脳ミソの限界を超えろ
予告通り説明回です。
リナが頑張りますので…
ゼヒ皆様もご一緒ください(;>_<;)
以下、グレン様の長い長い教義がはじまります。グレン様は言い回しが丁寧すぎて面倒臭いので、私なりに咀嚼してのお伝えになります。
では、心して……はじめます。
現在の王位継承権第一位はもちろん王太子殿下のイェリク様、二位が第二王子のヨエル様、三位が第三王子のジルベルト様です。
この順位は十年前に決まったものですが、さらにそれ以前のジルベルト様が生まれてからの十二年間は一位ジルベルト様、二位イェリク様、三位ヨエル様でした。
ジルベルト様が生まれる前は、現国王陛下の王太子時代になってしまうのでややこしいのですが、現国王陛下が一位、二位イェリク様、三位ヨエル様となります。
この変動が現在の王位継承権問題を起こす原因なのですが、なぜこれ程の変動が起きたのか。
最初に国王陛下の正妻として王妃の位に就いていたのは、ジルベルト様のご生母、自国の公爵家出身のローゼ様です。ローゼ様はジルベルト様を産んだ後、もう一人王女様を産みますが、十三年ほど前に亡くなってしまいました。
その後、空位になった王妃の座に就いたのが、現王太子殿下と第二王子殿下のご生母のトリアンナ様です。
トリアンナ様は隣国ローク王家のご出身ですが、嫁いで来た際は側妃という立場でした。国王陛下にはすでにローゼ様がいましたからね。
隣国とはいさかいが絶えず、過去に結んだ婚姻も悲しい結果に終わっていましたので、はじめは側妃としての受け入れも拒否してました。にもかかわらず、トリアンナ様の強い希望もあり、また隣国からこの要望を通せば表だった武力行使は今後行わないとまで言われ……その発言に折れる形で側妃に迎えたそうです。
トリアンナ様はそんなに国王陛下と結婚したかったんですね。ベタ惚れだったのでしょうか。私だったらどんなに好きになっても、奥さんはいるわ、相手にされないわ、でしたら諦めますね。
ここで、もし既にローゼ様にお世継ぎが生まれていたら何の問題もなかったのですが、トリアンナ様の方が先に男の子を立て続けにお産みになり、この時点で長男のイェリク様が継承権第一位、次男のヨエル様が第二位となったのです。
このままでは隣国の国内干渉が強まると懸念されましたが、ご結婚十年目にしてやっとローゼ様も男の子をお産みになりました。これがジルベルト様ですね。産まれた順番は三番目ですが、ご正妃様のお子様が継承順位は上になります。
ですのでこの時点で継承権第一位がジルベルト様、二位がイェリク様、三位がヨエル様となったのです。
ここまで、とりあえず私の頭は理解しています。まだ大丈夫デスヨ。まだまだパンクはシマセン。ですが、グレン様のお話しもまだまだまだ止まりマセン。
 
ここで良かった良かったで終われば、今の困った状況にはなりませんでした。
ところがどっこい、先程も言いましたが、ローゼ様が王女のリリー様を産んだ後、そのまま長患いの末に亡くなってしまったのです。
空位になった王妃の席に、持ち上がる形でトリアンナ様がお座りになりました。そしてご実家の権威と国内にできた取り巻きの後押しを得て、ご自分の子を王太子とその次席に据えたのです。
ジルベルト様は王位継承権第三位となり今にいたるという。
しかし、隣国からの介入を危ぶんだり第三王子のお人柄こそ王位に相応しいと、ジルベルト様を推す声も根強く、トリアンナ様とジルベルト様の確執は深くなるばかり。
王太子殿下のイェリク様は既にご結婚されていますが、まだ子宝には恵まれず。ここで早々とお世継ぎに恵まれれば、ジルベルト様の継承順位はさらに下がり、王妃派からすれば少しは安心できるのでしょうけど。
ジルベルト様が今までご結婚どころか婚約者がいなかったのも、王太子殿下より先に男の子が産まれてしまって、状況をさらにややこしくしないためでもありました。
頑張って私のアタマー。後で、と言うか本当は今すぐ紙に箇条書きにして整理したいですが、グレン様の話が切れなくてタイミングがとれません。
続きです。
ですが殿下ももう22歳、このまま結婚どころか婚約者さえいないという状況を続けるわけにはいきません。外野が煩いだけならまだしも、とうとうお父上に国王という立場から言われてしまえば拒否もできず、今回の大々的なお妃候補の募集となったのでした。
大々的な募集も、実は意味があります。
有力者やジルベルト様を擁立しようとする家から娶れば、王妃派との対立が激化するのは必須。だからといって王妃派から選ぶ訳にもいかない。今回の様に大勢の候補者の中から、王妃派、第三王子派、その他、とバランスよく選んで混ぜることにより、お互いの顔を立てることとしたのでした。
これにより消極的方法ではありますが、時間を稼ぐことが可能になったのです。
ジルベルト様のお妃候補に選ばれた派閥関係は次の通り。第三王子派としてオルディス家、王妃派としてユーセラ家、中立派としてバシュレ家、そして民間に最も近いとしてリッチモンド家です。
最後に、おまけの珍獣枠で選ばれるランドール家の私。本当にいい迷惑です。
お付き合いくださり、ありがとうございました!
今回凝縮して短かったのですが、
次話は逆に少し長めの予定です(;´∀`)
文章量が定まらずスミマセン~
 




