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問五十五、自分よりも屈強で戦い慣れしていてマフィア歴も長い古株のマフィア達に担ぎ上げられている真面目と努力家以外取り柄の一つもないカジノ支配人兼マフィア組織ボスの気持ちを答えよ。

 店内に入ると、まだ開店前ということもあって店内は静謐としていた。

 明かり一つついていない店内には、メイド服を纏った鋭い眼光の女性と、白衣を纏ったスーツ姿の男の姿がある。


 メイド喫茶のフレンチメイドチックなメイド服ではなく、ヴィクトリアンメイドに黒の編みタイツと黒いハイヒールを合わせ、ホワイトブリムの代わりに手裏剣を模した髪留めで髪を纏めている濡羽色の長い髪を持つ紫紺の瞳の女性の名は常夜(とこよ)月紫(つくし)

 歴史の表舞台に登場せず、常に歴史の影で暗躍してきた忍の一族――常夜流の現当主に当たる女性である。

 百合薗圓の最愛の人であり、同時に百合薗圓の最強の守護者(ガーディアン)でもある彼女の力は無縫であっても警戒を向けざるを得ないほど。かなり感情的になりやすい性格であり、特に圓が絡むと周りが見えなくなるという悪癖があるため、交渉などの席では細心の注意を払う必要がある。


 白衣を纏ったスーツ姿の男の名は化野(あだしの)(まなぶ)。表社会では門無平和の名で知られている。

 医学会のパイオニアなどと言われ、多くの革新的な医療技術を発表してきた天才として知られているが、その実態は間違いなくマッドサイエンティストである。様々な薬品が使われた事件の裏で暗躍しており、様々な非合法組織に化学兵器を流しているという噂もある。彼の周りからはよく人が消えると言われ、過去に化野學と付き合っていた女性が、不倫相手の男性と共に消息を絶ったという話は星の数ほど存在する。

 警察機関などからも彼に関わって失踪した者が相次いでおり、百合薗グループ周辺や化野學に関する調査が不文律でタブーとされている理由の一旦は彼が担っていると言えるだろう。

 噂では反物質爆弾の世界で初めて開発に成功したというものもあり、それが事実であれば大日本皇国で最も強大な力を手にした人間の一人ということになる。


「本日はご無理を言って申し訳ございませんでした」


「そう思うなら礼儀を弁えなさい! 圓様に迷惑を掛けるなど万死に値するわ!」


 忍刀を鞘から抜き去る月紫に「この人は相変わらずだな。……どんだけ百合薗さんが好きなんだよ」と半眼になる。

 一応反撃の準備はしておくが、実際には威嚇程度で済ませるつもりだ。月紫は忍術の才能も多彩でありながら、剣士としての腕もかなりのもの。

 特に「ジェノサイド」と呼ばれる剣術の領分を逸脱した剣技は「魂を含め狙ったもののみを的確に断ち切る」という厄介な効果を有しており、まともに戦えば勝ち目がない。


 しかし、それよりも厄介なのが圓の存在だ。月紫を愛する圓の目の前で月紫を殺害すれば一体何が起きるか分からない。恐らく、まともにここから生きて帰ることはできないだろう。

 ただでさえ、百合薗圓という人間に対して謎の苦手意識を感じている無縫にとって彼との敵対は現実的ではない。


「まあまあ落ち着いてねぇ、月紫さん。で? 今日の用事というのは一体なんなのかな?」


「異世界を旅する中で薬漬けにされ、慰み者にされてきた女性達を保護しまして……彼らに治療を施した後、経過観察をお願いしたい。具体的には病床と看護師を貸してもらいたいということです」


「あっ……なるほどねぇ。それは、内務省からの依頼ということかな?」


「いえ、俺個人からの頼みです。……まあ、ここで正直皆様方に貸しは作りたくないのですが」


「あっはっは! 正直だねぇ! まあ、今回の件は貸しだと考えなくて良いと思うよ? 君だって不本意だったみたいだしさぁ……それに、ボクが君の立場ならきっと助けていた。ってことで、化野さん。病床って開けられるかな?」


