し、たたり
昔、一度だけあった叔父さんは、決して水溜まりを踏まない人だった。
公園に連れていってもらう途中「どうして?」と首をかしげた僕に「聞いてないのか!」と、目をむいた叔父さんは、叔父さんのお父さんのお話をしてくれた。
その人は突然いなくなったのだと言う。
探しに行った叔父さんは見たそうだ。
水溜まりに向かって続いた。
大人の体の幅ぐらいのあいだの開いた。
指の幅ほどの五本ずつの線を。
「お前はまだいいが、“結果” が出たら、水には気をつけろ。“外” の水には絶対入るな! 次の “結果” がでるまで! いいな !?」
がっしりと掴まれた肩の感触はまだ覚えている。
叔父さんはいなくなった。
父は平気で水溜まりに入るようになった。
ちっ。
水溜まりを踏まなくなった僕の後ろから舌打ちが聞こえる。
兄と弟は。
まだ、いる。