33 ギルドの上層部9
シエラが表情を強張らせている横でゲンサムは苦笑しながらもシエラを宥める。
ゲンサム「シエラちゃん、今日合ったばかりの私達より付き合いの長いノルンの方がモナちゃんにとって信用出来る大人でしょう。まぁ、話を聞いたら暑くなるのは分かるけど無理強いはするもんじゃないわよ。」
ゲンサムの言葉に納得はしていないがシエラは引き下がる。
シエラ「えぇそうですね。すみません。」
引き下がったシエラを確認してからクロイがノルンにこれからどうするか尋ねる。
クロイ「ノ、ノルンさんは話が終わりましたし、ギルドの依頼が来るまでどのように過ごされますか?」
ノルン「この後はモナを首都の観光してもらって明日にアクラの町に戻ってしばらくは其処でモナの特訓をしようと考えています。」
クロイ「え、えっとモナさんのと、特訓ですか?どうしてですか?」
モナの特訓と聞いてクロイは困惑の表情を浮かべノルンに続きを促す。
ノルン「モナが一人で魔獣を倒せれるようにとヤトの村の村長に頼まれてますから。」
シエラ「ならば学区に行くべきでは!」
ゲンサム「シエラちゃんステイ、ステイ。」
シエラ「ゲンサムさん私は犬ではありませんよ。失礼ですね。」
またシエラが暑くなりはじめたのでゲンサムが宥めクロイはノルンがモナを学区ではなく町で特訓をするという事がどういう事か検討が付いた。
クロイ「な、なるほど学区に入るにはまとまったお金が要りますからモナさんでは用意出来ない為、駆け出しの森近くのアクラの町で特訓するんですね。」
育った村の近くの町で特訓して何かあればノルンが対応出来るようにしているのだと解りクロイは納得する。
グレゴル「アクラの町で活動するのは解った。ただギルドの依頼があればそれを最優先にしてくれれば問題は無い。」
ノルン「えぇ、依頼は優先して達成します。」
ノルンの言葉にウム、とグレゴルは頷きトリスは疑わしそうにノルンを胡乱げな目で見る。
トリス「そのガキに入れ込んで依頼達成出来ませんでした、とかにならないでくれよ。」
トリスの言葉にノルンは表情を崩す事無く笑顔で受け流す。
ノルン「大丈夫ですよ。モナには自分の人生を歩む為の力を持ってもらう為の特訓ですから、モナにはモナの人生がありますから。」
ゲンサム「うふふ、そうねおんぶに抱っこのままじゃ何時か破滅するもの。モナちゃんの人生は自分で歩まないとね。」
トリス「ふん、ノルンお前だって人間だろうが、一人で出来る限界を見誤ると碌な事にならない事を肝に銘じてて貰おうか。」
トリスの言葉にモナはあれっ、と疑問を持つが周りの大人達がそのまま会話を続けており当のノルンが特に訂正していない為モナは口を挟む事無く会話が終わるのを待つ。
モナ(お姉ちゃん村に来て1年位経った時自分がエルフやドワーフみたいな人間に限りなく近い見た目の亜人だって教えてくれたのに他の人には話していないのかな?)
ノルンが人間では無くエルフやドワーフ等の人に似ている亜人だとモナは知っていたためその事を話していない事にモナは驚くが納得はする。
モナ(多分言っても信じてもらえないとか、かな?お姉ちゃんの種族の名前を聞いたけど多分あまり知られていない種族だと思うし。)
村でノルンの種族名を聞いたがモナにとってよく分からない名前だったので特に気にしていなかったが、アクラの町のギルド支店と今の周りの大人達の会話を聞いて正直に話した所で信じてもらえないのが目に見えている為モナはノルンの為に黙っている事にした。モナが考えを巡らせている間に会話が終わったらしくノルンが席を立つ。
ノルン「では、ボクとモナはこれで失礼します。モナ、行こっか。」
モナ「うん、失礼しました。」
ゲンサム「えぇ、ノルンにモナちゃんまたね。」
モナは席を立ちペコリとお辞儀してからノルンと会議室を出る。それにゲンサムは微笑ましげにヒラヒラと手を振る。




