レディードールへ呪いと愛を〜人形師令嬢は訳アリ執事から溺愛される
代々ドールを作り続ける人形師の一族、アッシュベリー家。アッシュベリードールと呼ばれる人形は、まるで生きているかのようなリアルな造形の等身大ビスクドールで、人形師の気分次第でしか制作されない非常に希少な存在だ。富豪の証と言われるほど高級で金持ちは皆、ドールを欲しがる。
しかしこのアッシュベリードールには、ごく稀に《Birthday》という《意思(魂)が宿る人形が生まれる現象》が起きるという秘密があった⸺。
フェリル・アッシュベリーは、若くして当主になった優れた人形師。人前には滅多に姿を見せない彼女の両足は義足で、ドールと同じ陶器製ゆえに影では《レディードール》と呼ばれている。
幼い頃から仕える執事ルカに恋をしているフェリルだが、その想いはルカになかなか伝わらない。兄の様だった彼が急に従者として距離を置くようになった気持ちも分からず、切ない想いに悩むばかり。
一方ルカは、アッシュベリードールの秘密よりも衝撃的な秘密を抱えていた……。
切ない想いが秘密を作る。
不思議なものに囲まれた世界の話。