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悪役令嬢には異世界がお似合い  作者: 瀬名 冬乃
レベッカ、悪役令嬢となる
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アーノルド王子の来訪

 レベッカは、アーノルド王子との一件以降、コルトレーン公爵から謹慎処分を受けて部屋に閉じこもっていた。

 前までは取り巻きだった令嬢達が訪ねてきたり、レベッカに気のある男性からの贈り物や手紙が大量に来て、退屈する事などなかった。

 しかし、取り巻きの令嬢達は一斉に離れて行き、彼女の虜だったはずの男性達もどこかへ消えてしまった。

 そのような状況でも公爵令嬢としてのプライドなのか、レベッカは新しい銀色の生地で作った豪華なドレスで綺麗に着飾っていた。


「お姉様、ずっとお部屋に閉じこもっていては体に悪いです。庭園にでも行きませんか?」


「外の空気を吸うと気分が変わりますよ。」


 ずっと部屋に閉じこもっているレベッカの事を心配して、リーガンとロレーナは彼女の部屋を訪れては外に出るよう誘う。

 レベッカは、気分ではないと断り続けていたのだが、そんな日々が続き、それでも諦めずに誘ってくれる弟と妹に根負けした。


「そうね、今日は庭園に出てみるわ。」


 リーガンとロレーナはとても喜び、レベッカの手を引っ張って庭園へ連れて行く。

 コルトレーン公爵邸の広大な庭園の芝生の上に、レベッカとリーガン、ロレーナは寝転がる。青空が広がっていて、耳を澄ませば小鳥の鳴き声が聞こえる。

 久しぶりに外に出て自然を堪能し、レベッカは幸せな気分に浸っていた。

 しかし、その幸せな時はすぐに終わりを迎える。

 慌てた様子の執事がレベッカ達のもとへ走って来たからだ。


「何事ですか?」


 せっかく、閉じこもっていた姉を連れ出す事に成功したというのに邪魔が入ったとリーガンは眉を顰める。

 その様子を見てビクビクしながら執事は、リーガンに用件を伝える。レベッカは、執事がリーガンのみに聞こえるように話している事が気になった。

 リーガンは用件を聞けば、顔色を変えてロレーナへと何やら耳打ちをする。


「お姉様、私とロレーナは急用ができました。お姉様はどうか、ゆっくり庭園でくつろいでいてください。」


 リーガンとロレーナは、急いで邸宅の方へと戻って行く。レベッカは、一人庭園にに残されてしまった。




 執事がリーガンに伝えた用件とは、アーノルド王子が訪ねて来たとう事だった。そして、レベッカ以外のコルトレーン公爵家の者達に伝えたい事があると言う。

 

「アーノルド王子は、何の話をしに来たのかしら?」


「間違いなくレベッカお姉様に関わる事だと思うけど……」


 二人は、喋りながらもアーノルド王子が待つ応接間へ向かって急いでいた。

 しかし、ロレーナが途中で立ち止まり俯く。


「どうした、ロレーナ?」


「お姉様、大丈夫よね?不敬罪とかで酷い目に遭ったりしないかしら?」


 ロレーナは、その大きな瞳を潤ませながら声を振るわせ聞いてきた。

 リーガンは、ロレーナを抱き寄せて頭を優しく撫でる。


「大丈夫だよ。アーノルド王子は聡明で優しい方だから、レベッカお姉様に酷い事なんてしないよ。」


「そうよね。アーノルド王子は優しい方だもの。大丈夫よね。」


 アーノルド王子は確かに優しいが、厳しい人でもある。リーガンは大丈夫だと言いつつも、彼自身も不安で仕方なかった。

 


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