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片方のピアス

作者: 桜羽
掲載日:2009/07/24


死にネタ


です




あたしのせいだ。



あたしのせい。




私の瞳に写るのは、真っ赤な血で染まった君。


周りのざわつきさえも、私の耳には届かない。



なんで



君が……。



…死んじゃうの?




“もしも時が戻るなら”


この16年間という、まだ短い人生の中で

何度かそう思ったことがある。




…君だって、16だ。



まだ

長い長い人生があったはずなのに。



――死ぬはずだったのは私だったのに…。




ねぇ、時間を…

時間を戻してよ…。




―――それは、つい1時間前のこと。




「美穂、帰ろ?」


「あ、うん!!ちょっと待って」




私の彼氏だったんだ。



私は急いでカバンに教科書などを詰め込んだ。



「お待たせっ」



そう言うと、ニカッと笑った、彼。



「…ねぇ、せい



今日は、帰りに寄りたいところがあった。



「ん?」



「帰りに、駅の方のお店行きたいんだけど…」




友達の誕生日がもうすぐだから、プレゼントを選びたい。



「いいよ。行こっか♪」


そう言うと、聖は私の手を取って、歩き始めた。




この時はまだ、あんなことが起こるなんて



カケラも思わなかった。






―――――――…



「うーん…」


ハートのネックレスと

星のピアスと


にらめっこ中の私。




ハートのネックレスは、前に友達が[可愛い]って言っていたもの。


だけどっ!!


この星のピアス、新作ですごく可愛い…。



「悩みすぎー」


聖も、少し呆れ顔の様子。



「うー…じゃぁ、ネックレスにするー」



聖にそう告げて、私はレジに向かった。



レジで料金払う、ギリギリのところまで、

[やっぱ、星にしようかなー…?]なんて思っていた。





料金を払い終わったあと、私は聖とお店を出た。


お店を出たとき、聖がそのお店の袋を持っているのに気がついた。



「あれ?聖も何か買ったの?」



自然に問いかけてみた。



「ん?あぁ、うん♪」



なんだかご機嫌の聖。


なに買ったんだろ?


…気になる。




「ねぇねぇ、何買ったのっ?」




「…知りたいー?」




ニヤリと笑った聖。



な、なに???




「じゃぁ目つむって?」

「……、?」


私は言われるがままに目を閉じた。



なんだろう?


目の前に虫のおもちゃとか…?


…目、開けるの怖いな(笑)





いろいろ考えていると、耳元でパチン、という音が聞こえた。




「開けていーよ?」



……耳?



「………あ、」




聖の耳元に目をやると、聖の耳には、さっきの可愛い星のピアス。



そして……。



「…あ…あたしの耳も…?」




さっきのパチンという音。


ピアス…入れてたんだ。




「美穂、星好きだもんな。さっきこのピアス、友達にあげようか悩んでたけど

本当は自分が気に入ってたんだろ?」





「あ、…そ…そうかも」

カァァ、っと顔が熱くなった。




「だろー?しかも、俺とおそろい♪」




そう言ってニカッと笑った聖。



「ありがと、大好きっ」


聖はなんでも私の事わかるのかな?


聖は私のエスパーみたいだね。




「おぅ、あたりまえ」



そう言うと、聖は私の手に、もう片方のピアスを手渡した。



私は、片耳にしかピアスの穴をあけていないからだ。



「ありがと♪」



毎日つけよう。


星のモチーフが好きっていうのもあるけど


それ以上に

聖がくれたものだから…。





耳につけていない、片方のピアスをポケットに、しまおうとした。





「あっ…!!」



手が滑って、道路に落ちてしまった。


ピアスはコロコロと車道へ向かっていった。



車に潰されちゃうじゃん!!



そう思いながら、私は車道へ出た。




「…美穂ッ!!!」



「…へ」






――――キキーーッ!!!



…ドンッ………



鈍い音が聞こえた。





「っ……い、った…」



いきなり聖に名前を呼ばれた瞬間、私は聖に体を思い切り突き飛ばされた。




私、車が来てたのに気づかないで飛び出したんだ…。


なに…やってんだ…。



ていうか聖は…?




「……せ…い……?」







ぐるりと周りを見渡した。



10メートルくらい先には男の子が血を流して倒れていた。



そして私にぶつかりそうになった車の運転手らしき人は必死に[救急車!!]と叫んでいた。




………聖は…?




10メートルくらい先に倒れていた男の子にはっきりと見覚えがあった。




「………聖ッ?!?!」





聖?聖なの?




なんで?なんで?なんで?



なんで……。



「…ぁ…あた……あたしの、…あたし…のせいだ……!!」




私のせいだ。


私を突き飛ばして聖は………。



なんで私なんか、かばうのよ。




涙が次々に頬を伝う。


やだ。


やだ。


やだ。


「…せ…い?」


なんで


「………聖…っ?」


目を開けないの?


「…聖ってばぁ…っ!!」


なんで私の名前を呼び返してくれないの?




「…い…ゃだ…やだっ……!!せ…いっ、聖…!!」




呼び返してよ。



[美穂]



って笑ってよ。





「…いやぁぁぁっー!!」



聖。



ごめんね。




私が、私が……。




私が…聖の人生を終わらせてしまった。





許してなんて、くれないよね。



許してなんてくれなくていいよ…。



許されるようなことじゃない。





「……せぃ、……聖」




―――ごめんなさい。





きっと


[私のせいだ]


って聖に言ったら聖は


[美穂のせいじゃない]


優しいからそう言うね。




「……ばかぁ…」








―――ピーポーピーポー……



救急車に聖が乗せられる前に私は聖の血だらけの手を握った。


「………せいっ…」




その手には


私の片方のピアスが


しっかりと握られていた






end.




初めてこういうネタを書きました。



読んでくださり

ありがとうございました(ノ△T)

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― 新着の感想 ―
[一言] 悲しいですね; 自分のせいで好きな人が死んじゃうって… 多分ずっと自分を責め続けちゃうと思います(T_T)
[一言] 自分の書くものとは、持っている雰囲気がすごく違う作品でしたので、 いろいろと新しい発見がありました。 楽しませていただきました。また来させていただきます。
[一言] 私には、彼氏が いません。 でも彼氏……… ちょー×100 ほしいですっ!!! 彼氏がいる大切さは まだ私には分からない けどこの小説は 心の奥底まで 響き渡りました。 続きが読みたいなぁ …
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