30 ギルドの上層部6
黙ったゲンサムを見てモナはノルンに顔を向けるるが、ノルンは何も言わずモナの頭を撫でる。
コツコツと足音が聞こえノルンは廊下の奥から先程のゲンサムと同じように目元までローブを深く被った人物が歩いてきた。
幹部4「全く、やはりゲンサムさんは無駄話をしていましたか。」
ゲンサム「あら酷い、立派なコミュニケーションよ。シエラちゃんももう少し愛想を良くしたほうが良いわよ。」
シエラ「余計なお世話です。効率良く物事を進める為に必要な事とは思えません。」
そう言ってローブを取ると銀髪を右からお下げにしたツリ目の女性がモナを見る。
シエラ「その子がヤトの村の子供ですか。」
ノルン「いや何で、幹部の方がモナに関心持っているんですか?」
ノルンの言葉にゲンサムは意味深な笑みを浮かべシエラは真顔のまま答える。
シエラ「当然でしょう、人は証拠が無ければ信じません。今まで通りでしたら貴女は証拠の品を用意しなかったでしょう。証拠を用意しただけでも私はこの子に興味があります。」
シエラの答えにウグッとノルンは言葉を詰まらせる。そんなノルンを見てまぁそうだよねと苦笑するモナにシエラは近づきその両手でモナの両頬を挟み捏ね回す。
シエラ「何ですか、子供だと言うのにほっぺがモチモチしてないじゃ無いですか。村から出たと言うなら子供らしくお腹が膨れるまで食べなさい。そして、ほっぺをモチモチさせなさい。」
モナ「えっ?、いやあの?、えっ?」
ノルン「ちょっとモナに何してんですか!」
ゲンサム「シエラちゃんズルいわ!私もほっぺ触らせて!」
ノルン「いや、ゲンサムさんがしたら事案にしか見えないから辞めて下さい!」
ノルンにそう言われガーンと分かりやすくショックを受けているゲンサムとモナの両頬を捏ね回しある程度は満足したのかシエラは手を離す。
両頬を捏ね回されたモナは意味が分からずシエラを見てそそくさとノルンの後ろに隠れノルンにこの人は誰と視線で訴える。
ノルン「あぁうん、この人はシエラ・ハルニアさんでゲンサムさんと同じギルドの幹部だよ。」
先程自分の頬を捏ね回したシエラを見てモナは幹部って変な人しか居ないのかなと?と思う。
シエラ「さて会議室で他の幹部も居りますので会議室に参りましょうか。」
ノルン「その会議にモナを連れて行くのは躊躇うんですが。」
シエラ「何を言ってるんですか。貴女だけでは意味が無いんですよ。いつも通り淡々とするのは良いでしょうが、子供の目線での情報も馬鹿に出来ないですよ。」
ゲンサム「あらモナちゃんの意見を聞こうなんて言葉アナタからの口から出るのね。」
からかうゲンサムを横目にシエラは涼しい顔をして流す。あまりモナを大人の汚い化かし合いに巻き込みたくは無いが仕方ないかと諦める。そんなノルンの手を握りノルンがモナに顔を向けるとモナは私は大丈夫だと言葉ではなく視線で伝える。
ノルン「はぁ〜〜〜、分かりました。だけど先ほどみたいにモナに変な事しないで下さい。」
シエラ「変な事とは何ですか。子供のほっぺをモチモチして癒やされるのは至極同然のことでしょう。言いがかりは辞めて下さい。」
ノルン「知り合いなら分かりますけど初対面でそれをするのは変人ですよ。」
やれやれと言うシエラにジト目でノルンは返すが済まし顔で流すので溜め息を吐く。そうしながら4人は会議室まで向かっている。