「えぇ、まあ、大丈夫ですが。……流石にタダで引き受けるつもりはありません。その女性達で人体実験を行っては駄目なんでしょう?」


「当たり前でしょ! 何考えてんの、化野さん!! ……はぁ、ごめんねぇ、無縫さん。こんな奴に頼りたくないよねぇ」


「心中お察しします、百合薗さん。……じゃあ、こういうのはどうでしょう? 異世界で倒した特殊な魔物、その死体をお譲りします。空間転移能力に秀でた魔物のクローンだったようです。なかなかの強さでしたよ」


「ほう!? それは興味深い! 培養してから実験してみましょう! 圓様、そのクローンを対価として病床をお貸しするということでどうでしょうか?」


「……相変わらずだねぇ。まあ、化野さんが良いと思う契約でいいと思うよ。じゃあ、その契約、ボクが責任を持って見届けたからよろしくねぇ」



 その後、無縫は學に報酬の魔物(デモニック・ネメシス)を先払いで提供した後、フィーネリアと協力して私立白百合大学医学部附属病院本院に被害者女性達を運び入れ、薬物除去と一部の記憶消去を行ってから學と看護師長に託して私立白百合大学医学部附属病院本院を去り、異世界に戻ってきた。

 勿論、全てを丸投げした訳ではなく、彼女達が目を覚まし、更なる処置が必要だと判断された場合は連絡が来る手筈となっている。また、彼女達が故郷への帰還を希望する場合、その対応をするのも無縫達の仕事だ。


 今回の件でディアボロスの被害者達を助けてしまったことで奴隷を解放することがほとんど既定路線となってしまった。

 「一人助けるのも、全員助けるのも大差ない」と半ばヤケになった無縫は無法都市で稼ぎに稼ぎまくった後、無法都市中の奴隷を全て購入するという無茶苦茶な方針を決めた。奴隷を正規の値段で購入するという正当な方法のため流石に犯罪組織側も文句をつけることはできないだろうという目算もあってのことである。


 当然、奴隷達を解放した後は希望に応じて故郷へと帰したり、社会復帰をサポートしたりする必要がある。これらは魔族の領土に赴くまでに粗方終わらせたいと無縫は考えていたため、無法都市の一件が片付いてから魔族の領地に入るまでの間に熟すつもりだ。

 目を覚ました女性達が仮に故郷への帰還を希望しても、その対応ができるのは奴隷を解放して無法都市を出発してからということになる。

 被害者である女性達の気持ちを考えれば一刻も早く希望を叶えたいところだが、無縫達にも都合があり、十全に全ての願いを叶えることはできない。


「……かなり遅くなった。そろそろ宿に戻ろうか?」


 無縫とフィーネリアが女性達の移送を終えた後、無縫は周辺のブラックナイトファミリーの関連施設の破壊に動いた。

 瑠璃姿の手によってブラックナイトファミリーの施設は粗方壊滅し、構成員も手当たり次第にギャンブル勝負を仕掛けて殺害した。組織のボスと幹部が軒並み死亡、構成員もかなりの死亡したことでブラックナイトファミリーは壊滅状態に陥っている。構成員が全て死亡した訳ではないが、ここからブラックナイトファミリーが三大マフィアの一角に返り咲くことは不可能だろう。


 今までブラックナイトファミリーという強大な力によって守られていた構成員達。四方八方から恨みを買いながらも組織の力によって守られてきた彼らがどのような結末を迎えるかは想像に堅くない。……まあ、中には上手く再就職先を見つける世渡り上手もいるかもしれないが。


 フィーネリアと共に瑠璃の姿でホテルに戻った無縫は二人で遅めのディナーを摂った後、フィーネリアに風呂を譲る。

 楽しそうに鼻歌を歌いながら湯浴みするフィーネリアの鼻歌を聞きながら、無縫は珈琲を楽しみつつ計画を練り始めた。



「ブラックナイトファミリーが壊滅した……だと? それは本当か?」


 無法都市の地下、そこに広がる巨大な地下都市の一角に存在する無法都市最大のカジノ『カジノ・オメガ』。

 その支配人を務める「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」の首領オスカー・アルゴンは部下からの報告を顔色一つ変えずに聞き、最後に「それが事実かどうか」を尋ねた。


「はい……ブラックナイトファミリーの拠点を全て調べましたが、構成員の中に生き残りはいませんでした。ボスのディアボロスも含め、幹部達の死体も確認しております」


「承知した……報告感謝する」


 オスカーは報告を伝えた部下に感謝の言葉を述べると、「くれぐれも客達には伝えないでくれ。お客様のパニックにならないように務めるのがカジノ運営の使命だ。ゆっくりと頃合いを見て情報を開示していく……今はまだその時ではない」とこの件に対する方針を固めて部下に提示して見せる。

