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「これが黒いサイコロか。」
魔王カトリーヌは、マジマジと黒いサイコロを見つめる。その様子を見守る女CEのカトリーヌと黒いサイコロの持ち主の、うくぴょんだった。
「どうなの? どうなの? 何とかなりそう?」
「・・・分んない。アハッ。」
「分からないって、元々サイコロは、あなたの心臓だったんでしょう!?」
「そんなことを言われても、私のサイコロは清く美しいものだったんだもの。」
「それが魔王の言うことか!?」
「だって。」
「だってもヘチマもない!? 何とかしてちょうだい!」
「無理よ。だって、このサイコロからは邪神うさぴょんの邪念を感じるわ。」
「やはり邪神うさぴょんがサイコロに取り憑いているのね。」
「そうそう。私は名ばかり女魔王なんだから!? 難しいことは言わないで!?」
「はあ・・・あなた、カトリーヌな感じがするわ。」
「やったー! だって私はカトリーヌ!」
「喜ぶな!」
「なんなんだ!? カトリーヌって!?」
魔王カトリーヌなら、黒いサイコロを何とかできると思いやってきた、気象予報協会の会長カトリーヌとうくぴょん。しかし2人の期待は裏切られた。
「せっかく魔界まで来たが収穫なしか。」
「それは違う。」
「え?」
「魔王カトリーヌでは、邪神うさぴょんの黒いサイコロを何とかすることが出来ないと分かったじゃない。」
「えええ!? 私ですか!?」
「そ、そうですね。」
「ガーン!?」
「自分の考え方や見方を変えれば、マイナスもプラスに変えられる。決して諦めちゃダメよ。」
「は、はい。」
うくぴょんはカトリーヌの言葉を意外にも思いつつも感心した。たまに同一人物ではないのではないだろうか、と思う時もある。女魔王カトリーヌはショックで沈んでいた。
「よし! 今度は神カトリーヌに会いに行こう!」
「神カトリーヌ!?」
「そうよ、神カトリーヌよ。」
「カトリーヌはどんだけいるんですか?」
「知らない。カトリーヌの数だけいるんでしょうね。ラーメン屋カトリーヌとか、ケーキ屋カトリーヌとかいるかもね?」
「どんなカトリーヌですか!?」
「カトリーヌの数だけ、カトリーヌはいるのよ。気にしないで。」
「気になるわい!?」
きっと世界には1万人ぐらいのカトリーヌの名前を持つ者がいて、いろいろなカトリーヌが存在する。気象予報協会の会長のカトリーヌも、そのうちの1人でしかない。
「じゃあ、女魔王カトリーヌ。またね。」
「お邪魔しました。」
「こら!? もう帰るのか!? おまえたち何しに来たんだよ!?」
「だって、あなた何もできないんでしょう? 用済み。」
「さようなら。お世話になりました。」
「もういい、帰れ。二度と魔界に来るな!」
「ああ、せっかくだからお土産を置いていくわ。」
「お土産? 何かくれるのか?」
「やっぱり二人のカトリーヌは友達なんですね。優しいですね。」
「そうよ。私は優しいのよ。いでよ! 熱帯低気圧! 魔界に100個の超大型台風を発生させたまえ!」
「え!?」
「ギャアアア!?」
突然、魔界に異常な数の台風が発生した。魔界の至る所で猛威をふるう。恐るべし、気象予報協会の会長カトリーヌのお土産。
「さあ、帰るわよ。ワッハッハー!」
何事も無かったかのように、カトリーヌは魔界を後にした。
つづく。




