未練
次話というよりまた別話です。
表現を楽しんでください。
未練
寄る辺のない私は夜を徘徊する。
輝輝とする星々は私など見ることはない。
それは当たり前のことだ。
数千、数億ある星の一つも私を見ることなどない。
あくまで私が星を見るだけだ。
私の2度目の恋もそのようなものであった。
彼女は星だった。何光年も離れた存在で、彼女が発した光は幾分か経って私の元へと届くのだ。
何人かの人を経由して私の耳へ届くのだ。
私はあくまで傍観をしていた、あまりにも彼女は輝いていたから声をかけることすらできなかったのだ。
彼女の光があまりにも純粋なものであったから、私が近づくことは許されていないように感じたのだ。
そんなことを思いながら毎日のように星を眺めていたら星は、他の星に恋をした。
他の星と星座を作りたがっていた。
星座は傍観する者、星を観測する者が決める。では彼女を恋する星と私が結びつけなければ、彼女の恋は実ることなどないだろう。
こんな時、何をするのが正解であっただろうか。
恋心が強いから、彼女と他の星を結んだ。
彼女を好いているから、彼女の為と思い星座を作った。
残ったのは、彼女を他の星から奪いたいという劣情のみであった。
結び付けたのは私なのに。
未練は残る。
彼女の幸せより私の幸せを望むべきだった。
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