『次』を紡ぐのはいつだって新入社員 ⑥
あ、 やっと起きた
リュウタッキーのかなさんが俺に気づいてそうつぶやく
「あのね、時間制限はないけど、クリアしたいのはあんただって同じでしょ?
さっさと起きて! 行くわよ」 MOS野郎が爽やかに、ほがらかに言う
意識が朦朧としている
寝起きによくわからん場所にいて、しかもなんかむかつくタイプのやつが
ピーチクパーチクさえずっている
「は? ここどこだよ どっきり?」
「、、、一応聞いてみるわ 本気で言ってるの?」
とっ とっ とっ とっ
暴力を振るう気まんまんの雰囲気が近づいてくる
『え、 この人はぼくに暴力を振るうきなんだ』
みんな、 思い出してほしい
一般的な想い出(思い出より深いやつ)で 『え』 ってあるだろ?
それがこれ
予兆もなく後ろからいきなりランドセルをぐいって下げてくるやつ
座ろうとしたら、イスを下げられたせいで尻餅をついてしまうやつ
ちょっとした振動でセーブデータが消えるやつ
その 『えっ』 がこれから始まる
『雷光』が当たり前に自然を振りかざす
ズドぉンっ!!!!
速い! がっ!
速いけど対処できないほどではない がっ!!
がっ! がっ! どっ!
一発だけいいのをもらってしまった 、、、
白昼夢? 予知夢? そーゆー系のやつなのか?
痛みと共に意識が覚醒していく 、、、未来予知? GETぉ , , , にやり
「それはもう知っている」
どや顔でえづきながら右足の痙攣を抑える
自身の意思とは関係なく、
しょうもない小学生に捕まえられた醤油バッタみたいにぴょこぴょこしてしまう
たぶん、あと2~3分は立てないかも 、、、
ー ー ー ふるいたての暴力はヒトをすっきりさせるのだ
そして、
『その後の行動』こそが『ヒト』なのか『人』なのかを区別する
『トランプとピラミッド』は有名な法則である
身近にいる、すぐに『おこ』なヒトに試してほしい
お題の通りだが、トランプでピラミッドを建設する際、
『 すぐにたっきれる奴 』
『 根気よく続ける奴 』
に分かれる
こいつみたいに、嫌なことがあればすぐに発散するような奴は『前者』だ
そして、発散した後もすぐにストレスが溜まって暴力を繰り返すのも前者なのだ
でもね 、、、『両者』が1番やばい
そう、 根気よくたっきれる奴
リョウシャだと感じたらすぐに児相に連絡しな
すぐに 7119 だ、、、
「~~~~!!! むかつく! 負けどのくせに!
さっさと行くわよ! 起きて!」
蹴られながらようやく思い出してきた
「あ、選抜試験中だ」ってね
意外にリーダーシップを発揮するやつをよそに、
俺はポケットの中に7119をしまった
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しばらくの間、東に向かう
気持ち良い日差し、心地良い風、揺れる草原
遠くに見慣れない生き物がいるが、
こっちから仕掛けなければ無害な生き物ばかり、、、
結構順調だ
暇を持て余したのか、初参加のみかさんが言う
「ねぇ、よくわんないんだけどさ、なんでみんなそれぞれの企業で『頑張ろう』って思ったの?」
確かに思うところはある
マケドで言えば
とにかく門徒が広い
低学歴、高学歴問わず、来るもの拒まず去る者追わずだ
キライ家もそんな感じだが、福利厚生に闇を感じる
『指定プロテインを無料支給』
『指定ジムを低価格で利用OK』
『キライ家オリジナルまかない付き』
『出動命令 絶対服従』
この企業で働くやつでがりがりにやせこけたやつはいない、、、
そして元指定〇〇団の構成員としてワイドショーでバズるのがこいつらだ
極めると、テーザー銃に対し、地域限定で(テキサス州)
70% 軽減バフの効果を発揮し、科学学会に波紋を投げかけている
『キング エルマー』は最たるものとしてキライ家で今もなお語り継がれている
なに企んでんだよ! こえーよ!
リュウタッキー
独自の秘伝の製法により、細く長く続くマニアックな連中
『一撃必殺』がモットー 『揚げ』に関しては随一
おめーら飲食店だろ?! なんで必殺を求めてんだよ!
そしてRED SEALSの長く続くライバル企業でもある
こいつらが道端で出会うと季節がばぐる
『 氷原に積もる灰 』
『 三日三晩燃える野原に佇む氷 』
動物ってさ、 生存のために生き死にしてるだろ?
こいつらは『意地の張り合い』で生き死にしてんの
何がこんなに憎しみあえるのかまじふしぎ
政府はとっくに両社に接近禁止命令を出してる
過去に何度も、観光気分で激戦区に訪れ、
その場で『凍り咲く』やつ
字のごとくその地を踏みしめた瞬間『炎上』した観光客(外来種)がいた
(笑) 「 ブラボーーーっ!! 」 じゃねーーんだよっ! 帰れっつったのに!!
、、、っふふ、 すまん 今もツボなんだわ
おめーの辞世の句が「 ブぅラぁぁボぉーーーっ!! 」ってアホすぎる
こんな小さな島国なのに、四季折々の産物を描く風景はもはや観光として有名だ
この国の恥部が知らず知らずに名所になることに国民の責務として血が騒ぐ
MOS、、、 そしてMOSだ
もはや『優等生』が行く企業の代名詞
じき政府直属になるエリート予備軍な連中だ
何十年与党だ 何十年なんだかんだまとめている
が、、、 とにかくむかつく 選民野郎 まる。
偏見とちゃっちい人生経験から勝手に分析してた意識を現実に戻す
なんかかさんがごにゃごにゃゆってたので耳を傾ける
「あたしができることが
たまたまリュウタッキーとマッチしていたからかなぁ、、、
多分この企業でなら自分を生かせるって思ったんだよね」
かなさんは少し自信なさそうに答えながら眼鏡にさわる
おっとりとした雰囲気が凪折りさんに通じる。。。
奥ゆかしい人って好きなんだよね
「あたしも似たようなもんかな! 体を動かすの好きでさ。
福利厚生も自分に合ってるし 笑
だから、キライ家に応募したんだ!」
キラキラと輝く笑顔で答えるみかさん
はっきし言ってスポーツ系女子に外れなんてない 好きだ
「わたしは想像通りよ。 そういう家系で生まれたし、
そういう『実力』が生まれた時からあるから、
正しくみんなを導くためにMOSに入ったわ」
うん、こいつは嫌い。まる。
「んで? お前は?」
「ぼ、ぼくは、その、、、 店長が推薦してくれたから、、、」
「きんも 童貞の上にこじらせたタイプかよ」
うん、こいつは嫌い。まる。