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プロローグ
ぼくは、生まれ変わった。
そう、生まれ変わったんだよ。
遊びだと言って殴られたり、消しゴムのカスを投げつけられながら追い掛け回されたり、人のテストを盗み見て影でクスクス笑われたり、毎日のように内履き靴をゴミ箱に捨てられたり、先生に全く信用性の無いニセモノの噂を立てたり、調理実習では影でこっそり変な味付けをして僕のせいにされたり、クラスどころか学年を超えて学校全体から嫌われたり…
そんな事はもう、有り得ない。
そう、有り得ないんだよ。
何故ならぼくは、生まれ変わったから。
偽者でも良い、夢でも良い、一瞬の天国でも、ぼくが抱えた幻想でも何でも良い!
キミ達の言葉がぼくにはどんな意味も成さなくなったこの日から、ぼくは生まれ変わったんだ。
だからね、今までの僕はさようなら。
とても、とても…最低な人間だったよ、キミは。