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『次』を紡ぐのはいつだって新入社員 ⑯ テリー戦

ふらつきながら立ち上がるテリー

俺の参戦でどっちを狙おうか考えてるっぽい



「 長々説明してられないわ  どう『 動く 』かわかってるわね?」

「 木をお上手よく利用すんだろ?!」



俺らの周りに残ってるのはざっと見回して5本  5本だ

何発かは持ちこたえられそうな元気な木  頼りない木  いろいろだ

木を背にするようにじりじり立ち位置につく







人間魚雷がこっちに向かって突っ込む構えをとる



 !!   やっばっ!!







急いで回避行動をとる   、、、ズキ

疲労と痛みなんか無視だ  無視しろ



ドキャッ!  ザワザワザワッ  葉がざわめく



右腕に力を込めて叩く叩く

コッ! コッ! コッ!



頼りない打音  引け腰だとこんなもんか

でもやらないよりはましだ



どんっ



ついでに、離脱する際にわざと肩をぶつける

そして屋台の果物を盗んだチンパンジーのように折れた左腕を抱え、

ほっ ほっ ほっ と一目散に離脱する



爆笑しながら  からのサイドステップ + 足刀 = ズドブッッッ!







    、、、 まじかよ







『 見て学ぶ 』

『 実際にやってみて、納得いくまで鍛錬を繰り返す 』


こういう行為(こと)が好きなやつならわかると思う

バク宙とかダンスとかものまねとかさ

何度も見返して練習したことってあっただろ?


何度も何度も動画を見返してさ  何度も何度も練習してきたことってさ , , ,

絶え間ない練習を積み重ねてきたであろうことをわからされてしまう


そんなサイドキックが    炸裂する







    美しい







間の取り方、地面を感じ体をひねり乗せる体重、スピード、、、


やられっぱなし(蹴られてばっか)だったせいで気づかなかった

こうして客観的に見てわかることもある



  、、、こいつのことを嫌でも(頑張ってきたことが)わかってしまう



純粋に感動する  体の使い方1つ見ただけでわかってしまう






だが、      、、、だが   ムカつくんだよね






死にかけた必死な生き餌を演じる俺を見て

ケラケラ笑いながら暴力を振るってみせるこいつ

今までのことがなければ    、、、素直に賞賛できたのに




不発に終わった魚雷が見事にごろごろ転がる   、、、死んだか??


