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悪役令嬢には異世界がお似合い  作者: 瀬名 冬乃
カポネ公爵兄妹
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舞踏会を終えたカポネ公爵邸

 カポネ公爵邸で開かれていた舞踏会は幕を閉じ、カポネ公爵邸は一気に静かになった。

 カポネ公爵の妹ティーナは、舞踏会中に兄が会場を抜け出してレベッカと別室に移動した事を気にしていた。


「お兄様、レベッカ嬢と別室に移動されましたが、上手くいかなかったのですね。ダミアン王子がすぐに来たのですか?」


「いや、ダミアンもすぐに駆けつけはしたが、レベッカ嬢は私の洗脳を自分で解いてしまったよ。」


 ティーナは、兄とそっくりのピンク色の垂れ目を見開き驚く。


「お兄様の洗脳は、歴代のカポネ公爵家の中でも優れているのに……まさか、お兄様よりも魔力が優れているわけではないわよね?」


「レベッカ嬢は人間とは思えないほど魔力が強いが、さすがに私の方が魔力は強いよ。」


「それでは、とても好きな方がいるのね。」


 これはカポネ公爵家の者のみが知る事なのだが、カポネ公爵家の洗脳を解くには強く好きな人を思い浮かべる事が有効だ。

 レベッカが、カポネ公爵から意識を逸らそうとアーノルドの顔を思い浮かべたのは正解だった。

 

「レベッカ嬢の想い人は、ダミアン王子かしら……」


 ティーナは、ダミアン王子の事が好きなようで、顔を曇らせて不安そうに言う。


「ダミアン王子ではないさ。ダミアン王子の方は、レベッカ嬢に気があるようだったが、レベッカ嬢にはその様子は見られなかった。」


 カポネ公爵は、色恋事に精通しているからか、その人を見れば恋愛感情があるかどうか分かるようだ。


「両思いでないのなら良かったわ。では、レベッカ嬢は誰が好きなのでしょう?」


「アーノルド王子だよ。アデレーの舞踏会の時、レベッカ嬢はアーノルド王子と踊っていた。彼女はとても幸せそうだったよ。」


「あら、それではお兄様の恋的はアーノルド王子ですか?」


「そうなるね……なかなか厄介な相手だ。」


 魔界でもアーノルドは一目置かれる存在のようだ。

 しかし、ティーナは兄が何を悩んでいるのか分からないと首を傾げる。


「アーノルド王子なら、私よりも魔力が弱いですし洗脳できますわ。私が彼の心を奪ってしまえば、レベッカ嬢と結ばれる事はないわ。」


「アーノルド王子の方は、レベッカ嬢を気にかけてはいるが、恋愛感情とまではいかない様子だったからね。」


 ティーナは、カポネ公爵家の血筋だろうか、好きなのはダミアンだが、アーノルドを洗脳する事を考えると心が高ぶる。

 

「今度はヴィンセント公爵邸で舞踏会が開かれるそうよ。アーノルド王子もその舞踏会に参加するはずだから、その時に近づいて洗脳するわ。」


「頼むよ、ティーナ。私は何としてもレベッカ嬢を手に入れたい。彼女の強い魔力にドラゴンに愛される血、なにより容姿が美しい。これほど私とお似合いの人はいないだろう。」


「ふふっ、レベッカ嬢がお姉様になるなら私も嬉しいわ。カポネ公爵家に相応しい華やかな容姿ですもの。」


 カポネ公爵家は、吸血鬼として人を誘惑するからか容姿に優れた家系だ。

 そのためか、カポネ公爵家はかつてのレベッカ同様、容姿をとても気にする一族だった。

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