アレだよアレ、えっと……なんだっけ
「好きだったんだ、高校のとき」
「え、私のこと!?いや女の子同士だし……
ま、まぁ真莉なら私もやぶさかでは……」
目の前にいるこの女性は顔を赤くしてクネクネしていふる。多分照れてるんだろうなぁ。
「あ、別に琴路ちゃんのことじゃないよ?」
「!?」
「いや、まぁ琴路ちゃんも好きだったけど、今は違う話をしようとして……」
「まさか……私以外に好きな人が!?」
「いや私昔から独身じゃん」
「言うてまだ大学2年やで」
「そうだけどさ……えっと……
そうそう、地理の汐華先生」
「禁断の恋だったのか……!」
「いや汐華先生の授業だよ好きだったのは」
「なんだ、焦って損した。
で、汐華先生ってたしかジョジョに関連する場所のときめちゃくちゃテンション上がる先生やったよね」
「うん。一番好きだったのは3組の『アリーヴェデルチ事件』かな」
「懐かしっ!そんなこともあったな……」
学校…というか、学年だけの身内ネタはどこにでもあるよね。時々思い出すよ。
そんなこんなしてたらラーメンを両手に持ってここの店長がやってきた。
「何の話かよーわからんけど、ラーメンお待ちどさん。」
「あ、店長さんいつもありがとね」
「店長もなんだかんだ高校の頃からの顔なじみやね〜」
「だな。相変わらず二人でイチャコラして……
ホントに琴路ちゃんは真莉ちゃんのことすいとーね」
「そんなこともある!」
「そろそろ私離れしてもらいたいよ」
「酷い〜!」
「あはは!さ、冷めないうちに……ん?伸びないうちに?まぁ、早う食べんしゃい」
割り箸を取り、両手を合わせて……
「「いっただっきまーーす!」」
ギャグも、急な異世界転生や異世界転移もなく、かと言って超能力とかもない……
ホントのホントの日常系、始まり始まり。
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真莉
主人公。方言などのなまりがない、ごく普通の大学2年生。
琴路
ヒロイン(?)。関西弁で、真莉のことが大好きな大学2年生。
店長
ラーメン屋の店長。博多弁で、話し方は豪快だが見た目はゆるふわ系お姉さん。