「 老人はとにかくエサ役に徹して! 攻めはこっちに任せて! 笑 」

ふざけたことを言うMOS野郎


~~~っっ!!  むかつく ほんとにやな野郎だ


こっちは左腕折れてんだぞ!  助けにきてやったのに!

爆笑しながら平気で暴力を振るえる神経を改めて疑う 異常者めっ!!





ぐぐぐ、 起き上がるテリー





ほんとにタフな野郎だ  油断なく木を背にする


ついでにジャリを拾っておく


「 ほんっとあんたらマケドって意地汚いわね  

でもこの場だと好感が持てるわ 」



ならおめーもさっさとジャリを拾えよ! くそ野郎!






じりじり発射先を見定めるテリー


いつでも対応できるように注意深くカウンターを狙う







今度の標的はMOS野郎のようだ


たっ たっ たっ たっ       ダンっ!!!!!!







朝、ジョギングしているおじいさん

「 あ、 おはようございます 」

「 あぁ  おはよぉう  今日も元気だねぇ 気持ちがいいねぇえ 」


当たり前の朝の日常

見かければ声をかけるくらいには親しくなったおじいさんとの朝のルーティーン

その慣れ親しんだおじいさん程度の速度からの、、、







   急加速







ドゴォォン!!!     ワサワサワサワサっ


とんでもない速さと威力だ

衝突エネルギーの分だけ葉を散らす




くぉのっ! くぉの くぉの くぉのっ!!

こっ!   こっ  こっ  こっ


隙を逃さず後ろから近寄り、老人棒でテリーの後頭部を叩く


どんっ


離れ際に再度、わざと肩をぶつける

そして屋台の果物を盗んだチンパンジーのように折れた左腕を抱え、

ほっ ほっ ほっ と一目散に離脱する














$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$







  はい    間違いなく高等技術です


『 肩ドン検定試験 準2級 』  品川地区代表  ドン松永は語る







  クイっ  メガネの中央を持ち上げるドン松永



地域や国によって、

当たり前にたくさんのヒトとすれ違う、そんな雑多なストリートで生きるヒトと、

例えばですね、そもそもヒトが闊歩していない寒村としたストリートで生きるヒト


この環境の違いを比べた場合がわかりやすいでしょうね




  クイっ




例えば後者、、、

そもそもヒトがいない地域で肩が触れ合うことは  、、、まずありえません



   ですがヒトが密集している地域



ここでは当たり前に『 肩ドン 』が起こり得ます

慣れたヒト、言うなれば『 達人 』とでも呼称しましょうか、、、

彼らの平均的な世界では、概ね20m前後から()()()()が始まります


前方者は右によけるのか、または左によけるのか

おのが道を突き進むタイプなのか、、、



  こほん



少し実例をお話ししてみましょうか、、、

そうですね  例えば素人、相対者が素人の場合です

素人でも概ね10mほど先から相対者を感知することができます

そして事故が起こらないよう路線をずらすでしょうね


  そこで、 、、、です  


事故が起こらないよう路線を変更したのに、

相対者である私もなぜか同じ路線に変更してくる

たいていの素人の場合、ここでおそらくギョッとするでしょうね

なぜこいつ(相対者)は、せっかく事故が起こらないよう路線を変更したのに

同じ路線に進路を変えるのか、、、




あなたの後ろを見なさい  見てみるべきなのです




あなたの後ろから迫りくる自転車がいるから、

そして私達との接地点と重なるから舵取り(路線変更)しているのです

これが()()と素人の違いですね

アリストテレスの書 第7章4項 『 あなたの後ろにある危機 』








   ですが その逆もありえます








素人がやっと私の存在に気づきます

さらに私の後ろから迫りくるセグウェイ

数秒後には間違いなく訪れるであろう私達の衝突地点、セグウェイのスピード、これらを考慮した結果、悲しくも同じ路線に行ったり来たりし、もどかしい思いをするケースもあるでしょうね

アリストテレスの書 第7章5項 『 逆にあなた 』








ここ密集地では日々高度な読み合いが試されるわけです

素人と玄人では正に()()()が別次元なんですね ハイ

その道の玄人ともなると、『 時間帯 』や『 相対者の顔つき 』『 服装 』などから

30m先からでも判断できますね



  白銀高輪地区は特にすごいです



彼の地の達人ともなると、そこにさらに

相対者の年収、その人が自分より高層階に住んでいるのか、

または低層階に住んでいるのか、一軒家なのか、、、

それらが加味されるわけです

とんでもない数ですよ?

達人はそんな億を超える()の中から最善を導くわけです




『 家を出た瞬間から駆け引きは始まっている 』




これは高輪地区の、私の敬愛する師から感銘を受けた言葉です
















もし、 もしですよ?

仮に、こうやって  ドンっ  てぶつかってしまった場合、、、

思いがけずドンってぶつかっちゃうことってあると思うんですよ


読み違えてしまった場合    ぶつかってしまった場合、




、、、一体どうなるのでしょうか
















    パシン っ っ



自身の左肩を叩く  道場内の張り詰めていた空気に乾いた音が響く

びくっ  記者は思わず身震いする















  笑  肩がぶつかるわけですよ?  そりゃ怒るでしょ
















$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$











『 ディーーーーーーーー!!! 』










半狂乱に凶器を振り回すテリー

かなり『 おこ 』だ    地面を、周りの空気をぶん殴る

俺を追っかけてくるが、 木の周りをぐるぐる逃げ回る






にやりとほくそ笑む






肩ドンおじさんは生き物共通でヘイトを拾えるようだ

怒りに身を任せ、 隙だらけにチンパンジーを追うテリー






その隙に合わせ、

MOS野郎が   ヒュンっ  と回る



ドぅっ



遠心力を乗せた突刺脚が横っ腹に突き刺さる


大樹に串刺しにされたテリーがよろよろと崩れる

油断なく、すぐに木々を背後に立ち回る

もう少しだ  かなり弱っている   、、、あともう少しだ


だが俺ももうかなりきつい


MOS野郎の不安そうな目線から、  自分の手を見る






骨折した手から遠慮なく血が垂れ落ちている






何不安そうな顔してんだよ!

四の五の言っても手加減してくれるわけでもねぇし殺られるだけだろ!!


びゅんっ  びゅんっ  びゅんっ


まだまだ健在なことを右手のすぶりで伝える

まだまだ全然余裕だっ!!








たっ たっ たっ たっ







手ごろな木を背に距離を取っていた俺らに、残りの生命力を惜しげもなくつぎ込む

あいつはまだまだ『 殺る気満々 』だ

そりゃそうだ  負けたら狩られる

『 生き死に 』がかかっているんだ


やつのつま先が、  やつの歩行音の矛先がMOS野郎に向く

目下、  脅威度 No.1 のターゲットを選定するテリー













!!!!!?    おい!  ばか!!!













疲労からか、 周りに注意を払えていなかった

倒れた木の枝に足をとられるMOS野郎


完全にロックオンしたテリー

その支払いの代償を取り立てる











走る


この短時間で何度走ったか




ぐんぐん走る


ぐんぐんぐんぐん走る





この場であの野郎がいなくなるのはやばい


あいつはこの場でとどめを刺せるアタッカーなんだ


なんとしても死守だ





これを逃したら今月7回目の遅刻だ

必死の駆け込み乗車さながらにMOS野郎を突き飛ばす


予想外みたいな顔してるMOS野郎












、、、   エリート様もこんなつらすんだな    笑












あとでぜったいに仕返ししてやるし、この『借り』を返せよ?


MOS野郎とテリーの間に割って入る    、、、間に合うか?


木製を右足に添えて がっちりガードを固める










パキン   めきめきメキメキっ!   どがっ!  ゴロゴロゴロゴロ




あ、 間違いない  俺の愛用もぶち折れたし、右足もいったわ


砂ぼこりをあげて転がる老チン




「 異世界  合格 、、、 」


初異世界のチュートリアルをクリアした相手(テリー)に惜しみない賞賛を送る




MOS野郎、、、   むかつくけど後は任せた、、、

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