第2章 引率 ⑬ スカピオサ戦 決着
まず動いたのはじいさんだ
それを見てすぐに水仙が叫ぶ
泣き叫ぶように、、 懇願するように、、、
「 じっちゃぁん! あれはまっつんなんだよ!
まっつんを助けてくれよぉ!!
、、、よくわかんないけど、、、 助けてくれよぉ、、、」
「 ??? 待雪か? こりゃまたえらいめに会うたのぅ 」
悲しそうに、 だが、 だが、、
自信を持って答える白い『翁』
「 ま、 だいじょぶじゃろうて 」
白杖を打ち鳴らす
っっァアア~~~~ン
「 、、、ふむ だいぶな憑かれておるようじゃの 」
もはや見ることさえできない白濁した眼がスカピオサを捕らえる
「 久しぶりなんじゃ 少し『稽古』をつけてくれんかのぉ?
悲しい未亡人さんや、、、 」
ニィっと笑う待雪
長年の邂逅を置き去りにする速度で『白い翁』へ肉薄するスカピオサ
四柱推命!! !
タタン 静かに草履を打ち鳴らす翁
『唯一』を体現するように掲げる白一色の棍、
美しく天上に掲げる白棍を、 足で描いた円に打ち鳴らす
っカァ ァアっ ァァン 、、、 響く白い音
キノエ
ツチノエ
ヒノトっ
ずざざざざっ ッカぁアン!!
カノエ!
ミズノエ!
「 己丑! 引きはがせいっ!! 」
薄汚れた花嫁衣裳を着飾る男に瀑布と乱流が
動物を模した光が 幾方向から照らす!!
シュカッ!!! !!? べりっ べりべりべりっ!!!
アぁ、、、 あノヒトは、、、 イ、、いったい、、、ド、、、こ
崩れ落ちる待雪
ズォォォォアアアアアアアアっ!!
激しい恨みと揺るぎない意思を糧に、氷像へ舞い戻ろうとする黒い風
「 よくわかんないけどさ 、、、もういいだろ? 」
十字勁
つぶやく拳聖
っゴっパッっ !!!!!
氷像もろとも、辺り一面の冬景色が跡形もなく吹き飛ぶ
吹きすさぶ豪風の後に、 ただただ舞い散る灰雪
春は静かにやってきた
スカピオサ戦 終了
$$$$$$$$ 政府医療センター $$$$$$$$
パタパタパタパタっ
先生! ムネモシュネ川付近での調達者 5名です!
重症2名 5名すべて切創!
スカピオサ? との遭遇からの救難信号の患者です!
『名付き』か! 数年ぶりに聞く名前に収集意欲が掻き立てられる
「 西に空きがまだあったな? 重症2名はここのかごに入れろ 他は西だ 」
手際よく衣類をはがされ、かごに寝かされる患者2名を診る
ん?、、、またマケドのこいつか 普段の業務も忙しいというのに、、、
また貧乏くじを引かされたんだな こいつを見てやや同情する
こいつが運ばれるたびに、揃って『お荷物』も担ぎ込まれる
新人の育成は大変だろう お荷物を守りながらの戦闘は、、、
勢伊再にも過去に何度も経験がある その能力ゆえだ
ふむ、もう1人は新顔だな
さっと治癒を開始する そして記憶を読み取る
、、、ほぉ 神話級の凍気系能力か
しかも他者にも影響を与え、治癒にも心得があるようだな
確かにこいつが『 新顔 』なのもわかる
そうそうここに運び込まれることのない逸材だ 良いデータを拾えた
ゆりかごで眠る平次と美冬
RED SEALSの待雪や水仙、美冬以外にもたくさんの負傷者がいる
たしか引率依頼からの遭遇だったか
ふむ、、、 確かに拳聖が出張るだけのことはあったようだ
スカピオサのナイフ形態 しかも過去にはない新しい戦闘パターンだ
また良いデータが手に入った 目を細め、観察する勢伊再
先生! アトランティス東部の探索者 3名 全員重症です!
熱傷1! 複数の欠損1! 電撃傷1!
これはまた面白そうなデータが手に入りそうだ
担ぎ込まれる患者はすでにただのデータにしか見えない
すぐにここに入れろ!
峠を超えたやつは空き部屋へ移動させろ!
適当に見繕って20床程度開けておけ!
勢伊再はせわしなく院で指示を飛ばす




