第四話 ポーション
なんだこれ、タマゴ? にしては大きすぎる。
俺の体程度の大きさのタマゴが上から降ってきた。上を見ても、雲一つない空で、鳥などの姿は見えない。
不思議な現象だ。十中八九俺がガチャを引いたからなんだろうけど……まさかタマゴが出るなんて。というかこんな大きなタマゴ持って帰れないぞ、どうすれば……。
タマゴを持ち上げようとし、手が触れると、急にピキピキッと割れだした。
「おぉっ! もしかして中に何か入っているのか?」
確かにタマゴが割れて、アイテムがでるような演出は見たことがある。このギフトもそういう仕様なのだろう。
割れたタマゴの破片は徐々に薄くなっていき、ついに消えてしまった。後に残っているのは、緑の液体が入っている瓶だけだった。
『下級ポーション』
ホログラムのように瓶の上にそんな文字が現れる。
「おぉ! ポーション!」
ゲームとかなら体力を回復するポーションだが、現実では怪我とか病気に効果がありそうだな。下級だしどれほどの効果があるかは分からないけど。でも毎日これが手に入ると置き場所に困るぞ……。
ポーションをポケットに入れると、公園にある時計からちょうど12時の鐘の音がなった。
「お昼……家に帰るか」
昔の記憶を思い出しながら俺は家に帰った。