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私こそが、万年レベル1の冒険者  作者: 羽森ハル


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第十一話 万年レベル1冒険者、練習会に入り浸る

今日も開館とともに練習会の道場に入る。共有の学習空間で、師匠に与えられた魔物図鑑を読む。23日目、現在五週目に入っている。あの日歯が立たなかった魔物メラッレについては、真っ先に調べた。


メラッレは光に強い魔物で、飽き性だ。同じ状況がずっと続くことが嫌いだ。子どもっぽいともいえる。なにか遊び道具の一つでもあれば、そっちに気をそらす。そのうちに逃げるべきだった。


遊び道具なんて持っていなかった。でも、リピリカ魔石でちょっと工作すれば、叩くと色が変わったり音がなったりする石なら簡単につくれた。それで良かったらしい。さらに、それを罠のようにして押しすぎると爆発する爆弾などを作れば、もしくは遊んでいるときに不意を突いて攻撃すれば簡単に倒せる。防御力も強くないらしいから。


つまり、私はあのとき一番してはいけない行動をとってしまったわけだ――。まあ、次を気を付ければ良いだけだから、引きずりすぎないようにはしているが。


それ以外にもたくさん覚えた。熱が大嫌いなユラーネや、相手の動きを真似するマネッコ。研究者や冒険者たちが長年かけて集めてきた情報を、ぞんぶんに活用するために。


魔物図鑑を覚えきるまであと少し。残っているのは特徴が薄い魔物や出現確率がいように低い魔物、そして、いまの私では情報を覚えても倒せない魔物だ。


――


午前中が終われば、午後からは練習会内での共同練習が始まる。私は道場の外に出る。まずは基礎体力をつけるための走り込みなどだ。


静かにゆっくりと、街を回る。もともとレベルを上げることを推奨するような練習会ではないため、私でもついていける速度だ。それでも、一周すれば息が上がる。三周が終わると頭が痛くなってくる。


「波、ジオラ、シェンラ、――、は終了!」


名前が呼ばれたらそこで離脱し、水を飲み、すぐさま道場へ入る。


「はぁ、はぁ、ジオラです、お願いします」

「はい、26番へどうぞ。こちらの座席表の通りです」


受付役の人に名前を記録してもらい、言われた場所へ向かう。これから模擬戦闘を始める。対戦――と、練習会内で言うが、その組み合わせは走り込みを終了した順である。26番の場所には(なみ)がいた。


後から来た人が先に問題を出すから、私が出す番だ。


「西の森で、一人。シェライネが五匹。右手前の木に3匹、左手前に2匹。持ち物は今と同じで。」

「飴、あるから。前に置いて撤退」

「後ろにメ―サンが――」


模擬戦闘の基本条件は、「森の中で一人、持ち物は今と同じ」だ。だから私も波も、腰鞄に冒険装備は入っている。つけたままで走るものだから……。模擬戦闘の時間は短い。込み入ったものを出すとしても、勝っても負けても片側30秒もあれば終わる。


「――次、私ね。条件は基本の通り。ケースイが三体前方に視認」


「視認」なら――相手からは気づかれてないってことか。ただ、倒した方が点数は高いから悩むな。


「――三秒経過」

「撤退で。」

「はーい、つまんないの。」


だめだ、判断力が鈍い。この頭が働かない、走ったばかりの状況では殺られる危険の方が高いと考えたが……。こういう極限のような状況で戦いにいく勇気がない。


二戦目だ。走り込みによる疲れも無くなったということで、複雑な題を出すことが多い。対戦相手はシェンラ。一昨日もシェンラ相手で、無残に殺されてしまった。なんにせ出してくる魔物の数が多すぎる。数で攻められると煙幕を撒くことくらいしかできないものだから……。


「今日も僕からの出題だね。じゃあ……基本条件下で、リピリカが君の周囲を囲う。計100体だ」

「手近な一匹を短剣で刺して、リピリカ魔石を取り――」

「おっと、そこでリピリカがなん十体も、数の暴力で襲い掛かってくるよ」

「魔力を込めて超音波を鳴らす」

「リピリカはいったん君から離れたね」


そう、リピリカは超音波が苦手だから。それと仲間がやられたという恐怖、これで逃げることはできる。でも、すぐに逃げないと状況は変わる。仲間を失った恐怖が怒りに代わったとき、リピリカは何も恐れず私に突進してくるだろう。数の暴力で迫られればなすすべもない――けど、今日はちょっと思いついたことがあるんだよね。


「リピリカは怒り、君に突進する。数の暴力だ」

「持ってるリピリカの死体を八つ裂きにして、周りに投げます。一瞬だけリピリカらは止まるでしょうから、その隙にリピリカ魔石を出し簡易幻覚を作用。その死体を生き返ったように見せます」

「ふーん、ちょっとはそっちに興味を持つかもね」

「あとは狩れるだけ狩って、魔石だけとって逃げます」

「まあいいんじゃない? 僕からは以上だよ」


私も同じように問題をだして、相手を変えてもう三周くらいしたら共同練習は終わりだ。それから私は体力をつけるために運動して、一日が終わる。


こうして、一か月を過ごした。

連載投稿キャンペーンが終了したため、しばらく改稿期間を設けます。

次回更新:3/16

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