Vtuberに本気の恋愛をしてしまった様だ。
僕が出会ってしまった運命のVtuberは、赤色の髪をした現実世界にもいそうな雰囲気を持つ見た目をしている。
そこがまた身近に感じてしまったんだ。
そんな彼女を見るようになってわかったのはVtuberは結構大変な様子だという事だ。
しかし、僕は彼女に夢中になっていて、彼女が大変な思いをしながらもVtuberをしている事に気づく事はなかった。
気づいてあげる事が出来たら何かが変わっていたのだろうか。
彼女はほぼ毎日、同じ時間からゲームをしながら楽しいお話をしてくれる。
彼女が配信をする時間は決まって18時だ。
そのため、僕は17時になると速攻で会社を出るようになった。
本当は残業をしなくてはならない時も、自宅に仕事を持ち帰る様になってしまった。
僕はダメになってきているのだろうか。
それくらい、どうしても18時に配信をする彼女に会いたいのだ。
出来れば、配信を19時や20時からにかえて欲しけども、彼女の配信を見ているリスナーと呼ばれる僕たちが選べることではない。
彼女に出会ってから僕は、生活の中心が彼女になった。
彼女の活動時間が僕の活動時間のような気持になっていったんだ。
しかし、彼女は近すぎて遠すぎる存在だった。
僕の気持ちのままに彼女との距離を近づけすぎて、彼女に怒られたことがある。
僕は動画配信に慣れていないので、配信をしている彼女を友達のように身近に考えてしまっていたんだ。
でも実際は違っていた。
さらに、動画配信者の中でもVtuberというのはかなり特殊な存在である事も後から知ったんだ。
Vtuberというのは、その存在自体とナカノヒトといっていいのだろうか?
それは全く別と考えなくてはいけないらしい。
本当にアニメから飛び出してきたような感覚だ。
だから、僕が出会った、運命の彼女には実際には会う事は出来ない様だ。
それはとてもつらい。
いつか、彼女がもっと僕の事を気にかけてくれて好きになってくれる日は来るのだろうか。
しかし、僕ももう40歳だ。
その様な夢は捨てる必要がありそうだ。
彼女に動画配信で会える事やコメントでだが、話が出来る事。
毎日彼女が元気にゲームをし雑談をする事。
それが僕の日常の中にあるだけで幸せだと思うべきなのだろうか?
どうしても欲が生まれてしまう。
彼女を独占したくなってしまう。
嫉妬もしてしまう。
束縛をしたくなってしまう。
僕は病気なのだろうか?
Vtuberに恋をしてしまった。
そんな相談は誰にもできない。
僕の、40代最初の恋。
この先どうなるのだろうか・・心配だ。
Vtberの彼女と僕が結ばれる日は来るのだろうか?
そんなことは考えずにただ応援し続けるしかないのだろうか?
僕にはお金の余裕もない。
金銭的な応援が出来ない。
金銭的な応援が出来ないと、彼女は僕の事をそんなに大事にしてくれなくなるだろうか?
考えるとどんどん不安になってくる。
こんな不安な気持ちになるのはやはり恋なんだろう。
彼女に嫌われないように、毎日応援していきたいのだ。
本当は応援ではなく、彼女に傍にいてほしいのだが、彼女の本当の名前も年齢も顔も知らない。
むしろVtuberである彼女にはそのような事を求めてはいけないのかもしれない。
いやいや、40歳の僕が彼女の求める事が間違っているのだろうか?
恋愛というのは年を重ねるとややこしくなるものだ。
本当に彼女の事が好きである気持ちだけは確かなものだとわかるのだが、この年齢になって動画配信者に恋をするとは思ってもみなかった。