第3章 お参り ①
俺は今お寺の本堂にいる
ひんやりとする空気感
荘厳な仏像があちらこちらに鎮座している
ザァぁぁぁ 木々のざわめく音
チィッチィッチィッチィッ 甲高く鳴く鳥の声
、、、よくわかんないけど やっぱ森とか山っていいよな
Highソンで購入したお茶のフタを ぎゅっ と閉める
住職を待っている間、生まれて初めてお寺の中に入った俺は、
好奇心から辺りを見回す
すべてを見透かすような焦点の合わない『目』の像
印を刻み、雄々しく構える像
いくつもの腕に金剛杵、斧、短剣、壺を持つ1面六臂の像
よくよく思い出して見ると、住職に似ている
どの仏像もなんとなく住職に似ているのだ 特徴を捉えていると言ってもいい
スサッ スサッ スサッ スサッ
衣擦れの音がする 緊張する気持ちの中、しっかり正座し心構えをする
そのお寺の住職が、厳かに言う
「 さぁ、私の足の裏を崇めよ 」
ひょいっ と軽快に足の裏を俺に向ける
数秒、唖然とする俺
その数秒ですら片足立ちができず、すぐにぐらつく住職
俺でもすぐにわかる その体型での片足立ちは豚足歩行には無理だ
二足歩行は人類の特権なのだ
、、、痩せろよ と心の中でつぶやく
唖然とする俺をよそに ドタッ という間抜けな音とともに住職が尻餅をつく
そして、まるで取り乱すこともなく尻餅をついた体勢のまま続ける
「 ささっ 、、、お早く 」
まじもんの怨霊との出会いもあったわけで、
店長や職場のみんなからお祓いにいくことを勧められた
パイセンは一命を取りとめ、今は一般病室でおねんねしている
「 なんかご利益がありそうなの買ってこいよっ 」とのことだ
あれだけかっこをつけられてしまったパイセンの願いを無下にはできない
確かにお寺に行った方がいいのかもと思ったし、店長が交通費や代金(寄付金)も出すと言ってくれたことがここにいる理由にもなる
しかも労災的な感じでお給料も出るしね
、、、だが、ほんとにこのお寺のお祓いに効果があるのか疑問が湧いてきた
これはドッキリなのか?
豊満な住職を見下ろしながら、本気で言っていんのか
冗談をのたまってんのか目と目を合わせ10秒ほどじっくり考える
ぁあん?
「 何をしているのです? この体勢もなかなかに疲れるのです
、、、早く済まされよ 」
足の裏を向けてにじり寄ってくる住職
悟りを開いたような、優しく穏やかな顔で俺に催促する
、、、本気の方かぁ
たしかにググれば足の裏が尊いらしいことがわかった
にじり寄る住職をよそに、ググったスマホをポケットにしまう
一応ちゃんとしたお寺だ
このお寺ならではの作法が存在するんだろう
『 郷に入っては 』だ
仕方なしに正座をし、住職の足の裏を拝む
あぁ、ありがたやありがたや
もし何か変なものが憑いているならお守りください
金運とか仕事運なんかも上げてくれると嬉しいです
あ、あと、職場にいるあの人に彼氏がいませんように!
そして俺と縁結びしてくれたらまじポケットマネーからお賽銭出します!
一応かなりまじめにお祈りをする
何やらブツブツ経のようなものをつぶやき出した住職
おっ さすがお坊さんだ なんかそれっぽい
だが気になる
どうしても目につくこいつの装飾品
手首には金のふっといブレスレットが輝き、
首には金のふっといネックレスが垂れ下がっている
そしてこの家の入り口には高そうなスポーツカーが何台もあった、、、
まじで坊主丸もう、、、
ペトリ
!!!!!!???
そう思った瞬間、住職がつま先で俺の右ほほをつつく
自身の迷いが確信なのか、確かめるように震える足先でさらに左ほほをつつく
そして足の親指で俺の唇を ぷるんっぷるんっ と弄ぶ
は?
ぎゅ~~~っ ぱっ ぷるん ぷるん
住職が器用に俺の青春の聖域を土足で弄ぶ
お、お、俺の、 俺の初めてがっ!! ぶっ殺すぅ
現実に追いついた意識が、 そして意識が身体へ怒りの信号を与える
ちょい涙をこらえて取っ組みかかろうとしたその矢先、
「 はあぁぁぁ もろもろの まがごと つみ けがれ! あらむをばぁ! 」
豚の祈り言葉に熱が帯びる
もし俺が外国人ならとっくに取っ組み合い事案だ
だが俺は日本ビトなのだ
豚の祈り言葉があまりにも『 それ 』っぽいので
急に我に返ってしまう ブレーキがかかってしまう
、、、くそっ!! くそっ!! くそぉ!! バシンっ!
下唇を引っ張る親指と人差し指を払いのける
『それ』はもう2度とすんなという俺の気持ちはしっかり伝わっただろうか
怒りを我慢して野郎から少し距離をとって正座する
もう1度ぷるんぷるんされたら俺にはもう自分を抑えられる自信がない
なんで『 第3章 』の始まりがこんな生臭豚坊主なんだよ、、、
このストーリーのキモさに胸糞が悪くなっていく
勉強もせずに『 こんなもんを読んでる 』お前らにも
共感できるよう書き綴っていきたいと思う
ドロップアウトした人生は日本ではつらい
まじで勉強してこればよかった、、、
豚の親指に初めてを奪われようやく感じたことだ
お前ら死ぬほど勉強して 年功序列の椅子取りゲームを勝ち取れ!
その間に俺はどうにかこの豚野郎を始末する
そんな想いをよそに、2度目のぷるんぷるんをされた
、、、この豚野郎をぶっ殺してやる
第3章 開幕