 不安に包まれた顔をしていた部下は、ボスであるオスカーの堂々たる姿勢に鼓舞されたのか、背筋を伸ばして他の構成員達にボスの意思を伝達するために動き出す。


「流石はオスカー様。カジノの支配人になるべくして生まれてきたお方だ。組織の長としての堂々とした姿勢、やはり彼を選んで本当によかった」


 オスカーは決して強くない。他の組織のボス達のような戦闘力は何一つ持ち合わせていないのだ。

 元々オスカーは孤児だった。貧民街で生まれた彼は盗みなどで糊口を凌いでいた。

 しかし、貧民街で出会ったある紳士に拾われてからその人生は一変する。


 その紳士の正体は先代の「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」の首領であった。どんな気紛れがあったのか……その真意は不明だが、オスカーは温かい寝床と美味しい食事、綺麗な衣類を手に入れることなった。

 犯罪組織に身を置く中で、オスカーが才能を発揮したのはカジノだった。ディーラーとして卓越した手腕を発揮した彼は『カジノ・オメガ』というカジノを任されることとなる。

 後に無法都市に移転し、無法都市最大のカジノとなる『カジノ・オメガ』で支配人となったオスカーは順風満帆な生活を送っていたが……その矢先に先代首領が死亡した。


 次のボスの座を賭けた骨肉の争いが繰り広げられる中でもオスカーの生活は変わらない。ボスの座などに興味が無かったオスカーは自分の大切な居場所――『カジノ』を守るためだけに全力を尽くした。

 その直向きな姿勢が、「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」の構成員達には欲深く組織のボスの座を求める浅ましき者達よりも好意的に映ったのだろう。結果として、オスカーは神輿として担ぎ出され、オスカーを次期ボスとして推す構成員達の手によって瞬く間に「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」のボスにされてしまったのである。


 しかし、オスカーにはカジノ支配人としての才能しかない。百万人を超える客の名前と出身国、性質などの情報を全て暗記し、カジノに関する様々な知識を有している。確かにカジノ支配人としては素晴らしい才能だが、犯罪組織の経営には全く役に立たない。

 今の「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」はオスカーを慕う者達によって支えられていると言っても過言ではない。そして、オスカーもまたそれに応えようと努力を重ねているのだ。


「……少し考えを纏めたい。執務室にいるので何かあったら呼び鈴を鳴らしてくれ」


 オスカーは部下にそう伝えると総支配人の執務室に入り……そのまま、ゴミ箱に近づくと耐え切れずに吐いた。

 これまで気丈に振る舞ってきたが、オスカーの心は限界だった。そもそも、オスカー自身は犯罪組織のボスになるような器ではない。その本質は小市民なのだ。


 臆病で、いつも不安で……自分という存在の証がないからこそ必死に努力を積み重ねてきた。

 ボスに捨てられないために、過度な信頼を向ける部下達に幻滅されないように、今のオスカーの仮面はオスカー自身が必死に作り上げてきたものに過ぎない。

 百万人を超える客の名前と出身国、性質などの情報を全て暗記し、カジノに関する様々な知識を有している……などというが、その知識は全て睡眠時間を削って自力で覚えたものだ。

 他の組織のボスのようなカリスマ性も、特別な才能もオスカーは何一つ持っていないのである。


「怖過ぎる……イカれ野郎共なブラックナイトファミリーを滅ぼすなんてどうかしているに決まっている。ああっ、関わりたくないなぁ……どうか、このまま去ってくれますように……本当にお願いしますよ、神様」


 オスカーは祈る。ただひたすら祈る。どうか平穏がそのまま維持されますようにと。

 その小市民の心からの願いは――しかし、無常にも天に届くことはなく、彼はそう遠くない未来に無法都市に現れた厄災と邂逅することとなる。

◆ネタ等解説・五十五話

常夜月紫

 初出は『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』で、同作のメインヒロイン。

 別世界の彼女の活躍は語ると長くなるので、本編を読んで頂きたい。

 この世界に常夜流とライバル関係にある隠影流は存在しないため、圓との出会い方は虚像の地球とは別である。その辺りを描写する予定はないが、圓に対して異常なまでの忠誠心を抱いている点は同じであり、彼女の命を救うような場面が過去にあったのだろう。

