『次』を紡ぐのはいつだって新入社員 ⑤
「、、、一応聞いてみるわ なんで反対なの?」
上辺だけの民主主義が張り付いた顔
その根底が真逆なのはこいつのつらを見れば誰だってわかる
とっ とっ とっ とっ
暴力を振るう気まんまんの雰囲気が近づいてくる
『 あ、 この人はこれからぼくに暴力を振るうんだ 』
みんな、
思い出してほしい
一般的な漫画で『殺気』ってあるだろ?
それがこれ
どっ!
どぐっ!!
どっ! どっ! どっ!
速い
今までよりも速い 洗練されたトーキック
気が付いたら我慢汁が声から漏れる
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こらっ! ゆうがっ! 宿題したのぉっ!?
ー ー ー したよぉっ !!
まーまにオウム返しをしたあと、くにおくんの世界に戻る
淡い光の中、 とても懐かしい記憶がよみがえる 、、、
ゆーがっ! 先生からお電話あったよっ! ちゃんと宿題提出してるのっ!?
ー ー ー したよぉっ !!
もう! うるさいなぁ
電車に当たったらまたホテルからやり直しなんだよね
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風景が切り替わる
ー ー ー 三者面談だ
まーまはすごく怒っている
「 がんばりノートにっ! 先生から! ちゃんと宿題をしましょうって!!
なんで宿題しないのっ!! 」
ちがうよっ! ぼく、しゅくだいしたよっ!!
ほんとにぼくはしゅくだいしたんだよ!?
『 その場しのぎの言い訳 』はひどい目にあう
そんなことを思い出したんだ
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淡い光の中から意識が現実に目を向ける
『殺気』ってなんだよw とか言う奴
これがそれな
誰だってこっぴどくまーまに怒られたことはあるはずだ
それを思い出せ それがこれな
殴ってくるやつの雰囲気ってだいたいわかるじゃん?
もうね、『殴る気まんまん』の目と雰囲気
こっちの言い訳はもう意味がないんだ その命乞いには意味がない
これが『殺気』
気づかないやつはちょっと生き物としての危機管理能力を疑ってしまう
普通はわかるじゃん
ー ー ー ずみまぜんでじだあぁ
ぼくは殴られた後にごめんなさいをした
殴られる前にいくら謝っても無駄なのだ
相手が満足してから謝ることが被害を抑えるポイントなのだ
「んで、 なんで『NO』なんだよ」
両眉が軽く垂れてる 眉毛ってほんとに感情を豊かに表現するんだ
ほんとうに不思議に思う奴はこんな垂れ方はしない
ぼ、ぼくがいくら弁解しても信じない感じのやつ そう、、、
ー ー ー 自分が要求する「答え」を吐くまで追求を止めないタイプのやつだ
こいつみたいタイプには一生わからないさ
場の空気感で民主主義の暴力を平気で振るうタイプだ
もし正しく民主主義が機能していた世界なら
ぼくはずっと学級委員になんて選ばれていない、、、
これは実体験なんだからな!
ぼくは学級委員なんて面倒な仕事したくなかった!!
話を戻そう
とにかく俺はこんなやつに従うなんてまっぴらだ
だが、今まで散々蹴られてきたからです、なんてゆったら間違いなく
お互いの報復回数が増えるのは目に見ている
俺だっていちいちきっちり報復するほどそんなに暇じゃないし、こいつは苦手だ
関わり合いになりたくないタイプなのだ
だが俺は、過去の陰鬱な歴史を変えるために、
民主主義がなぜだめなのか証明するために、こいつに立ち向かわないといけない
ー ー ー これは『ぼく』からの卒業
『俺』はもう大人なんだ
「ぅへへ、
さっき『テリーは基本的に森に生息している』ってゆってましたよねぇ
もし、もしさぁ、テリーが平原に出張ってきて、羊やら牛だのにまとめて襲われる可能性を考えたんですかぁ~あ!!?」
重箱の隅をほじくるような質問をしてやる
ー ー ー だってこーゆー奴は嫌いなのだ
「責任とれるんですかぁ~あ!? あぁん!?
勝てるんですかぁ!? 羊と牛とテリーだのがまとめて襲ってきたらさぁ!!」
ここぞとばかりに責める 攻める 論破してやんぜ !!!
どっ! !!!???
どぐっ!! べろべろべろべろっ
どっ! どっ! どっ! ェッ ェッ ェッ
言論の自由が、 論破を期待する民意が、 胃液と共に地面を汚す
『雷光』
まさに『雷光』だ、、、
雷鳴の先触れ 気がついたら胃がごろごろしてんの、、、
ってか普通に吐くわ まじむり、、、
最早目で追うことすらできない速度のつま先がめり込む
「変なフラグを立てんなよ! このかす! ごみ!
ほんと『負けど』の連中って足を引っ張ることしか考えてないのね!」
負けども負けども這い上がる
いつか引きずり倒してやる
これがマケドなのだ
痛みの許容量を超え、しばし意識を手放す
、、、まーま ごめんたい