第3章 お参り ③
暑っちぃなぁ、、、 ペロペロペロペロ
まだ時期的には春の兆しが始まったばかりなはずなのに暑い
ペロペロペロペロ
一目がないことを確認し、半身の法衣をバサバサする
蒸れたステテコに心地良い風が入ってくる
はぁ、 涼しい
しかしまったく、この暑さはなんだ! この気候変動こそが人類の罪の証だ
利益のために変に生態系をいじるからこうなるのです
ペロペロペロペロ
現代のその分野の権威者曰く、たまたまその過渡期であるという意見もあるが、
人類の経済活動こそが原因だと信じて疑わない
ペロペロペロペロ
自室で少し仮眠をとった後、やることもないのでソーダ味のアイスを舐めとる
人によって、『すぐにかじる派』『舐めてはかじる頃合い派』がいるが
私は最後まで『舐めとる派』である
ペロペロペロペロ
パンパンッ すべてを舐め削り終え、両の手を鳴らす
は! いかがいたしましたか?
ふすま越しにすぐに返事が返ってくる
「 おい 小坊主や そろそろ読経が終わる頃合いです
少し様子を見てきなさい 」
は! トタトタトタと足早に駆ける小坊主
『あいつ』を契機に、あの企業から新たな信者が増えるも良し、
だめならだめで、のらりくらり自分の信じる道を進めばいい
呪開寺の住職は今日も当たり前のように、日々の流れ作業をこなす
いぶかしがる奴は勝手に離れていくし、信じるやつは勝手に入信する
長年こういう活動をしていれば自然と経験が身につくし、無駄なことはしなくなる
あのタイプは、これ以上手を加えずとも勝手に利になってくれるだろう
「 え? 最近良くないことがよく起きるの? なら任せて!
ほんとに驚くんだから! あたしだって信じられなかったんだもの
物は試しに相談してみるといいよ! 」
こんな感じで自ら広告活動をしてくれるのである
キャッシュポイントがまた増えることにほくそ笑む住職
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ラジカセから流れるありがたい経を聞き終えた頃に、
すぐに別のお坊さんがやってきた
「 お疲れ様でした どうですか? 楽になりましたか? 」
シンとした雰囲気の中、厳かに語りかけてくる
「 はいっ! すごく気持ちが楽になりました! 」
こんなにも清々しい気持ちになれたのは久しぶりのことだ
やっぱお寺っていいな
「 本日はこれで終了となります 」
俺の気持ちを確認し、優しく笑う別のお坊さん
静かな佇まい、その動作の端々から感じる『儀』的な所作
、、、なんかいい体験したなぁ
さぁ帰ろうと立ち上がろうとしたその時だ
足がしびれてまともに立てない
今時の人はもしかしたら『正座』ってものを知らないかもしれないので説明しよう
なんてったって今やなんでもかんでも体罰になるご時世だからね
正座をしたことない、正座ってものを知らない人向けに説明してみよう
ちょっと想像してみてほしい
自分は『立ち技』が主流、対戦相手は『寝技』を得意としたカードだ
当然、隙を見ればすぐに両足タックルをかましてくる対戦相手に対してどうする?
そう 飛び膝だ
正座とは、通常、片足で行われる飛び膝を両足で行う姿勢で座ることを言う
やってみればわかるが、これが長時間となるとかなり足が痺れる
慣れてないルーキーだと5分も無理だね
俺は痺れた足で立つこともおぼつかず、思わず坊さんにしがみついてしまった
後はよくあるありきたりなラッキーハプニングだ
はだける法衣と恥ずかしそうに顔を横に向く坊さん
、、、なんだよこれ
ばちん! 「 この不埒もの!! 」
こうして俺のお参りは終了した
この描写は一体誰かが得をしたのか?
今思い出してもよくわからない