 ちなみに、圓も月紫も『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の二人との繋がりはなく、パラレルワールドにおける圓と月紫ということになる(これに関しては化野學以外の過去作登場キャラに共通することではあるが)。


◆無法都市の三大マフィアの元ネタ? 等について

ブラックナイトファミリー

 組織そのものの着想は荒木飛呂彦氏の漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風』に登場するパッショーネに由来。様々な犯罪に手を染めている点も共通。

 ディアボロス・ジャガーノートの名前も同組織のボスであるディアボロと同じく「diavolo」、つまり悪魔に由来するが、人物造形はオーソドックスなマフィアのボスをイメージした。

 伏瀬氏のライトノベル『転生したらスライムだった件』に登場する三巨頭が掲げる「金、女、力」がそれぞれの組織の性質と合致しており、ブラックナイトファミリーはその中でも「力」を象徴している。


黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)

 組織そのものの着想を得た組織は特になし。オーソドックスなマフィア組織をイメージした。

 ただ組織の構造、特にボスの扱われ方については尾田栄一郎氏の漫画『ONE PIECE』に登場する『バギーズデリバリー』などが影響している(所謂ボスが弱いリーダーなパターン)。

 ボスであるオスカー・アルゴンの名前の由来は彼の人物造形に大きな影響を与えた朝霧カフカ氏原作の漫画『文豪ストレイドッグス』に登場する天人五衰メンバーの一人であるシグマの元ネタが安部公房であったという説から派生し、安部公房の代表作である『壁』の中に収録されている「魔法のチョーク」に登場する主人公の名前から。オスカーについては適当に持ってきた。白米良氏のライトノベル『ありふれた職業で世界最強』に登場する解放者であるオスカー・オルクスは多分関係ない。性格違い過ぎるし。

 伏瀬氏のライトノベル『転生したらスライムだった件』に登場する三巨頭が掲げる「金、女、力」がそれぞれの組織の性質と合致しており、「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」はその中でも「金」を象徴している。


ミル=フィオーレ・ファミリア

 組織そのものの着想を得た組織は特になし。強いていうなら遊郭がモチーフ。

 組織名の元ネタは天野明氏の漫画『家庭教師ヒットマンREBORN!』に登場する同名のマフィアだが、花魁を百花繚乱の花に見立てたネーミングであり、直接的な関係はない。

 ベアトリンクス・パフィオペディルムの名前の元ネタは同作品に登場するミルフィオーレファミリーのボス・白蘭が率いる第0部隊パフィオペディラムの元となったパフィオペディルムから取られている。ベアトリンクスの由来はダンテ・アリギエーリの叙事詩『神曲』のベアトリーチェに由来。ネーミングの際に柊★たくみ氏のライトノベル『アブソリュート・デュオ』に登場するベアトリクス=エミール=イェウッドの影が若干チラついていたかもしれない。……というか、あの作品の最新刊はどうなったのだろうか?

 ボスであるベアトリンクス・パフィオペディルムの着想は逢沢大介氏のライトノベル『陰の実力者になりたくて!』に登場する『妖狐』ユキメから得ている。……というか無法都市編の構想そのものの着想は『陰の実力者になりたくて!』の無法都市から間違いなく得ている。

 伏瀬氏のライトノベル『転生したらスライムだった件』に登場する三巨頭が掲げる「金、女、力」がそれぞれの組織の性質と合致しており、ブラックナイトファミリーはその中でも「女」を象徴している。


◆キャラクタープロフィール

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常夜(とこよ)月紫(つくし)(並行世界/大日本皇国)

