景気拡大期が「いざなみ超え」は「日本の失政」が裏側に存在している
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は26年9月7日に内閣府が発表した7月の景気動向指数(2020年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が前月比1.7ポイント上昇し、120.6となり、暫定では「いざなみ景気」を超える74カ月連続となり、戦後最大の景気拡大局面に入ったのではないか? という事について話していこうと思います。
質問者:
え……指数で120ってことは1.2倍ですよね? とてもじゃないですけど、たった6年ばかりでそんなに経済が拡大した印象は無いんですけど……。
筆者:
そう思うのも無理はありません。しかし、「2020年」について今一度思い出して欲しいのですが、
あの年はロックダウンなど新型コロナウイルス対策による大幅景気後退が起きて20年度は名目でマイナス3.8%、実質マイナス4.6%だったんです。
https://www.bbc.com/japanese/56066376
更に前年の2019年は消費増税2回目があり10%になりました。この影響によって2019年12月の景気動向指数は94.7まで下がったようです。https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL07HPQ_X00C20A2000000/
景気動向指数は「今の景気が良いか悪いかを多角的な月次データでとらえる」もののようですが、消費増税とコロナによるマイナスで底の底まで下がったところを基準にして「継続的に上がっています」と言われても正直なところ困るわけです。
質問者:
コロナが始まってからもう6年も前のことですから記憶が薄らいでいても仕方のないことかもしれませんけどね……。
筆者:
10年に1回ぐらいこの基準年を変更するそうなのでたまたま「最悪の年」を拾ってしまっただけだとは思いますけどね。
更にこの指数はインフレであることによってプラスに出やすいので、22年以降のインフレの波にもうまく乗っているためにより過大評価されやすい状況にあるようです。
ちなみに2019年の消費増税前と比べると実質GDPはプラス1%~2%ぐらいののようですよ。
ここ最近で一番下がった地点から見たからこそ「上がり続けているように見える」だけに過ぎないのです。
消費増税前のピークの2019年7ー9月期をGDPにおいて超えることが出来たのは2023年4-6月期のようです。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2023/0213nk/n23_1_1.html
ちなみにアメリカは直前まで伸びていた上に、コロナ渦による給付金が日本よりも潤沢であった事からロックダウン後に22,23年の「リベンジ消費」などでコロナ前のGDPをあっという間に超えたそうなので、「日本の失政ぶり」と言うのが如実に現れていると思います。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA12A640S2A810C2000000/
質問者:
まさかの、消費増税とコロナ対策の失政から回復するのが遅かったから「戦後最長の経済拡大」という事なんですね……。
◇メディアは「忘れた」か「政府の犬」のどちらか
筆者:
ここで問題なのは「成長が始まる74か月前に何があったのか?」これについて僕のような分析をしてくれる大手メディアはパッと探した限りではありませんでした。
せいぜい「物価高で景気拡大の実感なし」「好景気感なし」などとその程度しか書いてくれていないわけで「好景気である」という事に関して否定してくれないわけです。
どう見てもコロナ対策のロックダウンで大きく下がった回復が遅れただけに過ぎませんし、他国と比べてそれが遅れて「復活までダラダラ続いたからこそ”景気回復”が最長になっただけ」なんです。
これを分析できないメディアは6年前のことを忘れてしまった程度の知能の持ち主達なのか、「政府の犬」かのどちらかだと思います。
質問者:
どうしてコロナ渦以降ダラダラ回復していることについて報道してくれないことが「政府の犬」という事になるんでしょうか?
筆者:
なぜならメディアは政府が望んでいる「好景気感」を演出することに間接的に協力しているからです。
どうして政府は「好景気感」を出したいのかと言いますと好景気であれば「減税をしなくて良い」、「増税をしても良い」と言った理論に直結しやすいからです。
そして、好景気であれば個々人の所得が伸びない要因を政策による手取り収奪では無く、「個人が努力していないからだ」という「自己責任論」事に押し付けることも可能ですからね。
※もっとも、本当に自己の努力不足の可能性もあるので、努力や積み重ねをしなくて良いわけではありません。しかし、政府がやるべきことをやっていない「怠慢」であることもまた事実ではあります。
ですが、現実は2022年のロシアとウクライナの問題から物価高が始まり、あらゆる税金が「インフレ税」によって課税になりに国民は苦しみ続けているわけです。
貧困者がいる確率が高いと言われているエンゲル係数は過去最悪、格差が広がっていると言われているジニ係数は悪化し続け格差は拡大しています。
このように本来であれば保険や年金など抜本的に制度を改革する必要があるにもかかわらず「何もしない」というのも「好景気」であれば可能なのです。
質問者:
データで見れば深刻なのに食品だけの消費減税というあまり効果が無く色々なところに問題を抱えていることをやってしまうという事ですか……。
筆者:
ここではメインでは無いので一文だけでとどめておきますと、食品だけの消費減税は農業や飲食店など損害が出るところに対して補助金を出すといった、「もはやバラマキだけの方がマシ」というぐらい悲惨な減税なので、一律で8%にしてくれた方が良いです。
消費税を廃止することが望ましいですがむしろ「確固としたもの」にするために効果が薄い食品だけの消費減税を時限的に行いその後に給付付き税額控除を行おうとしているんです。
そして、メディアの印象操作に惑わされないことが大事かなと思います。
メディアと言うのは政府、大手新聞については特に「言っていることはデマではない」ものの、「一側面的に良いところを切り取っている」可能性も高いという事です。
質問者:
筆者:
そうですね。ネットに存在しているインフルエンサーなどの発信も「誇張」などにより信頼性が低いことも事実です。
AIによるディープフェイクなどで動画すらも簡単に捏造できてしまう世の中になっていますからね。
そのために、複数の情報を精査してそれで情報の信頼性を上げていくという感じですかね。
海外の報道などはSNSで知ると言った事も多々ありますから、良い情報と悪い情報は玉石混交という事を念頭に置く必要がありますね。




