17 ギルド支店の喧騒5
重苦しい空気が流れるギルドの中で受付嬢は沈黙に対し頭痛を感じながらモナを見る。
受付嬢(うわ〜空気重っ、というかこの子なんて夢の無い事平然と言えるの?)
受付嬢はモナを見た後ノルンに思わず問い掛けそうになるが何時もなら相手にしないノルンが険しい顔をしているのを見て血の気が引く。
受付嬢(表情を崩さないノルンさんが殺気立ってる。てか剣の柄に手を添えてるの怖いって!)
ノルンがモナを守れるように戦闘態勢を整えている事に気付かず荒くれ者は怒りと諦めが混ざった暗い感情を剥き出しにする。
荒くれ者「良いよな、自分の未来を掴み取れるような奴らは中途半端で何をやっても才能ある奴には勝てない事に諦めたほうが楽だと気付いた俺達の事なんてはなから眼中に無い連中共が。」
モナ「その言い方だと私もその中に入っていそうなんですが?」
荒くれ者「違わねぇだろ、ノルンが保護者代りならお前も明るい未来が待ってんじゃねぇか?」
モナは荒くれ者に対する呆れが増し思わず溜め息を吐く。
モナ「貴方の目は節穴ですか、まともな勉強も戦う為の特訓もしていない私が成功するとでも?」
モナの言葉にノルン以外の全員が目を見開く、冒険者になろうとする者は誰だって成功させ成り上がろうと息巻いている為モナのようにうまく行く訳無いと考える者はまず居ない。
モナに何も言い返せ無いでいると黙った荒くれ者に何を当たり前の事といわんばかりに呆れる。
モナ「保護者が強くても子供が同じように成れるとでも?経験をしても必ず活かせるとでも?そんなにすんなり上手く行く程器用だとでも?」
荒くれ者はモナが子供だという事に対し信じられない気持ちになる。モナ位の子供は自分が冒険者として成功する事を信じてやまない程には夢を見ている。煩わしい程に成功を信じるが、失敗する事を恐れないのでは無く失敗するという事自体が頭に無くただ無駄な自信に溢れている。それが普通だというのに目の前のモナは自分が成功する等微塵も考えておらず事実だろうと平然と言う。
何も答えない荒くれ者にモナは首を傾げるが先程の自分達の心を抉る事を言ったモナが自身は成功する等あり得ないなんて言う事に困惑する。
荒くれ者「なぁ、何でお前はそんな事を平然と言えるんだ?何で平気に自分を卑下するんだ?」
荒くれ者の言葉にモナは何を言い出すのかと溜め息を吐きながら面倒そうに答える。
モナ「はぁ〜、卑下も何も事実じゃないですか。というか貴方が言ったじゃないですか、薄汚いガキだと。」
そんな事を事実じゃないかと言うモナにノルンは悲しそうな顔をして顔を伏せる。自分を薄汚いガキと言うモナに荒くれ者は息を飲んだ。




