表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白日アリアは死んだのか?  作者: 黄色之鳥
プロローグ
1/32

プロローグ「白日アリアは死んだのか?」

「たくさんの人に愛されたいんだったら、たくさんの人に嫌われる覚悟をしておかなきゃね!」


 男は薄暗い部屋で、彼女の亡骸を見つめながら、その言葉を思い出していた。


 ああ、なんだ、やはりこうなるんじゃないか。


 あの時もそうだった。彼女は、強がりばかりを口にしていた。どれだけ強くあろうとしたところで、結果がこれなら、何の意味もない。


 男はベランダに出て、煙草を一本吸うことにした。


 煙を吸っている間の暇つぶしに、テーブルに乗っていた封筒を持ってきて、中の手紙を読んだ。大笑いしたくなるような内容だったので、気が済むまで声を上げて笑ってやった。


 とある人は、彼女のことを最強だなんだと言っていたが、なるほど、その意味がようやく分かったような気がする。


 だが、これではダメだ。


 人間は、人間の弱さを覚えなくてはならない。


 まずはそこから、始めないといけないのだ。


 男は自分の使命を思い出していた。


 彼女はもう動かない。


 どんな言葉をかけても、届くことはない。


 残されたのはただの、強さの象徴だけ。まったく役に立たないものだ。


 男は、自らの両の手のひらを見つめた。使い捨てだが、これはまだ役に立つ。


 タバコを吸ったおかげで、ほんの少し、冷静さを取り戻すことができた。


 男はベッドで横になっている彼女を横目で見て、つぶやいた。


「白日アリアは死んだのか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