面をするが構わず続ける。
ノルン「いやいや、魚介と一口に言っても色々あるんだよ。まずは魚塩焼きでも良いし醤油の焼けた香ばしい香りはたまらないし、貝類は煮込めばいい出汁が取れて焼けば旨味が口に広がる。エビやカニとかの高めの食材は食べてからのお楽しみに取っておくとしてやっぱお刺身は外せない。」
モナ「解ったから一旦止まって。」
このまま行けば食べ物の話で時間を取りそうな為話を区切るモナとやはり食べてみないと美味しさは伝わらないかとモナにご馳走する気がノルンの中でグングン上がる。
モナ「えっと、本部では余り時間が掛からないって事でいいの?」
ノルン「そうだよ。ちょっとした用事だから朝に行って一時間位で済むと思うよ。」
そうなんだとモナは思いなら昼ぐらいにその港町に行くのかと検討が付いた。トラブルが無ければ。
まぁ何かあってもモナはノルンに着いて行くしかないので特に気にしていない。
ノルン「じゃぁ特訓の続きをしようか。次はワンドに組み込まれている魔術のヒールの練習してそれから打ち合いながらヒールを並行して使う練習だね。」
ノルンがモナに渡した魔道具のワンドには回復のヒールと解毒のアンチポイズンとノルンが仕込んだとっておきの三つの魔術が組み込まれておりそれを扱う特訓も並行していた。
モナ「ヒールとアンチポイズンは使いやすいけど最後のだけおかしいと言うか。」
ノルンからワンドの話を聞いた時それほんとに必要なの?と疑問に思うがノルンは構わず必要になるかもと言うので詠唱を覚えようとしていた。
ノルン「ボクが仕込んだとっておきだからね。何時か必要になるかもしれないし。」
モナ「必要になる時なんて来なくて良いよ。」
そうだねとノルンは笑いながらモナの特訓の再開をして時間が進む。




