妖精はオルゴールの歌手になりたい
僕達は妖精。
人の目を盗んで生きている。
見つかったら大変だから、細心の注意を払いながら毎日生活しているよ。
標本にされたり、見世物にされたり、実験台にされたりするのは嫌だからね。
そんな僕達は箱が大好き。
隠れ潜んできた歴史が遺伝子に刻まれているのかもしれない。
段ボール箱やティッシュ箱、お菓子の箱、いろいろな箱が好き。
妖精によって、好みが違うけど、僕は色んななかでも音楽が響く箱が好きかな。
オルゴール箱っていうやつ。
隠れ潜む生活は気分が憂鬱になりやすいけど、そんな時音楽があると日常がぱっと華やかになるんだ。
自分で歌詞を考えて歌うのも楽しい。
小さな箱の中にある、人間たちの知らない音楽ステージ。
たくさん練習して、いつかたくさんの妖精たちの前で歌いたい。
オルゴールの音楽で歌う歌手になれたらいいな。