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「聖騎士が女なら、何か悪いのか?」
「いえいえ、何も悪いだなんて!?」
「てっきり、男の方だと思ったので・・・。ごめんなさい。」
「そうか。すまない。私も町の人々を野盗から守るのに精一杯でね。心に余裕がないんだ。」
「安心してください。私たちは、みなさんを助けに来ました。」
「助ける?」
「そうです。イチの町が人口増加で人々が生活していくのが難しくなったので、土地を広げようと、調査にやって来たんです。」
「調査?」
「幸い、ライト・レフト兄弟もいないし、これならニの町まで、領土を広げても大丈夫でしょう。」
「おまえたちは、この人々から家や土地、少ない食べ物まで奪うつもりか?」
「え?」
「私がおまえたちを倒す!」
突如、逆上した女聖騎士。自分たちが離れずに守って来た町を奪われるかもしれないと聞いたら、怒るのも当然である。
「ご、誤解です!? 誤解です!?」
「そうです!? 僕たちは略奪や侵略をしに来たんじゃありません!? ただの偵察に来ただけですし、皆さんにも平等に新築の家を差し上げます!?」
「本当か?」
「本当です!」
「はい! はい! 嘘を吐きません!」
「まあ、いい。信じてやろう。」
「ありがとうございます!」
「なんて心の広い聖騎士様だ!」
こうして誤解からの戦いを避けることに成功した。話せば分かるというものだ。僕たちはコミュニケーションの大切さを知った。
「この数年の間に、イチの町は人工1000人を超える大きな町に発展しました。」
「そうなのか、あの小さくて何も無かった小さな町が・・・。」
「聖騎士様もイチの町をご存知なのですね?」
「はじまりの町だからな。みんな、スタートはイチの町からだ。」
「今回、僕たちは安全かどうか、ニの町の偵察にやってきました。」
「何も無くて、ガッカリしただろう?」
「いいえ。一から町を作ることに、ワクワクしています。」
「そうか。それは良かった。」
聖騎士様とも僕たちは分かり合うことができた。そこで勇気を出して、質問してみることにした。
「聖騎士様。ニの町の人々をどうやって救ってこられたのですか?」
「私も知りたい! 教えてください!」
「いいだろう。ついて来い。」
私たちは教会の外に出た。そして教会の屋根に刺さっている十字架を見る。
「あれを見ろ。」
「十字架ですね?」
「よく見てみろ。」
「え? んん・・・あ!? あれは!? 剣!?」
「剣が屋根に突き刺さっている!?」
「そうだ。もう名前は忘れたが、あの剣は、かの有名な英雄カトリーヌ・ねこぴょん様の剣だ。」
「あのカトリーヌ・ねこぴょん様!?」
「なんですって!?」
「カトリーヌ・ねこぴょん様は死しても、ニの町の人々を見捨てなかった。」
「どういうことですか?」
「あの魔法剣から常に回復魔法が出ていて、ニの町の人々を守ってこられたのだ。カトリーヌ・ねこぴょん様は偉大なお方だ。」
「カトリーヌ・ねこぴょん様! 万歳!」
「カトリーヌ・ねこぴょん様! ありがとうございます!」
世間では敗者、仲間を見捨てて逃げた卑怯者と伝えられている、英雄カトリーヌ・ねこぴょん様は、ニの町では伝説の魔法騎士であった。
「大変です!?」
そこに町人が慌てて走ってくる。
「どうした?」
「ライト・レフト兄弟の不定期巡回がやって来ます!?」
「なんだって!?」
平和だったニの町に緊張が走る。
つづく。