性別、女。

年齢、二十八歳。

誕生日、二月二十二日(『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の常夜月紫と同じ)。

血液型、A型Rh+。

出生地、岐阜県(『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の常夜月紫と同じ)。

一人称、私。

好きなもの、圓様。

嫌いなもの、圓様を害するもの全て、特に一ノ瀬梓。

座右の銘、特に無し。

尊敬する人、百合薗圓。

嫌いな人、特に無し。

好きな言葉、特に無し。

嫌いな言葉、特に無し。

職業、忍者。

主格因子、無し。


「ヴィクトリアンメイドに黒の編みタイツと黒いハイヒールを合わせ、ホワイトブリムの代わりに手裏剣を模した髪留めで髪を纏めている濡羽色の長い髪を持つ紫紺の瞳の女性という容姿。歴史の表舞台に登場せず、常に歴史の影で暗躍してきた忍の一族、常夜流の現当主。追手に追われていたところを圓に匿われ、一宿一飯の恩義に報いるため圓の剣となると誓った。しかし、圓の側で生活する中で恩義や借りなど関係なしに圓の側で仕えたいと思うようになり、常夜流忍者の配下達と共に正式に圓の配下に加わる。圓のことが好き過ぎる、ヤンデレに近い愛を持っているが、あくまで圓は主君であり、自分では圓に釣り合わないと思っているので(※月紫は美女である)、男女の仲にはなっていない。一方、圓の方はというと月紫のことを最も信用できる仲間として認識していると同時に、彼女に変な虫がつくならば全力で排除する予定と、月紫のことを大切に想っているが、彼女の意志を尊重してか恋愛関係になることを求めてはいない。ただ、「彼女? ……そうだね、もし、仮に誰かを選ばないといけないのなら、月紫さんがいいかな?」と恋仲になってもいいと思うくらい好意を持っている。「魂を含め狙ったもののみを的確に断ち切る」という「ジェノサイド」と呼ばれる剣術の領分を逸脱した剣技を会得しており、その戦闘力は無視できないものである」

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化野(あだしの)(まなぶ)(並行世界/大日本皇国)

性別、男。

年齢、三十三歳。

誕生日、七月十八日(『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の化野學と同じ)。

血液型、AB型Rh-。

出生地、東京都(『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の化野學と同じ)。

一人称、私。

好きなもの、科学。

嫌いなもの、裏切り者。

座右の銘、科学は万能である。

尊敬する人、特に無し。

嫌いな人、特に無し。

好きな言葉、核と和解せよ。

嫌いな言葉、特に無し。

職業、科学者。

主格因子、無し。


「白衣を纏ったスーツ姿の男。医学会のパイオニアなどと言われ、多くの革新的な医療技術を発表してきた天才として知られているが、その実態は間違いなくマッドサイエンティストである。異名は『ナイアルラトホップ』、『混沌の具現化』など。様々な薬品が使われた事件の裏で暗躍しており、様々な非合法組織に化学兵器を流しているという噂もある。彼の周りからはよく人が消えると言われ、過去に化野學と付き合っていた女性が、不倫相手の男性と共に消息を絶ったという話は星の数ほど存在する。反物質爆弾の世界で初めて開発に成功しており、大日本皇国どころか世界屈指の危険人物である。かつては一匹狼だったが、圓と出会うと一目見た瞬間に忠誠を誓った。その正体は『百合好き悪役令嬢の異世界激闘記』の化野學の転生体。本人に記憶はないが、実際は『文学少年召喚』のナイアーラトテップの化身【這いよる混沌】の転生体であり、唯一三作品全てに登場している存在である」

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・オスカー・アルゴン

性別、男。

年齢、二十五歳。

誕生日、一月十四日。

血液型、AB型Rh+。

出生地、ある国の貧民街。

一人称、私。

好きなもの、カジノ、平穏。

嫌いなもの、異常事態。

座右の銘、平穏無事。

尊敬する人、特に無し。

嫌いな人、特に無し。

好きな言葉、特に無し。

嫌いな言葉、特に無し。

職業、カジノディーラー、「黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)」のボス。

主格因子、無し。


「『黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)』のボス。元孤児、貧民街で生まれた彼は盗みなどで糊口を凌いでいたところを先代の『黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)』の首領に気紛れで拾われる。その後組織内でカジノディーラーとして頭角を表した。先代ボスが死亡後、次のボスの座を賭けた骨肉の争いが繰り広げられる中、自分の大切な居場所である『カジノ』を守るためだけに全力を尽くした。その直向きな姿勢が、『黄金の塔(トーレ・ド・オーロ)』の構成員達に評価された。百万人を超える客の名前と出身国、性質などの情報を全て暗記し、カジノに関する様々な知識を有しているが、その知識は全て睡眠時間を削って自力で覚えたもので他の組織のボスのようなカリスマ性も、特別な才能も何一つ持っていない。どこまでも凡人であることを自覚しているため、常に胃痛に悩まされている」

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